ソードアートオンライン VIRUS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
腹ペコアリス
前書き
うーん、やっぱりコラボは難しい……かなり勉強しないとな……
自己紹介を終えた二人はその城の場所へ向かうために転移門に向かっている。ここはどうやらフローリアの思い出の丘付近らしい通りでどこか見たような風景だったわけだ。
「ゲツガが別世界っていうのは置いといてアンタはなんでそんなデカイ両手剣を逆手に持ったりしてどうやって戦うんだ?絶対に戦いにくいだろ」
「いや、俺はちょっと体術を織り交ぜた少し独特と言ったほうがいいか?まあそんな感じの戦いするから普通に持つよりも逆手に持ったほうが戦いやすいんだ」
「それなら片手剣とか短剣の方がいいんじゃないのか?リーチとかそっちのほうが申し分ないし、逆にでかすぎて邪魔になるんじゃないか?」
ミナトの言うことはごもっともだ。短剣はリーチが短いが体術とあわせて戦うのならそっちがいいだろう。短剣のリーチが会わなければ片手剣に変えればいい。しかし、ゲツガはあえてその二つを選ばずに両手剣を選んだ。
まあ、実際の理由は筋力一極にしたせいで短剣や片手剣などはもうすでに持った感覚がほとんどしなかったためだ。まあ、予備としてギリギリ持った感覚ある重量感の短剣を予備として持ち歩いているが。
「筋力一極にそれはほとんど関係ないって、まあリーチが長いほうが結構いいんだよな俺的に。それに短剣や片手剣だとどうも威力とかがな~」
「そうか?使いようによっちゃ普通に両手剣よりは扱いやすいと思うけどな。まあそれは人それぞれか」
「まあ、そうだろうな。というよりも、こいつはいい加減に俺から離れないのか?」
ゲツガはそう言って頭の上に乗っている黒ウサギのアリスに指を指す。アリスはゲツガの頭の上に乗っている。落ちないのが不思議だ。
「知らないって言っただろ?テイムモンスターがこんなに他のプレイヤーのなつくなんて事知らないんだから」
「まあ、そうだよな」
そう言って頭からアリスを取るとアリスを見て言った。
「どうしてお前はご主人のミナトの所にいかねえんだ。他の奴らみたいにあんなふうに」
ゲツガが隣にいるミナトの後ろについてきている他三体の方に視線を移す。ミナトの後ろには三体のテイムしたモンスターがちょこちょことミナトを追っていた。
もう一度、アリスを見ると首を傾げるだけで何も行動を起こさない。ゲツガはさすがに溜め息を吐いた。そしてアリスを自分の頭の上に戻すと再びミナトに話し始める。
「そういえばミナトはどんな装備をしてるんだ?」
「ん?ああ、私はこれ」
そう言って鎌と鎖を取り出す。しかし、その武器にはまだ何か力が秘められていそうな感じがする。そしてミナトは武器を素早く閉まった。たしかにあまり長く見るのも力量をはかられることもあるからだろう。
「これくらいでいいだろ。そんな人の装備をじろじろ見るもんじゃないし」
「ま、そうだな」
そんな話をしているとようやく転移門の前に着いた。
「ようやくついた」
ミナトはあたりを警戒した。その様子を見たゲツガはミナトに聞いた。
「なにそんな警戒してるんだ?」
「ゲツガ、お前は最初に私を見てどう思った?」
「ん?テイマーぐらいしか思ってないけど?……ああ、なるほどな」
「私の警戒する理由は分かっただろ?」
「ああ、そんなにテイムしたモンスターがいれば目立っちまうもんな」
「そういうわけ。だから私はあんまりこういう大きな場所には来たくないんだけど移動だけはどうもな」
「確かにな。移動は結晶使ってしてたら金が急激になくなっちまうしな」
そして、ゲツガはなるべくアリスを分からないようにしようとするがアリスはすでに首の後ろにあるフードの中に入り込んでいた。何かアリスはこういうのになれているのか?そう思いながらミナトを見る。ミナトはすでにフード付きのケープをかぶっていてその中にテイムモンスターを隠していていた。
「とにかく早くこの場から離れるからダッシュでいく。ついて来いよ」
