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ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-

作者:nyonnyon
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弟が賞金首になりました

 
前書き
なんか、あほなことになってきました。 

 
「初回の手配から3000万ベリーというのは世界的に見ても驚異の数字ですが、決して安くは無いと思います!!!」



 はい、モンキー・D・アモスです。
 うちの弟が、ただいま賞金首になりました。 初回から3000万ベリーとのことで、中々大物になりそうな予感です。

 『海賊艦隊』ドン・クリークの他にも『ノコギリ』のアーロンとか、『デカっ鼻』のバギーとかをぶちのめしたそうです。 あれ? 『赤っ鼻』だったっけ?

 マリンフォードに戻ってきてすぐに招集され、ルフィの賞金首化の話を聞きました。 じいちゃんが唸っていたけど、まぁ仕方ないでしょう。
 初回3000万ベリーはかなりの額なので、驚異とされ、海軍本部で大々的に発表されました。
 各地に散らばる中将以下新兵まで、招集に応じれた者たちがみんな集まって来ています。 それにしてもこの会議室は本当に広いです。 ここにいる海兵だけで1000は下らないほどの人数がいて、中には巨人族の海兵も混じっているのに、全員が前後左右に1メートルは余裕のあるスペースが確保されているんです。

 それほどまでに広く、建物の建築構造上、危険じゃないかと思われるほどのスペースがありますが、崩れる様子もありません。

 まさに漫画の世界ならではですねぇ。

 今回の新賞金首は50万ベリーのキザッポイド海賊団『カッコ・ツ・ケール』を筆頭に、300万ベリークラスの小物海賊団ばかりであった為、ルフィの3000万は破格と言っていいです。 まぁ、ルフィだしね。





 さて、現在は新賞金首の発表会も終わり、街中をぶらついています。 海軍本部は普通に街と隣接しています。 まぁ、各地の海軍支部と似たようなものだと思って頂ければ結構ですね。 あぁ、隣接といっても本部のすぐ横に町があるわけではないですよ? そこは勘違い無いようにお願いします。
 この海軍本部を襲う海賊等、よほどの強者か馬鹿しかいないので、基本街中は平和なのです。
 固っ苦しい正義コートを脱ぎ、普段着で出歩いていると、前方にカチッとスーツで決めた美人さんとジャケットを来たメガネ美人さんがいました。

 うん、ヒナ大佐とたしぎ曹長ですね。

 彼女たちも街中をぶらついていたみたいで、こちらに気がつくとにこやかに近づいて来ました。

「久しぶり。 相変わらず各地で無茶をしているみたいね。 ヒナ心配」
「お久しぶりです。 ヒナさん。 たしぎぃもおひさ」
「お、おひさしぶりでしゅ!!」

 お~お~たしぎぃ、今日も元気にかんどるねぇ。

 たしぎぃとは年が近いこともあって私は仲良くしたいと思っている。 しかし、これでも一応最年少海軍本部中将である私に、真面目なたしぎぃは中々フランクには接してくれないのだ。 悲しいなぁ。

「今日は二人でどうしたんですか?」
「たしぎちゃんとは久しぶりに会ったし、同期のスモーカー君のこととか聞いておこうと思って」
「はい、それでご飯でも一緒にどうかということになりまして!! それでご相伴に預かるところです!!!」
「へぇ、私も一緒していいですか?」
「いいわよ。 本当ならおつるさんも誘いたかったんだけど……。 忙しいみたいね。 ヒナ残念」

 まぁ、おつるさん入れちゃうと、愚痴が多くなっちゃうしね、主にじいちゃんとか、じいちゃんとか、じいちゃんの関係で……。 ホントすみません。

 その後、カフェでお茶を楽しむ海軍三人娘の姿が見受けられた。










 一方その頃。

 先ほど、新賞金首の発表が行われた会議室には、かなりの数の海兵が集まっていた。

 上段の演説台の上に経つのは海軍本部少佐『ブランニュー』。 先ほどルフィの懸賞金を発表していたサングラスが妙に似合う男である。

「お集まりの皆さん、この時を待ちわびた方も多いでしょう!!」

 ブランニューの声にうんうんと頷く海兵たち。 よく見れば、元帥や大将の姿も見える。

「おっと、私もそろそろ固っ苦しいしゃべりをやめさせていただきます。

 ……。

 ……。

 ……。

 それじゃぁ、いいかぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ヤローどもぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!

 金の準備は十分かぁぁぁぁ!!!? 海軍本部臨時集会……、

 『炎のアタっちゃんは神の腕』

 女性隊員写真即売会の開催だ!!!!!!!!」


 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉおぉぉぉ!!!!!!!!!!


