ソードアートオンライン VIRUS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
GGO・装備取得編
プロローグ
前書き
GGO編を期待した方々、本当に申し訳ありません。
実のところ、私の小説のGGOでは特殊な装備のために取得編を製作することになりました。
装備といっていいのかはわかりませんが、最初からそれを持っているのはおかしいため、このような編を作成することになりました。
ALOサーバーの運営が変わり、アインクラッドが上空に浮かぶようになって一週間ぐらいが経ち、学校にもかなりなれた頃。いつもどおりのメンバーで外の庭園でシートを引いて昼食を取っていた。
「やっぱり、ゲツガ君が作ってくれる料理はおいしー」
ユキはそう言いながら自分の作った弁当を食べる。ユキのおいしそうな顔を見ると自然と頬が緩む。
「はいはい、こんなところで自分の彼氏を自慢しないの。彼氏のいないあたしたちに対するあてつけなの?」
「リズさんの言うとおりですよ!ここは学校なんですからユキさんも少しは考えるべきです!」
シリカとリズはユキに注意すると俺の弁当から玉子焼と唐揚げを抜き取って自分の口に頬張った。
「おい、二人とも。何で俺の弁当からおかずを取るんだよ。俺の昼飯を無くす気なのか?」
「あんたが悪いんでしょ。こんな美味しいご飯を作るから。しかも、アンタの玉子焼のほうが普通に美味しいし」
「そうですよ。あっ、この唐揚げ美味しい」
「それじゃあ、お前らは俺にまずい飯を作れって言うのかよ。つうか作ってくれてる親に謝れ」
「優、落ち着けって。いいじゃんか、おかずの一つや二つくらい」
そう言って和人も弁当箱に箸を伸ばしてきたので腕を掴んで止めた。
「そう言って何故お前も俺の弁当に箸を伸ばしてるんだカズ?お前にはアスナが作ってくれた弁当があるだろうが?」
「いやー、食い終わったけどまだ少し食べたりないからさー、つい」
「ついじゃねえよ。俺の昼飯がなくなるだろうが」
「そうだよ、キリト君。ゲツガ君はこの後もバイトがあるんだから取っちゃ悪いよ。私のもう少し上げるから」
アスナがそう言って自分の弁当を和人の方に差し出す。和人はアスナからもらったものをおいしそうに頬張った。
「アスナ、サンキューな。危うく、俺の弁当からおかずが無くなるところだったぜ」
「いいよ、この位。でも、本当にゲツガ君って料理上手だよねー。SAO内でもリアルでもやってるって聞いたときはちょっと疑ったけど、私が思っていたよりもずっと上手なんだもん」
「ほんと、あんたってあっちじゃそういう関係のことはからっきしって思ってたけど現実でも本当にここまで上手いなんてね。初めて食べた時は美味しいってのもあったけど、何か女のプライドみたいなものが壊れそうになりかけたのよね」
「あ、それわかります。こんなに美味しいものを作れる男性が身近にいると本当に自身を無くしちゃいますよ」
「そう?私はそういう偏見もともと持ってなかったからそこまでなかったけど。でも、いくらなんでも任せすぎはいけないかなと思ってるからたまにゲツガ君の家で料理を教わってるよ」
リズとシリカは少し自分を恨めしそうに見て話し、ユキは楽しそうに話をする。
「確かに、ユキはなかなか筋がいいからすぐに覚えてくれて助かってるな」
「えへへ、ありがと。また、日曜に行くからね」
「ああ。なんならリズとシリカも教えよっか?」
「いや、遠慮しとく……(あんたら二人のピンクの空気の中で料理なんかできるわけ無いでしょ!)」
「私も……(うう~、リズさんと一緒でもあのピンクの空気の中で料理なんて出来ませんよ!)」
リズとシリカはあの二人のピンクな空気の中で料理なんかできるかと!と心の中で叫んだのであった。
「そうか?」
「じゃあ、今度私も行っていい?新しいレシピを教えてもらおうと思って」
「いいぜ。アスナに教えれえることがあればだけどな。アスナって料理できるし大丈夫だと思うんだけどな」
「煮物系とかはゲツガ君には敵わないよ。それに最近だとフレンチやイタリアンの勉強もしてるんでしょ?」
