俺がアクマでいいっすか?
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#2 いや、実は両性類っす。
「ただいま」
「お邪魔するぞ!」
あの事件の後、午前1時の人気のない終電に揺られて15分。
家に程近い最寄り駅で降車し、徒歩2分と30秒。
赤い屋根の立派な一戸建てが、俺の住まいだ。
中学2年の時に両親と交通事故で他界し、身寄りもいなかったので、以前から住んでいたこの家で独り暮らしを始めた。
まぁ、生前に親がこつこつと貯めていた貯金と保険金1億円(2人分)を、ちょびちょび切り崩しては生活費に当てている。
今では既にひとり、居候が暮らしている。
「……?」
カバンに入れていたスマホが振動しているのに気付き、慌てて取り出すとタッチしてディスプレイを起動させる。
《新着メール1件》
新着メール……?
誰だ?こんな時間に?
タッチしてメールを展開すると、それはロゼからだった。
ロゼッタ=グリモワール。
愛称はロゼ。
淡い栗色の長髪に透き通る翡翠の瞳が特徴。
白い柔肌とスレンダーな体型にいつもワンピースを好んで着ている癒し系美少女。
1ヶ月前から俺ん家に居る居候であり、実のところ俺をアクマとして蘇らせた張本人。
膨大な魔力をその小さな身体に内包する俺の親元であり、いわゆる子として生きてる俺へ魔力を自動で供給してくれている。
日本に来る前は『生きた魔導書』と言われていたらしい。
しかし、死ぬ寸前だった俺を生き返らせた代わりに、なんと彼女は自分の声を失った。
実は、彼女の声を取り戻すことが俺の叶えたい夢の1つである。
言葉も喋れない、手話も出来ない寡黙な彼女へ俺は某タブレット端末を買い与えた。
これで喋らずに、どこに居ても気軽に彼女の声が聞けるから。
……で、メールの内容はと言うと。
《お帰り咲哉。さっき知らない女の子の声がしたけど、まさかお持ち帰りしたの?》
お持ち帰りって。
どこのスナック帰りのオッサンだよ!
俺は決して下心で女の子を連れてきたりしません。
変な誤解をされないように直ぐ様返事を書き始める。
『ただいま。お持ち帰りなんてしてないからな。ちょっと訳あって急きょ俺ん家に住むことになったんだよ』
送信ボタンをタッチして、深くため息をついた矢先。
すぐにスマホが振動する。
返信するの早いな。
《そう。また厄介なことに首を突っ込んだみたいね。微かに魔力を感じたから分かったけど、その子、巷ではアクマ狩りって呼ばれている異端少女でしょ?》
……ギクッ。
な、なぜ分かった?
つーか、異端少女って魔法少女とかその手の類いじゃねぇのかよ!
アクマ狩り!?
んじゃ俺たちの敵じゃないか!?
よかれと思って連れてきたが、まさか俺たちが敵対している組織の子を連れてくるとは。
「どうしたんだ?咲哉?」
「いや、何でもない」
「そうか。顔が死んでるぞ?」
「うるせー。身も心も既に死んでるよ」
「んじゃ咲哉ってゾンビなのか!?」
ゾンビとはまた違うな。
まずもって次元が。
ゾンビは生き返るのに時間が掛かるが、俺は死ぬ寸前にその場で魂の再生が始まり、数分経たずに完全に再生する。
例え身体の一部が元あった場所から分離しても、一度、砂になってすぐに再生する。
激痛を伴うは斬られた瞬間と、再生する瞬間だけ。
しかし、昼間は魔力が不安定になるため、再生する時間が非常に遅くなる。
まぁ、そんな感じか。
「とにかく腹が減ったぞ!飯をくれ咲哉!」
「分かった分かった。夜遅くに食うのもあれだから、軽食を作ってやる」
「何!?咲哉って料理できるのか!?」
「まあな。独り暮らししてるから料理ぐらい朝飯前だ」
「今は夜食前だぞ咲哉!!」
変なところで遠慮なく突っ込むなお前。
そう思った矢先、またスマホが振動する。
《麻婆豆腐、咲哉スペシャルの激辛で。今すぐ》
……はい。
大至急作ります。
って、聞こえてたの!?
