ワンピース*海賊と海軍、七武海と白髭。
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第一部
電話。
『あははははっっ!!
貴女に味方がいるとでも思ったの?おバカなスターフィリア♪』
『お前みたいな危険なやつを信じるバカはいると思ってるのか?
人を簡単に信じるその性格と癖!直した方がええんじゃねーのー?(笑)』
…今よりずっと無力で、弱かったあたしの過去。
思い出したくもなくて、早く忘れ去りたい過去…
なのに今の状況と、過去を思い出していると…無性に…
リノ「…腹が立ってくるわ…」
ゾロ「んだと…!?」
リノ「偽善者風情が…弱いくせに集団でいると、自分が強くなった気でいて…」
ビビ「っ…」
リノ「挙句の果てには死闘、ってなると弱い奴は後方に下がってバカで自分は強いと思うアホどもらは先に死のうと飛び掛ってくる…
…本当、笑えるわ。この海賊船は…」
あたしはもう、騙されたりしない。
本当に信じれる仲間さえいれば、本当に信じてくれる心が通じ合った友達さえいれば…
あたしはもう、何もいらない。
レオンも所詮は、その程度…
演技だからってここまでして…ふざけてる。
ルフィー「今の言葉、取り消せ」
リノ「指図しないでくれる?」
チョッパー「…ぉ、おい…お前もルフィーも…喧嘩は止めろよ!!」
ウソップ「そ、そうだぜ…!!ルフィーのお兄さんだって来てるんだしよ、
もっとこう…パっー!とやろうぜ?な?そんでお前も今の事を水に流して―――」
ルフィー「ウソップ、黙ってろ。チョッパーもだ」
言葉を遮らせたまま目をあたしに向ける蛆虫船長さん。
大きく息を吸ったかと思うと、一気に船内が静まり返った時だった___
『プルプルプル~プルプルプル~』
あたしの胸ポケットで持って来ていた小でんでん虫がうるさく鳴ってるかと思うと、
今度はあたしが大きなため息をついて電話を取り出す
リノ「今度は誰よ!?」
受話器をとって殆んど怒鳴るように言うと、
大仏男だったらすぐさま切って、他の誰かだったら大仏男と同じようにすぐに切ろうと思った時だった
『…おお、出た』
エース「……?」
…なんでこんな時に、お前が電話してくるんだよ…
白髭『おおリノ、声からして元気そうだなァ…』
リノ『…はぁ…あんたさえ電話掛けて来なければ…あたしは十分、元気だったよ』
白髭『なんだその言い草は。まるで電話を掛けてくれなくてもいいいみてェーな』
リノ『そう、あたしの本音はそれよ』
呆れた顔して大きくため息を付くと、大半の人が首を傾げた
何でもっと電話を寄越す時間を考えてくれないの!?
しかもアンタの息子とやらがいるときにかけてくるとか…本当、可笑しい…!!
エース「!?」
ほら…!!驚いてるじゃんかよ!?
リノ『今度は何の用?』
白髭『用は特には無ェーが…電話を掛けたくて掛けただけだ』
リノ「だったらもう消しても「親父!?」…はぁ…」
蛆虫(エース)が人混みを掻き分けてどんどんあたしに近付いて来ると、
受話器の中から聞こえるバカの声が驚いていた
白髭『エースか?』
エース「あ、ああ…!!俺だ!!」
白髭『なんだぁーリノ?お前、息子と知り合いだったのか?』
リノ『はあ?ふざけないでよ!!
そっちが変なのを送り込んでくるから話がややこしくなってくるんだけどッ!!』
白髭『はあ?一体、何の話だ』
お前までとぼける気か、オイ。
お前まであたしをバカにする気か、オイ((イラッ
エース「お、親父も…お前も…知り合いだったのか?!」
リノ「………」
今度は受話器の方から騒がしくなったかと思うと、
バカ(白髭)よりもトーンが高い声が聞こえる。
その相手は……
『お?リノか?俺だぜ、マルコだよぃ』
エース「マルコ…?!」
マルコ『…エース?!』
何で二人して同じ反応してんの←
リノ『はぁ…一体、どれだけバカが出てこればアンタたちは気がすむの…』
マルコ『リノのその反応、相変わらずすぎて笑えるぜ』
リノ『お前のアホ声聞いただけで無駄に体力消耗するわ』
マルコ『話してるだけだぜ!?……ていうかリノ、エースに言わなかったのかよぃ』
エース「は?」
リノ『お前っていうアホ鳥は何でこう話をややこしくさせようとするの…?』
マルコ『仕方ねえだろ?不死身なんだしよぃ』
リノ『誰も不死身とか聞いてないし言ってないし』
マルコ『ククク…お前、相変わらず面白い』
リノ『黙れ』
マルコの後ろで、バカ(白髭)が大きくて甲高い声で笑う。
…………お前ら二人して、バカにしやがって…!!
