ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-
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鬼教官と呼ばないで 1
はい、どーも、『モンキー・D・アモス』です。
なんだか二日ほどじいちゃんが干されてたんですが何かあったんですかね? まぁ、じいちゃんは楽しそうに干されてましたが……。 『若いころを思い出すのぉ、センゴクゥ、ぶわっはっはっは』とか言って笑ってたし、問題ないでしょ。 隣の元帥のほうがふっか~いため息をついていたぐらいだからね。 何やらまたまたじいちゃんが何かしたみたいで申し訳ございません。
そうそう、つい先日、スモーカー大佐から、『お前の弟がうちの町で大暴れしてグランドラインに入っていったんだが……』と小言をブチブチ言われました。 あの人、体おっきくて、顔も厳ついのに、意外にネチネチうるさいです。 小さい男ですよまったく。 だからいつまでたってもヒナさんから心配され続けるんですよ……。 もういい年だっていうのにねぇ。
え? アイスクリームをズボンにぶつけられたとき、『わりぃ、俺のズボンがアイス食っちまった。 これで新しいのを買いな』って小さな女の子にお金を渡してたやさしい男だって? ふ、ふはははっ!! それはただ、小さい子が好きなだけですよ。 もう少し大きくなったら、無言で『ホワイト・ブロー』ですね。
なんてったってあの人は、無類のロリk……、おっと、これは軍の最高機密でしたね。 情報が漏えいすると、CP9に追われることになってしまいます。 ふぅ、危ない危ない……。 もし何かに気づいた方がいらっしゃっても他言無用でお願いします。 あ、記憶から抹消することをお勧めしますよ、ほら、今もあなたの後ろ2キロメートル先から監視が……。
……ええっと、そんな、ロリーカー大佐のことは放っておいて、今回は少し、海軍の訓練の様子を見ていただきたいと思います。 人は私のことを【鬼教官】とか呼びますが、この訓練を見れば、いかに私が普通の教官であるかを理解していただけると思います。
はい、ここは海軍本部からほど近い、海軍特別訓練場です。 でかいです、ひろいです。 えーっと、東京ドームたぶん100個分ぐらいあるんじゃないでしょうかね? 何と言っても自然系の能力者である3大将とかが暴れまわりますし、中将クラスもかなりの強さですから。 中将クラスともなると、『え、岩? そんなのあった?』ぐらいにガンガン突き進めるような人外ばっかりですからねぇ。 そんな、人外な人たちの大暴れに耐えられるのでかなりしっかりとしたつくりになっていますよ。
……というより、東京ドーム何個分って表現で広さがわかる人っているんですかね? 正直、私はわかりませんよ? 東京ドーム自体がどんだけ広いかよく知らないですし……。 巨人族3000人が優に横になれる広さって言ったほうが伝わるとおもいません? 伝わらない? そうですか……。
現在、この演習場には、各将官、佐官、尉官方の推薦により選ばれた30名の新人と、希望者70名の計100名からなる新人海兵及び、私を含む5名の教官、総勢105名の人間がいます。
それでも訓練場のほんの一部しか使っていないんですよ。 くどいですが広いですねぇ。
え? 人間が104名じゃないかって? アモスさん人間やめてますよねって? よし、お前、ちょっと体育館裏に来いよ、私はまだ『石でできた不気味な仮面』を被って、頭グサグサされた記憶はないぞ!! それに私は『呼吸によって人間の不思議な力を引き出す技術』を習った側だ。 『ウリイイイイイ(ちなみにWのほうですよ)』って叫びながら眷属増やしに奔走したりはしない。
で、その新人100名ですが、なんだかビクビクしてますね。 大方、私の鬼教官としての噂を聞いたってところでしょうか? 志願してきている人もいるはずなので、噂ぐらい聞いていると思ったのですが……。
まぁ、いいでしょう。 私がどれだけ鬼教官ではないかを見せるいいチャンスです。
それではみなさん、まずは柔軟からですよ!!
