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学園黙示録 終末と武器商人

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高城家2

高茂は冴子、琴魅と共に館内を歩いていた。

「そういえば、高茂君」

冴子が不意に声をかける

「なんすか?」

「先ほど百合子さんと話されていたが内容はどんなのだったのだ?」

「あっ私も気になります」

「内容?まぁ、軽い挨拶みたいなものですよ。百合子さんや荘一郎おじさんはウチの両親と知り合いだったんです。」

「ほぅ」「へぇ」

「昔の話ですけどね。俺が武器商人だってこともあの二人は知ってますし、何より赤ん坊の頃、よくこちらに預けられたものなんですよ。まぁ、十数年会ってはいなかったんですがね。こういう時じゃない方が一番良いんですけどね」

「そうなのか。そういえば、高茂君のご両親は・・・・・」

不意に冴子の口から出てくる

「あっ・・・・・」

琴魅も勘付いたのか言おうとしたが高茂の口の方が早かった

「とっくの昔に死にましたよ。俺がガキの頃に」

「・・・・・すまない」

「いや、いいんすよ。とっくの昔ですし、ほら、二人共そんな暗い顔しちゃあ、せっかくの着物姿が台無しだぞ?綺麗な花なのに」

「・・・・・・/////」

「あわわわ//////」

二人共顔を赤くした

「カカカ。さっ散策を続けましょう。」

そして、その後、高城から呼び出しをくらい、全員、麗の部屋に集まる理由は麗が動けないためである

高茂はベランダで葉巻を吸いながら高城の言葉を聞いていた

「今、私たちは大きな勢力と合流したわ!選択肢は二つ!」

「飲み込まれるか」

「離れる・・・・か。だが、そんなこと決めるのか?」

孝が不意に言う

「見てみなさい!今の状況を!」

高城がそう言いながら孝に双眼鏡を渡す。

「ひどいな」

「そう、これからもっとひどくなるわ!」

高城たちが話しているのは今後のことなのだろう。高茂達は高城家という大きなチームと合流したことになる。つまり、離れるのは今の瞬間しかないということであろう。高城家にいれば日常が手に入るだろう。しかし、孝の親探しが出来なくなることを意味している。もしできるとしてももっと後に回されてしまうだろう。だからこそ、今しかないのである

そんなこんなで話が進み、高城の感情が溢れてきていた

「いい加減にしろ!沙耶!」

孝が胸ぐらを掴みながら言う。高茂は横目で見るだけですぐに街の状況に目を移していた。

(まっこれは孝たちが決めることだからな。俺はそれに従うまで。それに、自由でいるためにゃあ時には傍観者にいることも必要だからな)

その後、孝たちはここを離れることを決意した。しかし、まだ、その時ではなかった。

高茂のいるベランダの下から声がかけられる。

「あっ高茂く~ん」

「ん?おっ松戸さん、どうしたの?」

「いえ、奥様から乗ってきた車両を回収してこいって言われてものでね。高茂くんも一緒じゃなきゃいけないとか聞いたから探しに行こうと思ってたんだよ」

「OKOK。今行くよ。つーことで孝、俺ちょっと車両を持ってこなくちゃあいけないから行ってくるわ。あっ話は進めてもいいよ。俺は従うだけだから」

そう言って部屋を出る


~道路~

「いやぁ~助かりましたよ~重い空気になってたんでね。」

「グットタイミングってやつか。そりゃあよかった。にしてもストライカーとはね。これは驚いたよ」

「慣れれば普通の車と変わらないですよ。操縦も楽だし」

「へへっこういう車をいじれるのは最高だよ。さっ早く家に戻って仕事しなきゃな!」

そう言って二人で手分けして車両を戻すことができたのだった。車両は車庫の方に置いた。手伝おうとしたが松戸さんが大丈夫と言ったのでそこは任せることにした。

「さぁ~てこれからどうしようかね~?」

そんなことを考えていると右手の角から荘一郎が出てきた。冴子も一緒だった

「あっ!荘一郎おじさん!」

「む?おぉ、脩の息子、武蔵じゃないか!」

そう言って笑う荘一郎

「随分と久しいな。元気にしてたか?」

「えぇ、お陰さまで!それにしても、どこに行ってたんですか?俺らが来た時にはいなかったようだけど」

「うむ、避難民に食料や飲料水、それに燃料などを一緒に取りに行っていたのだ。そうだ。毒島先生の娘さんと一緒に来てはくれないか?久々に話がしたい」

「えぇ、いいですよ。」

そう言って冴子と一緒に離れへと向かっていた

~離れ~

現在、冴子・高茂・荘一郎の三人で談笑していた。

「そうだ。毒島くんに見て貰いたいものがあるのだ。」

そう言って後ろから一本の刀を取り出す

「これは・・・・・・誠に見事なものです」

「視えるか?」

「反りの浅い刀。村田銃で知られる村田刀ですね」

「その通り!いやはや感服した!」

「すごいっすね先輩分かるなんて」

「うむ、よく父に見せてもらったのだよ。色々な刀をな。だからだ」

そう言って刀を返そうとするが

「それは貴女の物だ」

荘一郎が言った

「言葉の意味が取れませんが?」

「私も毒島先生の指南を受けたことがある。その礼ということだ」

「ならば、父に渡すのが相応でしょう。ほかにあるのではないですか?」

「おじさん、素直に言ったほうがいいと思うよ?」

「うむ、そうだな。あの不出来な娘のことだ。」

「それならば貴方方のそばに置いておくのではないでしょうか?彼女を助けたことはあります。しかし、それは私の一存ではできません。我々のリーダーは小室君です」

「うむ、小室君もいい青年に育った。だが彼には覚悟が足りない。そこにいる武蔵よりもな」

「え?俺?」

不意に名前を呼ばれたので応える

「高茂君が・・・・ですか」

「うむ、彼のことは知っていよう。武器商人だと、」

「ええ、それは本人から聞きました。」

「だがそれだけではない。彼の両親とは古い付き合いでね。武蔵が赤ん坊の頃から知っている仲だ。彼がやっているように彼の両親も同じ、武器商人だったのだ」

「ちょ。おじさん」

「む?何か不味かったか?」

「いや、両親の職業は言ってないんだよ。」

「何、いずれ話すのであったのだろう?」

「まぁ、そりゃあそうだけどさぁ」

「高茂君、本当なのか?」

「ええ、今言ったことは本当ですよ」

「そうなのか。」

「話を戻そう。彼には覚悟があるのだ。無論、小室くんに無いというわけではない。ただ、出来てないように見える。そこで、あなたや武蔵に頼むのだ。不出来な娘ではあるが、守ってやってくれ」

そう言って頭を下げる荘一郎。決して人前では見せないことだろう。その荘一郎が頭を下げているのだ

「・・・・・分かりました。高城会長」

「俺も了解したよ。おじさん」

「すまぬ。話は以上だ」

そう言って高茂と冴子は屋敷の方に戻ったのだった 
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