白髭『お前らが何らかの形で巡り会えたのは凄い事だ』
リノ『そういうバカらしい事言わないでよ、気持ち悪い』
マルコ『素直になれよぃ』
リノ『オイアホ鳥、笑ってんじゃねーよ』
マルコ『ククク』
リノ『お前ら本当ムカつくなあ』
白髭『リノ、お前は俺よりも強い。
…悪いがエースの手助けをしてやってくれねェーか?』
リノ『なっ…』
出たよこいつのこういう口調…
人に何でもかんでものしかけてくる嫌な口調…。
しかも蛆虫を助けろだあ?絶対に嫌だし
リノ『何であたしが力を貸さなきゃなんないの?』
白髭『…………』
リノ『何で黙んだよ!!』
オイ、真面目にツッコミもほどほどにしてツッコミたいとこだけど
ジジイがこうして黙るって事は…相当、コイツ(蛆虫)も重い物を背負って来たって事か。
マルコも黙ってるみたいだし、滅多に黙らないジジイも黙ってるって事は…
白髭船の鉄則の掟、〝仲間殺し〟があったって訳か…。
それも二番隊の隊員、からすると…
リノ『……この借り、ちゃんと返して貰うからな』
エース『?!』
白髭『ああもちろんだ。お前ならそう言ってくれると信じてたぜ』
マルコ『リノありがとな!!』
……なんか上手く、利用された感じがするんだけど。
なんかあたしに『はい』って言わせようとしてた感じだよねお前ら二人。
マルコ『今度会った時にはお前の好きな料理を作るよぃ』
リノ『よし、それなら上出来だ』
エース『っ…』
マルコ『今度はちゃんと遊びに来いよぃ』
リノ『行く。もちろん行く。絶対に行く。マルコの料理食べ行く!』
マルコ『待ってるよぃ』
ガチャッと電話を切ると、全員が全員あたしを驚いた顔して見る。
まるでお化けでも見てる感じに。
ナミ「…話がよく、分からないわ…」
レオン『俺たちの仲は元通りになるか?』
リノ「マルコに感謝しなさいよ。」
レオン『リノが怒らないだけでもマシだ』
チョッパー「そうなのか?」
レオン『ああ…アイツは本気で怒ると街が二つ以上は壊滅するからなぁ…』
チョッパー「二つ以上!?スッゲェェー!!((キラキラ」
……このトナカイ、絶対に違う意味で目をキラキラさせてるな
ルフィー「どういう事だ?エース」
エース「…俺も…よくは分からねェーが…ルフィー、コイツも一緒に旅に連れてってもいいか?」
ルフィー「……エースがそう言うなら」
エース「サンキュー」
………普通の蛆虫ならば、相手の目を見てお礼を言ったり、話したりするのに
コイツはさっきからずっとあたしを見たまんまだった
あたしの事をそんな目で見てるって事は、複雑な事がありすぎるって訳か。
ていうか誰が殺されたのかも知りたいし、誰が殺したのかもかなり興味あるし…
エース「…さっきの話、じっくり聞かせてくれねェーか?」
リノ「……いいけど」
エース「ルフィー」
ルフィー「ん?」
エース「どっか部屋とか借りてもいいか?」
ルフィー「構わねーけど」
エース「…そんじゃー…話し終えるまでは誰も近づかせないでくれよな」
ルフィー「あいよ~」
あたしの前を歩き出す蛆虫の後を追って、歩き出す
レオン『俺は?』
リノ「そこにいて」
レオン『即答か…』
お前が来たら色んな意味でややこしくなる、だから来んな!!
