ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第1章
旧校舎のディアボロス
第24話 なんで俺は弱いんだ!
前書き
最後の方で士騎兄妹が出ます。
「ゆ、夕麻ちゃん!」
声がした場所にいたのは黒い翼を生やした天野夕麻ちゃんだった。
「レイナーレ様!」
アーシアが夕麻ちゃんの事をそう呼ぶ。
「……やっぱり、堕天使だったのか……?」
「悪魔に成り下がって無様に生きているって言うのは本当だったのね」
彼女はそう言い、今度はアーシアの方を見る。
「アーシア、逃げても無駄なのよ。おとなしく私達の元に来なさい」
「嫌です!人を殺める所に戻れません!ごめんなさい、イッセーさん。本当は私、明日夏さんに逃がしてもらっていたんです……」
「知っていたよ。明日夏から聞いていたし、何よりアーシアがこんな碌でもねえ連中と一緒な訳ねえもんな!堕天使が何の用だ!」
俺はアーシアを後ろにやり、堕天使を睨みつける!
「汚ならしい下級悪魔の分際で気軽に話し掛けないでくれるかしら?」
彼女は俺の事を心底見下した目で見る。
俺の脳内で夕麻ちゃんとの記憶が呼び覚まされる!
くそッ!あいつは堕天使だ!?俺の知っている夕麻ちゃんはいないんだ!?
夕麻ちゃんの姿がちらつく中、俺は自分にそう言い聞かせる!
「セイクリッド・ギアッ!」
俺は左腕に神器を出す!
「…………ぷっ!あはははははッ!」
堕天使が俺の神器を見た瞬間、盛大に笑い始めた!
「何かと思ったら、ただの『龍の手』じゃない!」
「……とぅわいす……?」
「力を倍にするだけの神器の中じゃありふれた物よ」
「力を倍に?」
そっか、それが俺の神器の力か。
「貴方の神器が危険だって上から言われたけど、とんだ検討違いね。わざわざ、あんなつまらない真似までしたって言うのに………好きです!付き合ってください!……な~んてね♪あの時の貴方の鼻の下の伸ばしようったら笑えたわねえ♪」
「ッ!?うるせえ!?黙れッ!」
俺は堕天使の言葉にカッとなり、神器を装着した左腕を彼女に向ける!
「そんな物じゃ、私に敵いなんてしないわよ!大人しくアーシアを渡して、立ち去りなさい?」
「嫌だッ!」
「イッセーさん!?」
「友達ぐらい守れないでどうする!」
「っ!?」
「動け!力を倍にしてくれるんだろ!」
『Boost!!』
力が流れ込んでくる……!?
ズブッ!
「え?」
腹に一本の光の槍が刺さっていた。
「ぐぅ!?」
「イッセーさんッ!?」
「分かった?一の力が二になったところで大した違いは無いわ」
「ぐっ……クソッ……!」
痛みに苦しんでいた時、アーシアが腹の傷に癒しの光を当ててきた。
「大丈夫ですか!」
「あ、ああ……」
スゲェ!光の痛みが消えていく!
「アーシア、もう一度言うわ。大人しく私達の下に来なさい?貴方の神器はそいつのとは比べ物にならないくらい貴重な物なのよ?大人しく応じるなら、そいつの命は見逃してあげても良いのよ?応じないのなら殺すわ」
そう言うと、彼女は手に光の槍を作り出す!
「ふざけるな!誰が…」
「……分かりました」
「っ!?アーシアッ!?」
「イッセーさん、今日は本当にありがとうございました。本当に楽しかったです」
「アーシアッ!?ダメだ!行くなッ!?」
俺がそう言っても、アーシアは堕天使の下に行ってしまう。
「それで良いのよ、アーシア。今夜の儀式が終われば、悩みからも苦しみからも解放されるわ。じゃあね、イッセー君♪」
そう言い、堕天使はアーシアを連れ去ってしまう!
俺はその場に膝を着く。
「ちくしょうッ!なんで、なんで俺はこんなにも弱いんだッ!?」
フリードの時も、今も、アーシアを守れなかった!?
「アーシアァァァアアアアッ!!!!」
俺の叫びはただ空しく響くだけだった。
ー○●○ー
「クソッ!あいつは毎度毎度!」
俺は放課後になると千秋を連れてイッセーの家(最も向かいだから帰り道を通るだけだが)に行ったら、イッセーがいなかった。そして、人探しの術を使った訳だが、イッセーの近くに二つの気配があった。
一つは堕天使の気配。もう一つはおそらくアーシアのだろう。
まだアーシアがこの辺にいたとはな!
「千秋、急ぐぞッ!」
「分かってるッ!堕天使、イッセー兄に手を出したらッ!」
千秋の殺気が既に最頂点に達していた。
頼もしいんだが、少しは落ち着いて欲しいものだ。
そんな事を思いつつ俺達はイッセーの下へ急いだ!
「イッセーッ!」
「イッセー兄ッ!」
イッセーの気配があった場所に駆け付けると、そこには誰もいなかった。
「イッセー兄はどこ!どこなのッ!?」
「落ち着けッ!今探してみる……」
俺はもう一度、人探しの術を使う。すると、イッセーの家の方からイッセーの気配を感じた!
「入れ違ったか!おい、千秋、イッセーは…」
「ウアァァァアアアアッ!?!?」
「っ!?」
いきなり千秋が咆哮を上げる!
よく見ると、千秋の前には小さな血溜まりがあった。おそらく、イッセーのだろう。
「堕天使ィィッ!?殺すッ!!」
千秋はかつて無い程の怒りっぷりであった。
ああもう!なんでこうなる!
その後、千秋を落ち着かせるのに時間を費やしている間にイッセーは駒王学園に向かってしまった為、イッセーの家に向かった俺達はまたイッセーと入れ違うのであった。
後書き
千秋ちょっとの血溜まりでぶちギレ。
十一~十二巻のイッセーの死(死んでないけど)を知ったらどうなるやら。
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