ロゼは意外にも辛いもの好きらしく、この間、冗談半分で作った俺特製の激辛麻婆豆腐を無表情で平らげたからな。
あげくにお代わりだと。
むろん、俺はあまりの辛さにその場で轟沈したが。
……我ながらよく作れたよ、あんなに辛いの。
「咲哉ー!ぼさっとしてないで早く作れ!」
「いちいちうるせーな。今から作るから待ってろ」
「おう!!早くしろよな!!」
「さて、セツナは焼きうどん、ロゼは俺特製激辛麻婆豆腐っと」
「な、なんだ?俺特製激辛麻婆豆腐って?焼きうどんは止めた!アタシもそれにする!!」
『女々しくて』と書かれた金○ばりのカラープリントのエプロンを締めかけ、台所に立つ俺はその台詞を聞いて一時停止する。
い、いま何て言った?
あの伝説の激辛麻婆豆腐を食うだと?
正気か?セツナ?
念のため、事故が起きぬよう説得するか。
「なぁ、セツナ?焼きうどんの方にしておくことをおすすめするぞ?俺特製の麻婆豆腐は死ぬほど辛いからな?」
「死なない死なない。辛すぎて死んだ人なんて聞いたこと無いぞ!心配するな咲哉!不死鳥のセツナに不可能は無い!」
「不死鳥……か。ついでに言っとくが、命の保証はしないからな。自己責任で食えよ?」
「……そ、そんな脅しに怯むか!全部食ってやる!完食だかんな!セツナちゃんの勇姿を目ん玉抉り取ってよく見とけ!」
「勇姿もクソも目ん玉抉り取ったら何も見えないだろ……」
さすがに呆れ果てる俺。
どんだけ負けず嫌いなんだ?
あと、付け足しでどんだけバカなんだ?
食った本人の忠告を無視し、あの殺人麻婆豆腐に挑むなんて命知らずにもほどがあるだろ。
ふと、人の気配を感じて茶の間に目を向けると、ちゃぶ台の前に正座して座るロゼの後ろ姿が見えた。
紅色が栄える艶やかなストレートヘアにクリクリした亜麻色の瞳。
背格好からセツナとさほどかわりないが、こちらの方が華奢な印象がある。
パジャマの代わりなのか、赤いキャミソールに真っ白なタオルを羽織ったままのご登場。
しかも下は赤いパンティー……だろう。
つーか、ロリ体型に赤キャミはエロすぎる。
はっ……いかんいかん、話が反れたな。
意気揚々、その完食すると言う自信に満ちたオーラを放つ後ろ姿はいつ見てもヤバい。
さて、勝利の軍配はどちらに上がるのか。
目に見えてるのは気のせいかな?
「咲哉も食えよ!!お前、男だろ!!」
「は!?ちょ、お前、俺を殺す気か!?」
『お兄ちゃんも食べようよ~』
「はぁうっ!?これは……ロゼのテレパシー!?」
『美味しいよ♪一緒に食べよう?』
ロゼ、上目遣いでそんなに見ないでくれ。
美味しいかもしれないが、俺は……お兄ちゃんはこれを食べると死んじゃうんだよ?
「腹を括れ咲哉!!」
「お前が言うな!!」
「自分で作ったものが食えないのかよ!?まったく情けないヘタレ野郎が!!」
「……ふ。俺をナメるなよセツナ。自分で作った料理が食えないわけ無いだろう」
『お兄ちゃんカッコいい!!』
エヘヘ~~そうか?
よし!!いっちょ腕を振るいますか!!