◇◆◇◆◇
初めまして、僕の名前は『ショウーラ・イノサカーン』と申します。 うちの家は代々海軍の家系で、父は海軍本部中佐『ゲンザー・イノサカーン』といい、おじいちゃんは何とあのセンゴク元帥たちの2年先輩で、現在は引退していますが、最終階級は海軍本部大佐を任されていた『ムーカシ・イノサカーン』といいます。
そんな僕は現在、あの鬼教官ことアモス中将の『海兵強化プログラム』に参加する一員として、海軍特別訓練場に来ています。 広いです。
訓練場には僕を入れて100人の新兵と、アモス中将を含む5名の教官がいます。
正直に言いましょう。 とても怖いです。 訓練場に来るまでの道中で、ほかの訓練生や、教官の方々といろいろとお話ししましたが、とにかくこの訓練は厳しく、毎年、3分の2以上が脱落するらしいです。 三年ほど前の訓練では、何と受験者全員が脱落するという、演習プログラム始まって以来の不名誉な快挙を成し遂げたそうです。
教えてくださった教官の方も、『今でも俺が潜り抜けたことが信じられないよ……。 まぁ、あの訓練を潜り抜けたからこそこうして生きていられるのかもしれないな』と遠くを見ながら語っておられました。 ちょっと、カッコいいと思ってしまったのは僕だけの秘密にしておきましょう。
そんなこんなで始まった訓練。 意外にも最初は柔軟から始まりました。
前後に2メートルずつ距離を開け、100人が整列。 屈伸や上体反らしなどで軽く体をほぐし、長座体前屈、開脚体前屈などを行っていくいわゆる普通の柔軟です。
驚きました。 訓練学校時代の教官は、訓練が始まるとすぐに、『走り込みだ!!』とか言ってろくな準備運動もなく急に走らされたりしていたので、鬼教官と呼ばれるアモス中将なら、『走り込み、ダッシュで!!!』ぐらい言いそうだと思っていたので尚更です。
驚きながらも、普通の柔軟をそれぞれがこなしていき、しっかりと準備を行います。
まぁ、僕はちょっと柔軟が嫌いなんですが……。
そんなこんなで僕が前屈をしていると、「あれ? 君、体堅いね」と、軽くけなしながら誰かが背中に触れ、押してきました。 一体誰だと思ったけど、ぐいぐい押されているので、体の堅い僕は少し痛みを感じています。
普通なら振り払うところなんですが、かけられた声が女性のものだったこともあり、やすやすと振り払えませんでした。 あ、ちょっといい匂いです。
『もうちょっと曲げられないの?』と、ぐいぐい押してくる女性。 背中越しにふよんと柔らかな感触が……。
……。
……。
……柔らかな感触が!!!?
無理やり視線を動かすと、視界の隅に笑顔のアモス中将の姿……!!
この近さ……、まさか、この背中の感触は……!!! おっ○○!!
背中に感じる柔らかさにより、痛みが緩和し、前屈する力が増す。 すると更にアモス中将の押し付けが強くなり……。
な、なんだ!! この幸せスパイラルは!!! あれか! もしかして僕のことが……。
ちょっと柔軟が好きになりました。
その後、体の堅い隊員を見つけては同じことをしていくアモス中将を見て、勘違いだということに気付き……、
ちょっと柔軟が嫌いになりました。 はぁ……。
一方、アモス中将以外の教官達。
「あぁ、やっぱあれがあるから頑張れるよなぁ」
「そうそう、この時と訓練後だけが至福なんだよねぇ」
「お前もそう思う? アモス中将ってかなりのものをお持ちだからさぁ」
「いやぁ、俺なんて一秒でも長くアモス中将とくっついていたくて、気づいたら完璧に体が地面に付くまでになっちゃったよ」
「ちょ、おま……どんだけだよ!! ……まぁ、俺もだけどな」
「というか、プログラム乗り切った人全員だろ? ま、今だけの幸福の時間を楽しんでもらおうや」ニヤニヤ
「そうだな」ニヤニヤ
なんて、こそこそ語っていたり、いなかったり。
後書き
東京ドーム何個分という表現ですが、
巨人のサイズを 縦50m、横25mとして割り出させていただいております。(それで言えばドーム85個分で巨人3000人は収容可能のはずです。 なので余裕をみて今回の数字にしております)
「巨人そんなにでかくねーよ」や「巨人そんなに小さくねーよ」といったご指摘は今のところ受け付けておりません。
ご了承願います。
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