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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第39話 魔帆良は悪魔達と戦うようです

 
前書き
若干お久しぶりです。
夏風邪ひくのはお馬鹿さんと昔良く言いました。つまり私はお馬鹿さん、それも相当な。
そういう事です。
 

 
Side ネギ


「ディグ・ディル・ディリック・ヴォルホール!

逆巻け(ウェルタートゥル・テンペス) 夏の嵐(タースアエスティーウア)彼の者(イリース・)等に(カルカレム)竜巻く牢獄を(キルクムウェルテンテム)風花旋風風牢壁(フランス・カルカル・ウェンティ・ウェルテンティス)!!」

「ダルク・ネルク・ペトネーレ!悪しき者封ずる守護盾を!!『防魔円環楯(ラゲニアーレ・スクードアンジェ)』!!」

【コシャクナ!コノ程度デ我ヲ止メラレルト思ウテカ!】

「数秒止まれば十分だよ!ネギ君!!」

「ハイ!!闇を貫きて敵を討て 孤高の光!!」


瀬流彦先生とヒゲグ・・・神多羅木先生が悪魔の動きを止め、詠唱遅延していた、

今の僕に使える対悪魔最高の魔法を放つ!!


「『穿つ聖天(ラゥゾ・ヴェチェクニクタ)』!!」

【ソノ程度--!!デモンズ・アッパァァァーー!!】
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!


技がぶつかり合って、黒い閃光がだんだん僕の魔法を押してくる。


【所詮ガキナゾ、コンナモノカァァ!!】

「うぅ、くぅぅぅ・・・。」


そうだ。僕はまだ弱い、けど・・・・!!


「お前なんかに、負けられるかぁぁぁぁあぁぁあああああああ!!」
ガォォウ!!!

【ッナ!?】

魔力を思い切り込め直すと、白い閃光が黒い閃光を掻き消し、悪魔を貫く。

悪魔が砂のように崩れていく。


【ソンナ!風穴程度デ、我ガ!?コノ力ハ、マサカアノ御方ーー】

「まて!あの御方っていうのは--。」


ぼくが言い終える前に、悪魔は崩れ去ってしまった。


「う~ん、こいつもなのか。あの御方って一体誰なんだろうね?」


僕が倒すと、悪魔が必ず言う”あの御方”。

学園長先生が雇った凄腕の人達が探してるんだけど、一向に見つかる気配がないみたいだ。


「・・・ネギ君と言うよりも、ネギ君の技に反応しているようだな。

独学で習得したのだったな?」

「あ、ハイ。古文書に書いてあった退魔呪文をもとにして、

僕に使えるレベルの魔法に組み立てたんです。」


これは、実はちょっとだけ嘘。

本当はメルディアナ魔法学校の禁書庫にあった"滅魔呪文"をもとに組み立てた魔法。


「しかし、この一ヶ月でネギ君は随分成長したね。」

「ああ。攻撃力の面では、魔法先生で10人以内に確実に入るだろう。

防御面でも進歩しているし、あとは魔力運用・効率と、あれだな。」

「だね~。実力差がある以上、一撃で倒そうとするのはありだけど、

それで毎回魔力切れになるからね~。」

「うぅぅ、すみません・・・。」

「まぁ、いいけどね。さ、報告に--」


ドガアアアアアアアアアアアアア!!!


