学園黙示録 終末と武器商人
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対岸の火事
~日本上空~
日本上空で一機の大型ジェット機が飛んでいる。機体にはエアーフォースワンと書かれている。そう、米国大統領専用機だ。その機内では悲惨な状況になっていた。搭乗員の誰かが奴らと化してしまい、密閉された場所でのパンデミックが起きていた
機内で二人言い争う男性とボディガードが一室で立て篭っていた
「大統領!ご意思をお見せください!私も、あなたも、あれに噛まれてしまったのです!時間の猶予はありません!今まさに、我々の国に核を撃とうとしている国は山ほどあります!その前にこちらの意思を見せなければ!」
軍人であろう男性が言う
「し、しかしだなぁ・・・・・・・」
大統領と呼ばれた男性は意思を決めていなかったが・・・・
「ぐ、ぐぼぉぅ!!」
「大将!」
軍人の男性が血を吐き苦しそうにしている
「私は・・・・・奴らのように・・・・なりたくない・・・頼む、誰かトドメを・・・・」
「くっ!お許し下さい!」
[パァン!]
一発の銃声とともに軍人はその場に倒れ、息を引き取った。それを見た大統領は意思を固めた
「・・・・・・・核ミサイル発射可能な基地に呼びかけろ。核を発射しろ。命令だ」
「・・・・・はっ!」
そう言ってボディガードが無線機で呼びかけ始めた
「・・・・・・神よ・・・・・・無慈悲な我らにお許しを・・・・・・・・・・・」
エアーフォースワンはそのまま飛び続けていった
~床主 川上流~
高茂らは無事に川を渡り切ることができ、奴らがいないのを確認すると小休止を取ることにした。孝がありすちゃんを下ろそうとするとありすは恥ずかしがっていた。孝はなんのことか分からず、下ろそうとするが、麗によって止められる(高茂がストライカーのハッチを開けなかったためである)
「そういやぁ、これからどうするんだ?孝」
高茂が聞く
「まずは、ここから一番近い高城の家に向かう。その後は僕、麗の方を回る」
「でも、確か小室のお母さんって」
「?何か問題があるのか?」
高茂が聞く
「問題というより、僕の母さんは小学校の教師なんだ。だから小学校にいると思う。親父は単身赴任だから合流はできない。それと麗の親父さんも警察官なんだ。だから、警察署にいるのかどうか・・・・」
「なるほどな。まぁ、焦ったって何も始まらねぇ。落ち着いて的確に探すんだ。こういうときほど、焦りは禁物だからな」
葉巻を咥えて吸う高茂
「そうだな。まずは、高城の家に向かう。その後はその時に考えよう。」
「ああ、そう「孝、終わったわよ」ん?おぉ・・・・・」
車の影から出るとそこには着替え終わった女性陣がいた。みんな動きやすい服装にしているせいか艶やかさが増した
「ムフフフフ・・・・・・・」
平野が怪しい笑みを浮かべていた。その隣でジーク(子犬)が鳴いた
「わん!」
「何か文句ある?」
ドヤ顔で決める麗
「いや、無いけど・・・・撃てるのか?それ」
孝が言ったのは麗の持つM14スプリングフィールドだった
「平野くんや高茂君に教えてもらうわ。もしもの場合は槍代わり使うし」
「あっ!使えます使えます!銃剣用装置がありますから!」
そう言って平野が銃剣用のナイフを取り付ける
その間に冴子と琴魅が高茂の方に近寄った。二人共仲が良くなったようだ
「どうだ?高茂君」
「ど、どうでしょうか?」
二人が言う
「ああ、二人とも似合ってるよ。動きやすさ重視だな」
「うむ、制服でも動きやすいが、こっちのほうがもっと動ける。」
「ですね。冴子先輩は羨ましいです。綺麗で、高くて、攻撃できる手段があって・・・」
「そんなことはない。琴魅君だって助けになる時は来るはずだ。」
冴子が笑って言った。まるで、姉妹のようだ
「そういえば、琴魅ちゃんって何が得意なの?」
高茂が聞く
「え?そうですね・・・・・・強いて言うならパソコンですかね。」
「ほぅ。パソコンとな」
冴子が言う
「はい、趣味でやっていて、一応は資格とかもあります」
琴魅が言う
「それなら、うってつけの役割があるぞ~」
「?」
高茂はそう言ってストライカーに入り中から高性能パソコンを一台持ってきた
「こいつを使いな」
「わぁ、最新型のノートパソコンですね!」
ひと目で分かったようだ
「ああ、中も独自に改造してある。そこら辺の代物よりはマシなはずだ」
「そんなにすごいのか?このパソコンは」
冴子が言う
「えぇ、学校に置いてあるパソコンよりは十分マシですよ。電波もストライカー経由で使えますから」
