新機動戦記ガンダムW -星間戦争記-
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永遠と一瞬 ~混迷への出撃編~
前書き
いよいよ最終決戦ですよ(ワクワク)
AC-0001)アフターコロニーが制定され、コロニー建設が開始される
AC-147) 各地でテロ活動が見られるようになる
AC-173) ヒイロ・ユイにより、非暴力・非武装によるコロニー独立を宣言、世に言う『宇宙の心宣言』
同年) ロームフェラ財団がモビルスーツの開発に着手
AC-175) 4月7日、ヒイロ・ユイ、暗殺される
AC-195) 4月7日、『オペレーション・メテオ』が実行され、5機のガンダムと少年が地球に降りる
同年) 地球側世界統一国家軍とコロニー側革命軍ホワイトファングが全面衝突、後に『EVE WARS』と名付けられる
同日) 『EVE WARS』終結と同時に、地球圏統一国家が誕生
AC-196) マリーメイアの反乱
MC-0022)ヒイロ・ユイ、冷凍冬眠から目覚める
MC-0037)人類存亡を懸けた戦いが始まる
宇宙は緊張していた。
地球側には三角形の宇宙船『ピースミリオンⅡ』と、9機のガンダム。
それと向かい合う形で展開するマゼラス大部隊。その先頭には、9機の量産型ミルキーウェイと9機の量産型スターダストが並んでいる。
どちらも、全く動く気配が無かった。
「BFはMSを展開したまま沈黙…何を待っているんだ…?」
ミシェルはドレットの後からモニターを覗き込んで呟いた。
と、ブリッジに電子音が響いた。
「やっと来ました『カゲロウ』です」
「間に合ってよかった」
「通信開きます」
ドレットが慣れた手つきでキーボードで無数の文字列を打ち込み、モニターにカゲロウのリーダーの女が映しだされた。
「こちらカゲロウのジェット、配置の座標データを送信してくれ」
「こちらアダムス、了解した、すぐに配置についてくれ」
「了解」
巨大なハサミが特徴的な戦闘機カゲロウ・ジェットを先頭に、右に高機動の戦闘機ライトニング・カゲロウ、左に重装備の戦闘機カゲロウ・チャリオット、その後に、9機の球型モビルドールのHARO、の合計12機がすぐに配置につき、アダムス・カゲロウ合同反乱軍の戦闘準備は99%完了した。
「私もそろそろ行かなくては」
「はい、ご武運を」
「ありがとう」
そう言ってミシェルは、ブリッジを出た。
メインブリッジの真上に位置するサブブリッジに、3人の老人はいた。
「ウィンクラフトは、戦えるのか?」
ドクトルTがモニターをじっと見ているW教授にたずねた。
「戦力的には、現役時代の僕たち以上には戦えると思うよ」
「いや、心理的にだ…特にサユイラがな…」
「大丈夫だと思うよ、彼は自分の口から真実を弟たちに伝えたんだ、それなりの覚悟はあるんだと思うよ」
「だといいがな…嫌な気配がする」
マグネティックシューズを脱ぎ、宙に浮いている老師・張が言った。
(妹蘭……教えてくれ妹蘭…この妙な感覚は何だ…)
どのくらいの静寂があっただろうか、それは長いようで短い時間だった。
BFの宇宙戦艦ミーティアの後から足が無いにもかかわらず、イブリース級の大きさがあるMSが現れたのと同時に、戦いは始まった。
その巨大MS、『エル』のコックピットには、ヒイロ・ユイの姿があった。全身を黒いファイタースーツで包み、静かに立っていた。
「ガンダムファイト…レディ……ゴーォ…!!」
エルは前方の改良したイブリース、『イブリースⅡ』に突貫した。
そのコックピットには、やはりミシェルがいた。
「時が来た…始めよう」
ガンダムの中で、一番最初に動いたのは、デスサイズヘヴン、グラビトンアームズ、ニコラ、リラの4機だった。
「トリントン…!」
「あぁ…!」
「行くぜ死神!!」
「死ぬなよ狼!!」
トロワとトリントンが、強力な射撃武装の数々を駆使し弾幕を張り、それを盾に、デュオとデュアルがそれぞれの巨大格闘武装を振りかざし、マゼラス部隊に突っ込んでいった。
高機動マゼラスの先行小隊を数十秒で壊滅させ、突き進んでいく。
数秒遅れて、サンドストームとセイリュウの2機がマゼラスの小隊と交戦状態に入った。
「行きます!!」
「はぁあぁぁああぁぁあ!!!」
ヒートショーテルとツインビームトライデントの軌跡が鮮やかに、美しく、踊る。
「マグネティック・サンドストームとフィン・ネオ・プラネイトディフェンサーを展開してこのまま突っ込みます!!」
サンドストームを黒い砂嵐が隠し、周りに、電磁バリアが張られた。
