学園黙示録 終末と武器商人
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脱出
高茂達は下駄箱が置いてある入口まで来た。だが、その手前には奴らがこれ見よがしにうろついていた。
孝「どうするべきか・・・・・」
沙「さっきも言ったけど、あいつらは音に敏感よ。下手に音を出さない方がいいわ」
北「ですが、ここでいつまでも止まってるわけにはいかないですよ。」
冴「北原君の言うとおりだ。何か案があればいいが・・・・」
高(これだけの数、この人数で動くことはまず無理だ。シールズやスワットじゃないからな。熟練チームならまだしも・・・・・仕方ないな・・・・・囮が必要か。適任ならば。俺かな。)「仕方ない、僕が行きますよ」
孝「高茂!?」
北「あ、危ないですよ。もしなんかあったら・・・・」
高「大丈夫ですよ。この中で動けるとすれば、僕、毒島先輩、孝君、高城さんになりますが、孝君はこのチームのリーダー、毒島先輩はチームの防衛、高城さんは参謀ですからね。それならば、今動けるのは僕ですからね。高城さん、音に反応するのは確実なんですよね?」
沙「え、ええ。ちゃんと実験をしてきたわ。間違いないわよ。奴ら、自分に当たっても反応しないけど、周りの音には敏感に反応してるわ。」
高「分かりました。」
そう言って近くにあった靴を拾い進んでいった。近くにいた奴がいたが高茂には反応することなく通り過ぎる。高茂はそれを確認すると持っていた靴を皆とは別方向に投げた
[ガシャン!]
『あああああ・・・・・・・・』
奥でロッカーに当たったのだろう音がしたほうに奴らは歩いて行った。アイコンタクトで孝達に合図を送る
扉も静かに開けたのだが・・・・・・予想外の事が起きる
(ガァァァァァン!!!!!)
生存者の一人が持っていたさすまたが扉に当たって大きな音を出してしまった
沙「しま・・・・・」
孝「走れ!!」
孝の合図とともに皆が一斉に走り出す
沙「馬鹿!なんで大きな声出すのよ!」
抗議する沙耶の後ろに奴らがいたが、高茂の回し蹴りによって頭が無くなる。
高「あの状態じゃあ誤魔化しきれませんよ。それよりも、走ってください!後衛は僕がやります!」
そう言って沙耶たちを先に行かせたのだが・・・・・・タオルを巻いた男子生徒が奴らに捕まった
「し、しま!うわぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「英俊!!」
彼女であろう女子生徒が行こうとしたが、麗が止める
麗「もう無理よ!行きましょう!」
そう言って彼女を連れて行こうとしたが・・・・・・彼女は振り払い、その男子生徒の元へと向かった。
麗「な、なんでよ・・・・・・」
静「好きな人と離れたくないのよ・・・・・たとえ死ぬと分かってても」
静香先生が震えながら言った。同時にバスに辿り着き、ドアを開けて皆が中に入る。高茂は最後まで近接戦闘術にて奴らを確実に倒していく
高(これじゃあジリ貧だよ。ったく、余計な連中まで連れたのが間違いだったな。やっぱ、一人か二人の方が良かった)
高茂がそう思っていると声が掛かる
孝「高茂!こっちは大丈夫だ!戻ってきてくれ!」
高「了解です!」
そう言って目の前の奴を倒し、即座に反転してバスへと向かう。急いで走ってきてバスに乗り込む
孝「先生!だして「待ってくれ!!」!?」
後者の方を向くと数人の生徒がバスに向かってくる。
高(はぁ、疲れた。なんじゃいあいつらは。孝と麗が言い争ってるな。)
『アシクビヲクジキマシター』
高(ん?足首?あれま、簡単に見捨てられてるな・・・・・・ありゃあ、ブドウだったか?紫藤だったか?まぁいいや、名前わかんねーし)