──ウィィィン、ガシャガシャ、ガシャ。
液晶テレビの横に置いてあるインクジェット式のプリンターが突然、なんらかの電波を受信して動き出したようだ。
……あ、そうだ。
無線LANでタブレット端末から画像や文章を印刷出来るようにしておいたんだった。
そうなると動かしたのはロゼか。
印刷が終了したのか、一枚のA4版の印刷用紙がぴらりと畳の上に落ちる。
──そこには。
『早くして』
印刷用紙いっぱいに、でかでかとそう書いてあった。
急かされつつ台所に立つこと15分。
凄まじい香辛料の匂いを放つ、まるで血のように真っ赤な麻婆豆腐が完成した。
お手製と言えど、このキツい香辛料の匂いの麻婆豆腐は、作るだけで目や鼻が二三回は完全に殺される。
その間、台所は通称『密室赤唐辛子地獄』と化す。
よって今、俺はその地獄から開放され、新鮮な空気が溢れる、我が家の憩いの間の床に力なくひれ伏している。
願わくはお肉たっぷり野菜たっぷり、ニンニクが効いた焼きうどんが食べたかった。
まぁ、ニンニクは食えないんですけどね。
俺、アクマですから。
「食う前に死んでどうすんの咲哉!!」
「言い返すようで悪いが、俺は死んでない。つーか食う前から鼻を抑えてるお前が言うな」
「お、抑えてないぞ!つ、抓んでるんだ!」
「……抑えるも抓むも一緒だろ」
「うるさい!熱いうちにさっさと食べるぞ!」
リーダーシップを取るのはいい。
俺はもう止めはしない。
つーか何で馴染んでるんだよ?
しかし、俺の座る席のちゃぶ台の上には、もりもりと皿に分けられた激辛麻婆豆腐がある。
……これを食えと?
絶対死にはしないが、これを食おうものなら、最多死亡数をさらに更新することになるだろう。
生きている者にとって不名誉すぎる偉業を成し遂げる羽目になる。
誰も真似できる人なんていない……だろうな。
ごくりと唾を呑む俺の右隣で、表情1つ変えずにパクパクと、蓮華で激辛麻婆豆腐を運ぶロゼ。
無表情ではあるが、どこか嬉しそうだ。
正直な話、味覚の細胞が生きていない限り、この麻婆豆腐は食えたものではない。
作った本人が言うのもあれだが。
いっそのこと、今すぐ自分の舌を引き千切ろうか?
待て、今は夜だ。
どのみち引き千切っても、体質の関係ですぐに再生しちまう。
……もうここまで来たら食うしかないか。
腹を括れ、俺。
「ぎぁああああ!!」
俺の座る席の左隣に座るセツナの断末魔の叫びが聞こえた。
たぶん、彼女の味覚はあと1週間、正常には戻らないだろう。
かつての自分がそうであったように。
心配するなセツナ。
短い間だったが、お前のことは忘れない。
金輪際、いや、もう二度と会うことは無いだろう。
俺は死ぬことができない孤高のアクマ。
なんせ黄泉の国へ行くことができないからな。
自分で作った麻婆豆腐に一切手を付けてない俺に、不思議そうに覗き込むロゼ。
『どうしたの?お兄ちゃん?』
「はぁうっ!?またテレパシー!?」
『食べないの?』
「え、あ、まぁ、なんかお腹空いてないし。良かったら食うか?」
『ダメ。ちゃんと食べてお兄ちゃん。食べないと添い寝してあげないよ!』
イタダキマスッ!!
「ぐふあっ!!!!!!!」
勢いよく口の中へ掻き込むが、あまりの辛さに大逆流。
まるで血を吐いたように、ちゃぶ台の上へ撒き散らす。
まずい。
手足が痙攣し、血の気が引き、意識が遠退いていく。
クソっ!!
せっかくのボーナスステージがっ!!