「まあ、最近はそっち方面のも勉強してるけどまだまだだな。それにそんな謙遜するなって。アスナだって料理上手なんだから。な、カズ」
「優の言うとおりだぞ、アスナ。アスナの料理は本当に上手いんだから。俺が保障するって」
「キリト君……」
そして、この場をどこか甘ったるい空気が漂い始めた。それに反応するのはシリカとリズだ。二人して何かぶつぶつ言っている。
「この馬鹿どもは……人前でイチャつきすぎなのよ……嫌味なの…嫌味なのね……」
「このバカップルたちは本当に……少しは自重というものを知って欲しいです……」
何か黒いオーラがあたりを満たしていたのでどこと無く話題を変えるために言った。いや、話題が変わるのはいいのだがたぶん驚かれるだろう。
「俺さ、しばらくALOにログインできないかもしれない」
「「「「「はっ?」」」」」
それを聞いた五人はすっとっきょんな声を上げた。
「ちょっとそろそろ新しく買ってたゲームをやろうと思ってな。それでしばらくそっちをメインでやろうと思うから、そのゲームの装備が整うくらいまではALOにあまりログインできなくなる」
「新しいゲームだと?」
和人はそこに食いついた。
「ああ、BFO買ったとき、一緒に買ったやつがあったんだけどさ、いろいろと忙しくてインストールしてるのにまったくログインしてないんだよ」
「そういえば、二ヶ月くらい福岡にいたんだっけ?そっちではBFOやってたんでしょ?ゲツガ君が紹介してくれたジュン君とシュート君とナナミちゃんがそこからコンバートして来たって言ってたね?」
「ああ。ジュンとナナミは家族で、シュートはそん時仲良くなったから誘ったんだ。それとBFOは条件出されたからその条件をクリアするためにな」
「ねえねえ、その条件って何?」
「条件はもしも大会で優勝したらマンションとかのお金をあっちが払ってくれるって話し」
「ああ、確かユイがそんなこと言ってたな。それで確か優勝したんだろ?」
「ああ、なんとかな」
ウィルスを知らないリズとシリカがいるためこのことは伏せた。それに、これ以上はユキや和人やアスナも心配させたくないのも理由だ。
「ええー、ただでさえゲツガ君とは別クラスなのにALOで会える時間が無くなったら登下校と昼食とエギルさんの店での一時間ぐらいしかないよ」
「十分多いじゃねえか」
和人がユキに突っ込んだ。それを苦笑いしながら見ているとアスナが言った。
「で、今度はどんなところに行くの?別のファンタジー系、それともBFOっていう格闘技を使うゲーム?」
「いや、今回はちょっと銃に関してのやつをやるつもり。GGOっていうやつだ」
「なんでやろうと思ったの?ゲツガ君、銃とか興味なかったでしょ?」
ユキが疑問を投げかけてくる。確かにいきなりファンタジーとかをやっていたのにこんな血なまぐさそうな世界に行くのは少しおかしくは思うだろう。
「銃に関しての興味はそこまでないよ。ただ、少しどんなゲームなのか調べてみたいのと、そのGGOってゲームに導入されているっていうゲームコイン現実還元システムってやつがどんなのかを確認するんだよ。それにせっかく買ったのに、一回もやらないなんて無駄だろ」
もちろんこれも本音だ。しかし、実際の理由は違う。
あの時、黒ローブの男に背中に当てられた思い金属のような物質のことを考えた結果、このゲームにいる可能性があると思ったからだ。あの感覚からして剣でもないなら他を考え、たぶん銃と予想した。
GGOに行って、黒ローブの男がいなかったら別にそれでよし。そして、もしもそいつを見つけた場合は、これ以上の被害を防ぐためにやつを倒さなければならないからだ。
「ふーん……ファンタジー系なら私も一緒にやろうかと思ったけど、射的とかそういう系は苦手だからやめとく……でも、たまにはちゃんとALOには来てね」
「わかってるって。そこまで長い間、ALOから抜けてると剣の感覚とか抜けたら困るからな」
そしてその後は世間話などの高校生らしい話をした後、チャイムが鳴りそれぞれの教室に戻るのであった。
ページ上へ戻る