そうこうしているうちにその連中がバスに乗り込んだ
麗が後悔すると言っていた。奴に何か恨みでもあるんだろうか
静「人間じゃない・・・・彼らは・・・・もう!人間じゃない!!!」
自分に念を押すかのように言ってバスを急発進させ正門を飛び出し、街へと向かった。こうして、無事に脱出することができた
~バスの中~
脱出したバスの中では一悶着起きていた。高茂は扉の近くにいた。その近くには琴魅も一緒に座っている
不「だからよぉ!なんでおれらが小室の親捜しにいかなきゃいけねぇんだよ!」
臆「そ、そうだよ。さっきのコンビニに立て篭もればいいじゃないか」
災害などでは良く目に付くであろう邪魔ものが大きな声で叫んでいた
高茂の傍らでは琴魅が彼に服を掴みながら震えていた。高茂は安心させるように頭を撫でていた。
高(ったくよ。うっせんだよガキが、ちったぁ周りの空気読めよ)
と思っていると静香先生がバスを急停車させる
静「いい加減にしてよ!運転に集中できないじゃない!」
高(御尤もで)
不「んだよ!なんだってんだよ!」
冴「ならば君はどうしたいのだ?」
冴子が重い口を開く
不「ぐ・・・・・こいつだよ!こいつが悪いんだよ!」
そう言って孝を指差す
孝「なんだよ。俺がいつお前に言ったよ?」
孝も不満そうに言う
不「この!」
そう言って孝に手を出そうとするが二人にさえぎられる
高茂と麗だ
麗が棒で鳩尾を打った後、高茂がトンファーキックならぬ前蹴りをかまし、不良生徒が座っていた椅子に戻される
不「がはっ!!」
麗「っち」
高「阿呆が」
そして、拍手が鳴る。それは紫藤のものだった
紫「さすがですね。宮本さんに高茂君」
麗「・・・・・・」
高「どうも」
紫「しかし、これはどう見てもあれですね。チームが決裂している。となれば、これはリーダーが必要ですね。」
沙「で、適任はあんたってわけ?」
紫「私は教師ですよ?高城さん。それに皆さんは生徒だ。この状況なら教師が先に立たなくてどうするのですか?ということで、どうでしょう皆さん」
そう言うと孝達以外の奴は拍手をする
紫「ふっ」
ニタリと笑う紫藤
麗「冗談じゃないわ!私は降りる!」
そう言ってバスの助手席から降りた。
孝「麗!?ちょっと待てよ!」
そう言って孝も降りた。そとで麗を説得しているようだ。
高(あ~あ、家に戻って色々装備品を出さなきゃあいけないのにな~全くもって自分の性格が情けないよw)
そう思いながら窓の外を見ると一台の市営バスがこちらに向かってきていた。この緊急事態だ。避難用に使われているのだろう。そう思いながら見ていた高茂だが・・・・・・
高「おいおいおい・・・・冗談だろ!?」
そう言って高茂は反対側の席に回り窓を開けて
高「孝君!宮本さん!すぐにそこを避けてください!!」
バスの中はまさに地獄絵図だった。おそらく、避難民の誰かが感染していたのだろう。そこからは連鎖的になってしまい。バスの運転手も喰われていた。
高茂が叫ぶと二人はバスの存在に気付いたのか。すぐに退避した。そして、バスが近くの乗用車にぶつかり、空中で横倒しになり孝達のいるトンネルをふさぐようにして止まった。爆発も起きた
冴「小室君!宮本君!大事ないか!」
孝「僕たちは大丈夫です!これじゃあ、そちらには向かえません!どこかで落ち合いましょう!」
冴「場所は!」
孝「警察署に午後五時に!今日がだめなら明日の同じ時間に!」
冴「分かった!」
そう言って二人はそのまま別方向から進むことにした。冴子はバスに戻り、静香先生にバスを出すように言った
そして、バスはその場を去り、あたりには燃えた奴らがうろついていただけだった
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