「うわぁぁぁぁ!?」

「おー、あっちもやってるね。あっちってたしか・・・。」

「ああ、例の助っ人の担当区の一つだ。」


助っ人の傭兵?の人達は、全員一人で戦ってるらしい。

それも、伯爵級以上の悪魔のいるところで。


「僕達でも殆どが男爵級以下の地域、それも三人一組なのにね。

一体、どっちが化け物なんだか・・・。」

Side out


Side 愁磨

「ックシ!!」

【隙アリィィィィィッ!!!】

「っと、こんなのが隙になるか戯けが!≪支配ノススメ 『剣聖(アルデヒャド)』≫!!」


『魂喰らい』で切りかかってきた子爵を逆に切り捨て、周りの悪魔達を見回す。


「毎日毎日ご苦労なこった。で、そろそろご主人様の事話したくなったりしないかな?」

「私たちの王の友と言っても、言う訳にはいかないのだよ!!」

「地獄にお友達作った覚えはねえし、手下しか寄越さねぇビビリも知らねえよ!!」


ここでの地獄は、天界にあった地獄ではなく本物の地獄のこと。

天界の地獄、地獄界の地獄とでも言えばいいのだろうか。


「ッハ!あの魔王に限ってそれないよ!!」

「魔王ねぇ。数人心当たりがあるから困るよ!!」

(「シュウ~、お取り込み中ごめんなさい。聞こえるかしら?」)

(「ん?ノワールの声なら、何時でも聞こえるぞ?」)


大公級と思われる奴と公戦していると、ノワールから念話が来た。

今の兵装じゃ余裕がある訳じゃないんだが、ノワールのためなr。


(「そういう小恥ずかしい事は置いておいてくれるかしら・・・。

こっち、侯爵と公爵がわんさかいて面倒だから、あれやってくれる?」)

(「ん~、皆時間かかってるみたいだし了解した。」)


プンッと念話を切り、悪魔から一気に距離をとる。


「と言うことで。大公級とやる機会は早々ないから、もっと楽しみたかったんだけど。

妻のお願いなら仕方ないよな?」

「うむ、それなら仕方ない。ならばこちらは一斉にーー」

「その心配には及ばない。どうせ一撃だ。」


俺は手を合わせると、手の平の間に魔力で球体を作り上げる。

「≪形態変化:妖精尾長≫………じゃ、またいつか。」

「--!!全員退」

「『妖精の法律(フェアリー・ロウ)』!」


唱えると光が麻帆良中に広がり、俺が敵と見なした全てを葬っていく。

・・・魔法先生、死んでないだろうな?


………
……



バンッッ!!
「貴様、どういうつもりだ!お前の魔法のせいで職員18名が重傷だ!!どう責任を――」

「正確には、悪魔による重傷者10名、俺の魔法による重傷者8名な。

ジジイ、病院送りになった全員分の警備担当のリストを。」


悪魔を『妖精の法律(フェアリー・ロウ)』で一掃した後、味方陣の被害を聞きに来たら

案の定、正義信奉者数名に当たっていた。

・・・何故こいつ(ガンドル)は無事だったんだ?


「ほい、これとこれと……これじゃな。」

「最後の3つは悪魔との戦闘で病院送りになった奴等だ、俺には関係ない。

……うん、明日からこいつ等の復帰まで、俺がこの地域全部担当する。問題ないだろ、それで?」

「どうせなら毎日あれで片づけてくれんかのう?負傷者は無くて済むんじゃが。」

「三日後に魔法教師全滅してもいいなら構わんが?」


(球)半径150km内を一掃する対戦争魔法だぞ?どんだけ魔力消費すると思ってんだ。

一日3発が限界だよ。・・・アーカード解放使えば・・・いや、言うのもアホらしい。


「じゃ、今日はこれで。おつかれ~。」

「待て!!まだ話は―――」

「だーー!!アリアが眠いって言ってるんだよ!一緒に寝るんだから邪魔するな!!」

「ぐ、むむむ……む、娘の為となれば仕方ないか。」


・・・ああ、そういえばこいつも子(娘)煩悩だったっけ。

あの熱い夜が懐かしい。・・・BL要素は一切含まないぞ?

Side out



――そして数日が経ち、4月15日。大停電の日――――



Side ネギ

「いや~、最近悪魔の襲撃が減って助かるね~。」

「でも、何でいきなり減ったんでしょう?200体くらい来てたのに、最近ではもう数体しか。」

「ま、楽なのに越したことは無いよ。っと通信だ。ハイ、学園長。No.3です。」

(「フォッフォ、瀬流彦君、ネギ君。今夜はもうあがって良いぞ。

神多羅木君が居ない分頑張ったご褒美じゃ。」)

「おっ、ありがとうございま!では~。

だってさ。明日も修行するんだからこう言うときは早く寝なよ?」

「ハイ、分かりました!おやすみなさい。

………しょうがないっか。僕も部屋に戻ろ―――ん?」


寮の部屋に戻ろうとしたとき、変な魔力を感じた。

え~っと、あっちって大橋の方だったよね?・・・悪魔とかが居ないか、確認するだけ・・・。

Side out


Side もみじ

「レヴィ~~~!!」

「おっと。相変わらず元気そうだな、アスモデウス。……いや、もみじと言った方がいいのかな。」


なんだか学園が真っ暗になった時、懐かしい魔力を感じて大橋の方に来てみたら、

レヴィが居た。・・・・・なんで?