「高茂さん、ありがとうございます!」
そう言ってお辞儀する琴魅
「良かったな。琴魅」
琴魅の頭を撫でながら冴子が言う
「はい!」
その後出発する事になったので。ストライカーとハンヴィーを土手の上に上げるため高茂と平野がクリアリングを行う
「行くぞ。平野」
「うん」
そう言って同時に土手の上に上がり周囲を確認する。奴らは人っ子一人いなく。安全である。その後高茂が合図を送った
合図を確認した高城は先生にGOサインを出す
「先生、いいわよ」
「いっくわよ~!」
そう言ってアクセルを思いっきり踏み、ハンヴィーは土手を駆け上がる。駆け上がった先には平野がいた
「へ?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
緊急回避で避けて難を逃れた。その後、ストライカーもあげて、それぞれの車両に乗り込む
ハンヴィー 静香先生・孝・麗・平野・ありす・ジーク
ストライカー 高茂・冴子・琴魅
~住宅街~
編成はハンヴィーが前でストライカーが後ろである。
住宅街を走っていたが、運転している高茂が気づく
「ぬぅ?なんか・・・・・・・おかしいな・・・・・・・・・」
「どうかしたんですか?高茂さん」
助手席でパソコンの調整を行っている琴魅が言う
「いや、土手じゃあ気づかなかったが奴らがいないっていうのはどういう事だ?」
「生存者を追いかけていったのではないか?それか床主大橋の方に・・・・・」
冴子が言う
「そうだとしても先輩。ここら辺で音を出しているのは俺らですよ?音に敏感な奴らが寄ってこないのはおかしい。ましてや、多少移動したとしても少なからずいるはずですよ。」
高茂が言う
「むぅ。言われてみればそうだな。あの土手でも音を出していたのは我々だけ。だが、奴らは出てこなかった。」
「用心に越したことはないですがね・・・・・・・」
そう言って高茂が無線機で呼びかける
「こちら高茂。応答してくれ」
ハンヴィーに呼びかける
「高城よ。どうかしたの?」
「いんや、なんか空気が違うと思ってな。警戒に越したことはないが用心しておけ」
「ん。分かったわ。あっ先生。次の角を右ね」
「はいは~い」
そう言ってハンヴィーが右に曲がる。すると・・・・・
「高茂、予想が当たっちゃったわ。奴らよ!先生!避けながら行って!」
予感が的中してしまった。ストライカーも同じように曲がるとそこには奴らが彷徨いていた。ハンヴィーは避けながら行っているが、ストライカーでは無理があるのでぶつけて進むほかなかった
「予想が当たっちまったか。みんなしっかり掴まれ!揺れるぞ!」
ぶつけながらもストライカーは止まることなく進む、ハンヴィーは避けながら進んでいき、加速する。
「そのまま突き進んで!!」
無線機を入れっぱなしにしてあるのだろう。向こうの状況が聞こえて来る。
「ダメ!!止まってぇ!!!」
ハンヴィーの屋根の上にいた麗が大声で言ったみたいだ。無線機に声が入ってくる
「きゃああ!!」
「おい!高城!どうした!?」
高茂が呼びかける
「む!?高茂君!止まれ!」
冴子が叫ぶ
それに伴い急停車を行う。奴らを踏みつぶしながらなので血肉によって滑っていた。そして、止まることができた
「何があったんです?先輩」
「見ろ。道路にワイヤーが貼られている」
冴子が指さす方にはワイヤーが塞ぐように貼られていた。
「こりゃあ、バリケードか?おっと、向こうはどうなった?」
そう言ってハッチを開ける。ハンヴィーはワイヤーに引っかかって止まっていた。
「おい!大丈夫か!?」
「ああ、こっちは大丈夫だ!でも麗が!衝撃で落ちた!」
よく見るとハンヴィーの前に倒れ込んでいる麗の姿があった。強く打ったのだろうか。動けないようだった
「クソ!M2キャリバー!フルオート!」
音声認識によってM2キャリバー二門が自動でヤツらを掃討していく。奴らはストライカーの方に引かれているようだ
「孝!宮本を助けろ!それとコータ!」
「分かってる!漏れた奴はこっちで倒す!」
そう言ってAR-10で撃っていた。高茂も一旦中に入り、備え付けのM240を引っ張り出し、上部に出て射撃を行う
「クソくらえやぁ!!!!」
そう言って伏せ撃ちながらも弾幕を張る。少なからず、奴らに効き目があるらしく倒れていくものもいた。
果たして高茂立ちはどうなってしまうのか・・・・・
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