しきりに抗うも、身体は完全に沈黙し、視界が暗転した。
──意識が戻る頃には、もう既に朝になっていた。
あのあと、オレは死んだように気絶したらしい。
やれやれ、また地獄の日中かよ。
寝惚け眼を擦りながら茶の間にある鏡の前に立つオレ。
しかし、鏡に映る俺は先程のような男の姿ではなく──。
どう見ても中学生ぐらいの、女の子の姿になっていた。
着ていた服はブカブカで、スゴいだらしない。
実はオレことアクマは、日中は魔力が弱くなって乱れるため、身体自身が魔力を安定させるため、それに適した姿になってしまうと言う。
確か、以前にロゼがそう説明してくれた。
……で、オレの場合は見ての通り女の子になるらしい。
まぁ、犬や猫になるよりはマシかな。
真面目な話、こういうことが日常茶飯事なので、二階の自室には男物の衣類と女物の衣類が両方揃えてある。
仕方ないと言えば仕方ないが、もし見つかったら溶鉱炉に飛び込んで完全に消えるつもりだ。
爆睡しているセツナの上を忍び足で越えていき、急いで階段を駆け上がり、二階の自室で着替えてくる。
ガラパンからパンティーに履き替え、いつものようにピンクの柄物Tシャツとホップな刺繍が入ったホットパンツを履いて着替えは完了。
1ヶ月前はこのパンティーを履くのにスゴい抵抗があったが、今となっては苦ではない。
あ、ちなみに胸はほぼ無いに等しいんで家に居るときはいつもノーブラっす。
この状態のことをロゼは既に知っているから問題ないが、セツナにはちゃんと説明しなくてはならない。
……待て、それじゃあオレが敵(アクマ)ってことがバレるな?
どうしよう。
ベッドに横たわり、しばらく考えていると部屋に私服のワンピを着たロゼが入ってきて。
『大丈夫。私がちゃんと説明する』
と書いてある印刷用紙をオレに見せた。
「ほんとに大丈夫なんだろうな?余計なことは言わないでくれよ?」
半分、疑ってはいたが一番理解してくれてる人が、ちゃんと説明してくれるなら心配はいらないだろう。
……と思いたい。
オレから大役を任せられたロゼは大きく頷く。
あのバカを理解させる自信があるらしい。
「それじゃあ、セツナに説明するのはロゼに任せた。オレはここにいるから、終わったらメールで呼んでくれ」
こくこく。
二回ほど頷いてオレの部屋を出ていったロゼ。
しばらくして、枕元に置いておいたスマホが小刻みに振動する。
それはロゼからだった。
『咲哉、ごめんなさい。彼女は本物のバカでした』
不安的中。
言い方が悪いが、セツナはどうしようもないバカだったらしい。
さらに夜の激辛麻婆豆腐で、頭の悪さに拍車がかかったとみて間違いない。
だったら、実物を見せるしかないか。
あんまり乗り気じゃないが、仕方ない。
オレは溜め息混じりにゆっくりとベッドから降りると、のそのそとドアの方へ向かう。
ドアノブに手を伸ばしたその時、勝手にドアノブが回った。
……な、なんだ?
殺気を感じたオレは素早く身構える。
──バンッ!!