「妙な騒ぎを起こすのもどうかと思ってな。結界が解けたようだから様子を見に来たんだ。」

「そうなんだ~。えへへ、久しぶり~♪」


やっぱりレヴィは優しいな~。地獄にいた時からずっと。

って、そうだ。愁磨に頼まれてたんだ。


「ねね、レヴィ。最近悪魔がすっごい来てたんだけど、地獄で何かあった?」

「ん、実は魔王が新しく一人入ったんだけれど、

そいつが魔人殿となんやらで、祭りの前菜とか何とか言ってたよ。」


あ、ボクの代わり?がやっと入ったんだ。

っていうか愁磨、魔王になるような人と知り合いなんだ・・・。

元魔王とか元大天使長とか居るから今更だけど。


「そういうお前は、魔人殿とはどうなって――何者だ。」

「ふぇ?」


レヴィが魔力を飛ばした先を見ると、ガサガサって草むらが揺れて、

大きな杖をこっちに向けて出てきたのは―――


「どう言う事ですか、もみじさん……いえ、悪魔!」

「あらー、ネギせんせー。」

Side out


Side ネギ

地獄にいた?悪魔?魔王?今までの話からすると、もみじさんは元魔王で、隣の人は現魔王。

だったら・・・!


「魔王さんなら、分かる筈です!!……六年前、ウェールズで僕の村を襲った悪魔達を!!」

「六年ま――ッ!?」


"六年前"に、もみじさんが反応する。……やっぱり、この人達は知っている!!


「もみじさん!!教えてください、そいつらは―――」

「知ってどうする、人間。」

「決まってます!村のみんなの敵を討つんです!!」


もみじさんを庇うように立った紫色の髪の女の人に、杖を向けたまま、言い放つ。


「そうか……。その仇とやらはな、ここにいるもみじ……

アスモデウスが率いていたのだよ、人間。」

「―――ッ!!『魔法の射手(サギタ・マギカ) 連弾・雷光の200矢(セリエス・フルグラーリス)』!!」


聞いた瞬間、体が勝手に呪文を唱え、雷を纏った光の矢が

アスモデウスともう一人の魔王を襲う。

貫通と麻痺を持った矢が200本も当たれば、魔王といっても―――


「……やれやれ、戦の作法も知らんのか。」

「そんな……無傷!?」

「人間にしてはかなり多い魔力のようだな。しかし、私には効かない。ただそれだけだ。」


くそっ、なんで、なんで邪魔をするんだ・・・!!

あいつを倒せば、みんなの仇を討てるのに!!


「邪魔をするなぁぁぁぁぁ!!『穿つ聖天(ラゥゾ・ヴェチェクニクタ)』!!」
ガィィィン!!
「ほう、『悪魔喰らい』の技か!これを使える人間が居るとは!