 ここに、海軍本部史上最大の決戦の火蓋が切って落とされた!!!!






「・・・・・・!? 今ちょっと揺れませんでした?」
「そう? 私は感じなかったわ」
「私も特には……」
「気のせいか……」






「まずは……、26支部所属、【ミステリアスレディ】『カクレ・アマノハラ』少尉だ!!!! 黒髪美人の彼女、それではアタッチさん。 今回のお写真は!!!?」
「はい、ただいまご紹介にあがりましたアタッチです。 カクレ少尉のお写真、今回は3枚用意させていただきました」

 ブランニューを司会進行役として、男達の戦いは続いていく。
 写真撮影担当のアタッチが登場したことにより、会場の熱気はさらに高まった。

 アタッチが写真を紹介、それがブランニューの手によりせりにかけられる。 カクレ少尉の写真は次々と値段が吊り上げられ、海兵たちの手に渡っていく。 働いた金で、給料を出した機関に返納しているようなものだが、誰も気がついていないのであろう。 一応言っておくが、この写真は決して隠し撮りではない。 それは犯罪になってしまう。 NO盗撮。

 一応女性隊員たちには、『今度の海兵募集ポスターに使うかもしれない』とか、海軍情報雑誌『マリーンRINRIN』に載せるなどの説明をして、写真を撮らせてもらっているし、一部の写真はブロマイドとして販売の許可ももらっている。 撮影代も給料に上乗せで支払われているし、女性隊員たちも自身の写真が売られていることに一定の理解はあるのだ。 まぁ、ここで売られているのは、表には出回らない写真なのであるが……。
 そういった理由で、写真の中にはちょっと過激なグラビア写真等も存在する。 皆、いつ出てくるかわからないそれを狙っているのだ!!

 そんな、写真即売会はまだまだ続く。 カクレ少尉の写真(水着バージョン)は、最高額1万6000ベリーで落札された。



 どんどんと写真が売れていく写真即売会。
 名前等を公開していくとこんな感じである。

『カナリ・ビ・ショウージョ』少尉 【次はどこに行くの?】(私服でちょっと甘えたようなポーズ) 1600ベリー
『メチヤ・ウツクシーネ』大尉 【格闘訓練】(道着でハイキックを決めている) 2200ベリー
『ヒナ』大佐 【袷羽檻(あわせばおり)】(ちょっと決めポーズぽく立っている) 2500ベリー
『ヒナ』大佐 【休日の朝】(ワイシャツ一枚でベットから起き上がっている所) 3万5000ベリー
『つる』中将 【大参謀の眼光】(戦略を練っている所) 3000ベリー
『たしぎ』軍曹 【キャッ!!】(こけそうになっている。 慌てたような表情がプラスポイント) 1500ベリー
『ビューティウーマン』中佐 【出来る秘書】(書類を片手にメガネをクイッ) 2400ベリー
『アモス』中将 【毒鱗粉】(羽を広げた所) 3000ベリー
『アモス』中将 【波打ち際の中将】(水着で夕日を背にちょっと憂いた表情で髪をかきあげている) 4万6000ベリー

 どれもかなり高額で取引されている。 少しえっちな写真が人気なのは男の性としか言いようがないか。

 皆、真剣な面持ちで次に出る写真を今か今かと待っている。 決起に逸った若い海兵たちはここまででかなりの金を使ってしまっている。

「では、次のお写真を……」

 突然話し方を変えるブランニュー。 この瞬間、古参の兵たちが一斉に動き出した。 そう、本番はこれからである。 今までのはただの前座に過ぎない。 古参の兵たちが狙っているのは、そんな前座ではないのだ。

 ピリピリとした空気を感じ取り、少しばかり気圧される新兵たち。 彼らは知らないのだ、ここからが神の腕と呼ばれるアタッちゃんの本領発揮写真だということを!!!





「あ、今月の『マリーンRINRIN』が出てますよ!!」
「あら、本当ね。 アモスちゃんがグラビアを飾っているって聞いたけど? ……、なかなか可愛く映っているわね。 ヒナ羨望」
「いやいや、先月のRINRINは『ヒナ大佐特集』とか組まれてたじゃないですか。 あの水着写真なんてかなり際どかったですよ?」
「うわぁ~、このアモスさん、ちょっと刺激的すぎません?」
「あ~それかぁ。 それ結構難しかったのよねぇ、OK出るまで何度か撮り直しがあったし……。 ちょっとアングルが変わると見えちゃいそうでしょ? まぁ、ちゃんと着てるから見えたとしてもそんなに問題ないんだけどねぇ」
「え!? これ着てるんですか!? てっきり裸だと……」
「たしぎちゃん、いくらなんでもそれはないわよ。 スタッフもカメラマンも男性がほとんどなのよ? さすがに裸はね」
「そうだよぉ、たしぎぃ。 いつかたしぎぃも特集組んでもらえるかもね。 そしたら、こんな写真撮るかもよ」
「ええぇぇぇぇ!!! 私には無理ですよぉ。 こんな恥ずかしい恰好できません!!!」
「ほほぅ、それは私たちが恥ずかしい恰好を問題なくできる痴女だと言いたいのだな?」
「(怒)」
「ち、違いますよぉ。 ヒナ大佐も無言で怒らないでください!!」
「ふふ、冗談よ、冗談。 たしぎちゃんはからかうと面白いから。 ヒナ自重」
「ま、でも、いつかたしぎぃもこんな写真撮ることになるかもね」