マゼラスの射撃は、レーダーに映らない機体を狙うが当たらず、捉えても弾かれる、まさに鉄壁であった。
砂嵐の向こうから、二匹の龍が飛び出し、マゼラス2機を噛み砕いた。そして、他のマゼラスに狙いを変え、口からビームを連射した。
濃霧から現れる龍は、近づく者を次々に噛み砕いていった。
イブリースとエルは、殴り合っていた。その巨大さに似合わぬスピードで、拳が相手のギリギリをかすめていく。
「はぁぁッ!!」
イブリースの左手がエルの胸部を狙う。
が、エルは、急速後退し、体制を立て直した。
「私のこの手が、真っ赤に燃える!」
エルの右手が変形していき、二本の大きな爪のようになった。
「貴様を殺せと轟き叫ぶぅ!!」
「くッ」
「爆熱!!」
エルの右手が赤く発光し、イブリースの頭部めがけて突き出された。
「ゴットフィンガーァ!!!」
エルが、イブリースの頭部を掴み、装甲を溶かしていく。
「ぐっ…あぁ…ッガ…熱……グゥッ」
「ハッハッハッハ!!」
ミシェルの顔面に、熱さと激痛が走る。
と、ミシェルの体から、見覚えのある人物が現れた。それは、幽かで、存在するとは言えない姿だった。
(ミシェル…僕がついてる…)
(キッド…また、助けられたな……)
キッドの残留思念が覚醒し、イブリースの口が開き、目が発光した。
「何!?」
エルが手を離し、間合いを取った。
その隙をつき、イブリースは左手を振りかぶった。
「うおぉぉッ!!」
「ネオ・バスターライフル!!」
エルは、慣性が残ったまま、後退しながら肩部のネオ・バスターライフルを放った。
その狙いは正確だった。見事、左腕を打ち抜いた。が、ヒイロは目を丸くした。破損部位から、赤い液体が、血が、吹き出したのだ。
「血だと!?」
「左腕血管閉鎖…神経接続を0.4%カット……コード:ADM」
イブリースの装甲板が数枚剥がれ、全身が淡く発光した。
ミシェルの左目も右目と同じく、白と黒が逆転し始めた。
「う…ぐぅう……う」
「隙だらけだぞ…ミシェル」
エルがイブリースの背後に回り、殴ろうとした。が、ヒイロの左胸部に貫通性の激痛が走った。
イブリースがこれまでより速く動き、右手のパイルバンカーでエルの胸部を貫いたのだ。
「速い…ッ」
エルは、パイルバンカーが刺さったまま、イブリースに百烈拳を浴びせた。
数秒殴り続け、イブリースの両肩を掴み体を固めると、エルの口が変形し、ビーム砲が伸びた。
「エルキャノン!!」
エルの口から、一本の細いビームの糸が伸び、イブリースの左目に命中した。次の瞬間、細かったビームが太くなり、イブリースを吹き飛ばした。爆風が広がる。
「どうだ…」
爆風の中で、光る右目が開いた。
「友よ、力を貸せ!!」
イブリースは、左腕に全身に発生したエネルギーを集中させ、一気に放った。
それは、黄金に輝く巨大な左手になり、エルに向かって飛んでいった。
「な…!?」
エネルギーの左手がエルの胴を掴んだ。
「脱出!!」
エルの頭部が胴から分裂し、爆破から逃れていく。
「エルキャノン!!」
エル・ヘッドが再びエルキャノンを放った。エネルギー不足で、出力は落ちたが、損傷したイブリースの頭部を破壊するには十分の火力だった。
「うわぁああぁあ!!!」
頭部を破壊され、コックピットのモニターがブラックアウトし、ミシェルの意識を遠のけた。
「ま、まだだ…!たかがメインカメラを破壊されただけだ!!」
エル・ヘッドは、戦艦ミーティアの方へ飛んでいく。
「ナナ!!」
「はい、予備ボディを射出しました!」
エル・ヘッドが予備ボディの方へ飛んでいくのを、ミシェルは感覚的に感じ取り、狙いを定めた。
「カシウス準備!!」
コールとともに、イブリースの右腕が変形し、巨大な弓になった。
「エネルギー充填開始!!」
「クッ!!間に合え!!」
「充填完了!狙いは私の感覚にある!!!」
イブリースは、右腕を真上に突き上げた。半身になり、足を開くと、頭と左腕が無いにもかかわらず、勇ましさを感じられる。
「行くぞキッド!!」
(これがイブリースのラスト・シューティングだ!!)
エネルギーの輪が広がり、右腕に集中した。
「カシウス発射!!!!!」
黒い矢が放たれ、エル・ヘッドの左頬をえぐっていく。
イブリースはそのまま停止し、エル・ヘッドはゆっくりと、爆発した。
ヒイロ・ユイは、2度目の死亡をした。
後書き
他ロボットアニメの要素が若干入ってきましたねw
こんな感じでパロ(パクリにならない事を願う)を入れていきますんで、よろしくっす!!
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