エース「…ここがいいな」
この船にあるらしい地下に下りて、本当に倉庫同然の部屋の中に入ると
近くにあった樽の上に座ると火をランプに灯した蛆虫が床の上に座る
エース「…頭ん中がごちゃごちゃしてて…イマイチわかんねーけどよ…」
リノ「だったらあたしから質問するけど?」
エース「あ、ああ…そうだな…で、何が聞きたい?」
リノ「誰が殺されて、誰が殺したの?」
エース「…四番隊隊長のサッチが、俺の部下…ティーチに殺された」
リノ「えっ…?」
………あの能天気が、殺された?
しかもあのティーチに?え?嘘でしょ…
エース「…どうした?」
リノ「…あの能天気が、殺された?」
エース「……ああ。」
リノ「あーなる程。そんでアンタは白髭海賊団の鉄則の掟を破って出て行ったティーチの後を追って殺すべくジジイの有無を聞かずに飛び出して来たと」
エース「………」
…適当に言ったのに当たったなんて←
ちょっと自分の勘の鋭さは凄いけど、そこまで話が進んでるなんて…
リノ「ふぅーん…あの…ティーチがね~…」
エース「…お前、親父ともマルコとも親しそうだったが…男は嫌いなんじゃねェーのか?
ていうか俺は〝蛆虫〟でアイツらは名前呼びかよ?」
リノ「何、嫉妬してんの?」
エース「なっ…違う」
…ちょ、そこまで不機嫌そうにならなくたって蛆虫は蛆虫なんだから←
ていうか顔を赤くするとか…そこまで名前呼びにこだわる事なの?←
リノ「男は大っ嫌い それは今でも変わらない」
エース「…ふぅーん…」
納得した素振りで全く納得してない、
何なんだよコイツ、何がしたいの?←
リノ「で、話戻すけど・・・あの能天気がティーチに殺された理由は?」
エース「何でも…サッチが見つけた悪魔の実の力を、
ティーチが欲しがってたとか何とかで…」
リノ「……悪魔の実」
眉間に皺を寄せて昔の嫌な記憶だけは無視して、
ティーチとの会話を思い出しながら呟いた
そう言えばアイツ、〝ヤミヤミの実〟っていう悪魔の実を捜してたんだっけか…
あたしも十年前ぐらいの記憶だから覚えてないけど…
…確か、悪魔の実の能力を無効化にするんだっけか…
その時はまだ、誰もあたしが雷の力を持ってるって知らなかった頃だし
あたしはただただ〝あたしも能力者になったらお前を殺すつもりで勝負してやるからな〟って言ったのを覚えてる…
…何も知らないはずのサッチが見つけて、それを食べようとしてたとすれば
ティーチが鉄則の掟を破らないはずがない…
能天気も能天気で、無駄に頑固っていうか…
…ティーチも頑固っていうか、上から目線っていうか…
となるとまあ…あたしもティーチを止めなくちゃなんないのかなぁ?
エース「悪魔の実なんて捜せば他にもあるってのによ…」
リノ「…まあそれは無理だね」
エース「は?」
リノ「ティーチが捜してた悪魔の実は世界でたった一つ、その他に似たような瓜二つっていう悪魔の実なんて存在しないし」
エース「……」
リノ「…ティーチの気持ちは分からない訳じゃない」
エース「っ…何だよそれ、お前ェ…アイツの肩持つってのか?」
リノ「何も知らないでそんな事言うのもどうかと思うけど」
エース「は…?!」
リノ「あんまり男という名の蛆虫とは行動したくないけど・・・ティーチに会う為に、少しの間は……一緒に旅、する」
エース「!? 本当か!?」
リノ「何であんたが嬉しそうなの…?」
眉間に皺を寄せながら背中を壁に付けると、
あたしの前でさっきまでは曇らせていた顔を満面の笑みに変える
エース「え、いや…一緒にいてくれた方が心強いっていうか」
リノ「………」
エース「おい、何だよその目」
リノ「先言撤回してやろうか?」
エース「腹減ったな」
リノ「無視すんな」
エース「ん?何か言ったか?」
リノ「アンタの耳は都合の良い耳してんのね」
エース「だろ?」
………なんだ、コイツ((
かなりムカつくんだけど((
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