しかし、これではせいぜい伯爵程度しか倒せまいて。」


バシュゥ!と僕の魔法は簡単に握りつぶされる。

そんな・・・!対悪魔に、あれ以上の魔法は今は無いのに・・・。


「成る程、天才型…。その歳で挫折を知れ、と言う方が酷か。

厭、この子が私と居る時に挑んで来た不運と浅慮を呪え。」

「あ、レヴィ、だめ……!!」


鎌が僕の首に添えられ、振り被られる。ダメだ、僕にはもう、どうすることも出来ない・・・。


「安心しろ、痛みなど感じん。」
ビュン!!
「ダメえええええ!!」


パシッ!
「恐れで目を瞑ったら死ぬと思え。最後まで足掻け。

お前のような"主人公"には、もっともっと、みっともなく這いずり回って貰わないと

面白くないんだよ。」

「「………え?」」


振り下ろされた鎌を掴んで、僕の前に立ったのは、黒い騎士服を着た、愁磨さんだった。

Side out


Side ノワール

「魔人殿、手を離しては頂けないか?そいつは―――」

「ああ、もみじに手を出そうとしたのは知っているが、ここで死んで貰っちゃ困るんだよ。」


大橋に着いてから暫く成り行きを見ていた私達だったけれど、

坊やが殺されては面倒だから、仕方なく出て行った。


「レヴィアタン、ここは退いてくれないかしら?この子は私達がいじm……叱っておくから。」

「抜かせ、ルシフェル!!この小僧は」

キキキキキキンッ
「……聞き分けのない子は、嫌いなのだけれど?」

「クッ………!!」


シュウの掴んでいた鎌を細切れにして、レヴィアタンに『明星の彗星』を突きつける。


「あ、あわわ、の、ノワール?そこら辺にしてあげてくれない、かな?

レヴィはボクの為にやったんだし、悪いのはネギせんせーなんだし…。」

「……そうね、被害者がそう言っているのだから、良しとしましょう。」

「……いいだろう。」


この子も、相変わらず過保護ね。妹同然だから仕方ないのだけれど。


「ふぅ…今日の所はもう帰りなさい。妙な騒ぎを起こさない為に今日来たのに、無駄でしょう?」

「……ではな、もみじ。また来る。」

「う、うん……。レヴィも元気でね。」


もみじちゃんの頭を一撫ですると、坊やを射殺さんばかりに

睨んでからレヴィアタンは帰っていった。


「さて、どうしようかし「あああああああああ!!!」

だ・か・ら!物分かりの悪い子は嫌いだって言ったでしょう………!?」


護衛が居なくなった瞬間、坊やがもみじちゃんに魔法を撃って来たから、

反転魔鏡(イージス)』で跳ね返してあげた。


「ククク、ノワールが喋っているのを遮るとはいい度胸だ小僧。

選べ、魂が死ぬか肉体が死ぬか精神が死ぬかださあ選べ!!」

「シュウ、気絶してるから無駄よ。さっさと記憶封印して帰して、帰りましょう。」


嫌になるわ~。報告したら、またガンドルちゃんのお小言に付き合わされるのかしら?


「……いや、記憶はこのままにして帰そう。」

「その方が面白いから、かしら?それとも進める為なのかしら?」


シュウは両方正解、と言う顔をすると、坊やを寮へ転移させた。

全く、責任は持たないわよ?・・・・支えてはあげるけれど。

Side out



翌日、朝----



Side ネギ

「はぁぁ~……。」


昨日大橋で気を失って、気がつくと寮の部屋で寝てた。

どう考えても愁磨さん達が送ってくれたんだよね・・・。

分からないよ・・・村を襲った悪魔は魔王で生徒だし、父さんの知り合いっぽい愁磨さんは、

そのもみじさんの・・・保護者?だし・・・・。


「あ~~~!!どうしたらいいんだよぉぉぉ!!

もみじさんは生徒だから仇も討てな……そもそも愁磨さん達が居るし、

と言うか、もみじさんも魔王なんだからボクが勝てるわけ無いよ!」

「よー、困ってるみてぇだなアニキ!」

「そうだよ、困ってるんだよぉ~~!猫の手も借りたいよ~!」

「へっへ、猫じゃあありませんが、オコジョの手でしたら貸せますぜ?」


いや、日本のことわざでそれくらい忙しいって意味で。

本当に猫の手なんか借りれるわけないし、ましてやオコジョ・・・


「……オコ、ジョ?」

「そうでさぁ!正確にはオコジョ妖精ですがね。」


隣を見ると、そこにいたのはタバコを持ってトレンチコートを着た・・・


「カモ君!!」

「へっ、お久しぶりでさぁアニキ!!」


Side out
 
 

 
後書き
淫獣登場。まぁそんなに悪さ出来ませんけど。したとしても手伝う馬鹿がいますが 
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