「とおりゃあっ!!」
勢いよくドアが開くと、セツナが鬼の形相でオレに飛び掛かってきた。
冷静にその動きを見切ったオレは、素早く身を引いて掴もうとする腕を躱し、直ぐさま利き足で大きく踏み込み、自分の身体をセツナの懐に潜り込ませ、腰の捻りを加えた強烈な肘鉄を腹部へ一発。
「ぐわっ!?」
肘鉄が効いたのかよろめくセツナにさらに追撃。
反撃に警戒して密着した身体を素早く離すと同時にセツナの腕を掴み──
「はっ!」
「きゃんっ」
オレのふかふかなベッドに向けて、セツナを一本背負いで軽々と投げ飛ばす。
犬の鳴き声のような悲鳴を上げ、綺麗な弧を描いて背中からベッドに着地する。
欠かさず反撃されぬよう、オレは素早く寝技へ移行する。
セツナの腕を掴み、まるでプロレスラーばりに慣れた手付きで腕肘十字固めをキメる。
「イタタタ!!タイム!!サクヤ!!ギブだって!!」
「いきなり襲い掛かってくるとはどういう魂胆だ?答えろセツナ」
「そ、それ以上はダメ!!分かった!!アタシが悪かったって!!」
「……まさか今がオレを倒すチャンスとか思ってないだろうな?」
「ギクッ」
図星だな、コイツ。
確かにアクマは日中、魔力が弱くなり、基本的に脆弱になるらしいが、オレの場合は少し違う。
元は男だから身体が女に変化した時に、規模も小さくなるので余分にはみ出るモノがある。
例えば、本来の筋力など。
それが規模の小さな器に凝縮されるので、男の時より女になった時の方が1.5倍ほど基礎の身体能力が高くなる。
つまり、今のオレは男のオレの1.5倍も強いというわけ。
アクマの防衛本能でそういう風になるわけだが、詳しくはオレもよく分からない。
ただし、1つ分かったことがある。
チョーカーをしていれば問題ないが、この状態だと魔力が不安定になりやすいため、迂闊に魔力を消費できず、最悪、アクマと遭遇しても攻撃手段がないので、腹を空かしたアクマにとって格好の餌になるということ。
逆を返せば、先程のセツナのように異端少女や祓魔師といった変わり者に命を狙われやすくなる。
例に倣っていくら殺そうとオレは死なないのだが、こればかりは面倒で困ってしまう。
あ、あと体質の関係で日中は肉体再生の速度が遅くなり、怪我などしても回復するのに時間がかかってしまう。
まぁ、それでも一般人から見たら物凄い早さで傷が治っているように見えるだろうな。
「べ、別にそんなつもりはない。アタシはロゼの話が信用できなかった。だから見に来たらほんとに女の子になってた」
「……悪いがこれが現実さ。認めたくないのは山々だけどね」
「分かった。咲哉の秘密はアタシの秘密でもある。だからちゃんと守る。その代わりにアタシの秘密も教えてやる。絶対にバラすなよ?これで五分五分だ」
「……セツナ?それを言うなら『お互い様』だろう」
「うるさい!しかも毎回、アタシの挙げ足を取るな!!この……っ」
腕から手を離し、ベッドに胡座を掻いて座るオレは再び呆れる。
腕肘十字固めから解放されたセツナも何か言おうとして止めたらしい。
口を尖らせまま、オレの正面で女の子座りする。
ドアの外にいたロゼは、恐る恐る部屋の中へ入ってきて、オレの隣に腰掛ける。
「さて、約束通りセツナの秘密を話して貰おうか」
「おう!実はアタシ、泳げないんだ!」
「……お、泳げない?」
「そうなんだよ。いくら頑張っても犬掻きしかできないんだ!」
「……犬掻きでも泳げる部類に入るだろ、それ。つーか大した秘密じゃないじゃん」
オレの秘密はまだまだあるが、知られたら死活問題になるモノばかり。
それに比べたら、泳げないなんて何の秘密にもならないだろう。
セツナのバカさ加減に呆れ、溜め息混じりに項垂れると、隣に腰掛けるロゼがタブレット端末をしきりにいじり始める。
『お腹空いた』
お絵描きアプリでタブレット端末のディスプレイに書かれたこの文字を見て、オレはふと壁に掛けてある時計を見上げる。
時計の針は既に正午を回っていた。
「もうこんな時間か。よし、飯にするか」
「咲哉!!アタシ焼きうどん!!」
「そうかセツナ。お前は焼きうどんなのか。さてどんな味がするのかな?」
「や、止めろ!!アタシを食うなヘンタイ!!」
「誰が食うかよ?このアホ」
『咲哉お手製激辛麻婆豆腐。特盛で』
ロゼが掲げたタブレット端末のディスプレイを見て、絶句するオレとセツナであった。
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