「でました!! 24万ベリー!!!! ガープ中将、大きく価格を跳ね上げました!!!!」

 会議室ではまだまだ戦いは続いていた。 今は、本日の最後の写真の取引が行われている。

「ふふ~ん!! アモスちゃんの写真は誰にも渡さんぞい!!!」
「おいお~い、相場ってもんを守ってもらいたいもんだねぇ~。 仕方ない、25万ベリー!!」
「ぬお!! 黄猿!! 貴様、普段何でもないような顔をしながら密かにアモスちゃんを狙っておったな!? そうはさせるか!! 25万1000ベリーじゃ!!!」

 最後の商品は、『アモス』中将 【ねぇ……、キス……しよ?】(もはやご想像にお任せします)である。

「一気に上げ幅がせこくなってねぇか? 26万ベリー!!」
「ぐぬぬ!! 部隊編成でアモスちゃんを『副官に任命したい』とかほざいた時から怪しいとは思っておったが、青キジ!! お前もか!! 26万1000ベリー!!!」

 1万ベリーという破格のスタートを切った最後のセリは、開始早々10万ベリーを突破。 その時点で、先に写真を確保してしまった新兵たちや、給料のあまり多くない歴の浅い海兵たちには手がでなくなったのだ。

「ふん、お嬢はわしの部隊に来てこそじゃけんの。 ガープ中将、もうあきらめたらどうじゃ? 30万ベリー!!」
「ぬおぉぉぉぉ!!! 赤犬!! 貴様何という吊り上げ方!! 相場をわきまえんかい!!! ならば……、35万ベリー!!!!」

 15万ベリーまでは下級将校たちも参加していたが、ここでガープ中将が一気に24万ベリーまで価格を吊り上げるという暴挙に。 相場を完全に無視した男が、相場について熱く吼える様は、見ていて滑稽ですらある。

「こらこら、ガープ。 そうやって、無理な出費ばかりするから、いつもアモスに泣きつかなければいけなくなるんだろう? そろそろ覚えんか……。 50万ベリー!!!」
「おおっと!! さすが、元帥です!! まさかの50万ベリーの値が付きました!!! これは破格です!!!」
「ぬぅぅぅ!! センゴクゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「むうぅ」
「これはこれは……」
「まいったねぇ、こりゃ」
「ふふん、手も足も出まい!!」
「卑怯だぞ!!! センゴク!!!」

 あまりの高額にそこら中から驚きの声が上がる。 まさかの50万ベリー。 賞金首の額としてはかなりの低さを誇るだろうが、それが写真1枚に対してつくとなると異常の一言である。
 もはや、誰もが元帥の勝ちを意識した。

「ほかにいませんか? 50万ベリーですよ?」
「ふふ、さすがにもうおらんだろう」
「おやおや、ならあたしが100万ベリー出そうかねぇ」
「……なに!!!?」

 皆の視線が一点に集中する。
 そう、会議室入り口に立つ、おつるさんへと。

「こそこそと何をやっているかと思えば、こんなところでセリかい? しかも、女性隊員を食い物にしたセリとはねぇ……。 あんたたち、洗濯される覚悟はできたかい?」
「「「「「「いかん、逃げろ!!! 散!!! (シュバ!!)」」」」」」





 こうして、海軍本部市場(・・)最大の決戦は幕を閉じた。

 この日から約二日ほど、洗濯物のように干される海軍将校の姿が、練兵場に並んでいたとか……。 その光景は一見すると、正義のマントが規則正しく並び、はためいている様に見えたそうだ……。




 ちなみに、100万ベリーというとんでもない数字をたたき出した写真は、おつるさん参戦のドサクサでどこかに消えた。













 噂では、モモンガ中将の懐に大事にしまわれているらしい……。 
 

 
後書き
なんじゃこりゃー!!!

なんかえらい話になってる!!! 
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