そう言って先にミナトは行ってしまった。ゲツガもその後を追う。夜に狩りを行うプレイヤーなどが多く見られるが、特にゲツガとミナトを気にした様子はなく、いや、二人の隠蔽スキルのレベルのせいであまりばれていないのだろう。そのまま、プレイヤーを縫うように移動して転移門に着く。
「転移ジーニアス!!」
ミナトから転移するとゲツガもその後を追うように転移した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ジーニアスに着くとそこは下のフロアだからだろうか、人数はほんの数人しかいなかった。
「ここぐらいなら大丈夫だろ」
「ああ、このくらいの人数ならそこまで目立たないだろ」
そう言ってアリスをフードから取り出そうとするとすでにアリスはすでに頭の上によじ登っていた。テイムモンスターってこんなに知能が高いのか?そんなことを思った。
「しかし、ここに来るのも久しぶりだな」
ミナトは久しぶりに来た層なのか懐かしそうに見渡している。しかし、なにを思ったのか急に顔を赤らめる。その様子を見たゲツガは気分でも悪くなったのかと思い、言った。
「ミナト顔が赤いけど大丈夫か?」
そう言うとミナトはいきなり鳩尾を殴ろうとしてきたからゲツガはそれを掴んで止める。
「いきなりなにすんだよ!」
「人には言いたくないことや聞かれたくないことがあるぐらい察しろよ。それと男なら黙って殴られてろ」
「いやだね。俺はそんな黙って殴られる趣味なんてねえんだよ」
「くそっ」
そう言って拳を戻すと早足で歩き始めた。ゲツガも後に続く。しかし、こんな階層だったんだなと思いながら観察する。すると頭の上にいるアリスが頭で髪を急に引っ張り出した。
「いた!ちょ、アリス!いてぇって!」
アリスが勝手に引っ張り出したため自分が痛くないように慎重にそして迅速にどかすとアリスが少し起こったような表情をしていた。しかし、動物の表情なんて長い間動物といた人とか機械じゃないと分からないだろう。
「おい、急にアリスが髪引っ張ってきたんだが何で急に引っ張ったか分かるか?ミナト?」
「ゲツガがさっきの空気を読まなかったからじゃないか?」
ミナトはそう素っ気のなく返す。さっきのことをまだ怒っているらしい。ミナトもアリスもよく分からんやつだと思いながらアリスを地面に下ろした。また頭の上に乗せたら髪を引っ張られると思ったからだ。
だが、アリスは今度はゲツガの足元でブーツを甘がみしてくる。しかし、これはもう何かがおかしいだろう。ゲツガはアリスが何をしたいのか考える。ふと、食事の時を思い出す。
「そういえばこいつ、肉の皿ばっかを見てたな……」
「ああ、そういえばアリスの好物は肉だったな。もしかして、なついてるんじゃなくてアリスは肉を食いたくてゲツガにくっ付いていたってことなんじゃないか?」
「そうなのか?」
ミナトにそう聞いてからアリスを持ち上げる。
アリスの目はどことなく自分ではなく肉を欲しそうな顔をしている?のか。まあ、肉を出したら食らいつきそうな勢いの顔をしている。
「まあ、アリスは肉が大好物だから仕方ない。しかし、そこまでアリスが執着するなんて珍しいな。料理スキルどのくらいなんだ?」
「まあフルコンプしてる。それに、いろいろな種類の調味料も持ってるな」
「それだから、アリスがゲツガの肉料理を気に入ったんだろ。まあなるべく早くやることをオススメするよ。案外、アリスって結構短気だから速めにやらないと自分が困るからな」
そう言ってるとアリスの口から若干よだれがたれてくるのが見える。確かに自分にとって厄介かもしれない。かまれたりしたら絶対に痛いだろうし。
ゲツガは溜め息を吐きながらアリスを下ろすと、すぐに保存していた干し肉を取り出し、調味料をかけてパンに野菜とともに挟む。そして、それをアリスの前におく。アリスハそれを見た瞬間、すぐにかぶりつき食べ始めた。
「すごい手際のよさだな。さすがフルコンプしてるだけのことはあるな」
「まあな」
そう言ってもう四つ作ってミナトに渡す。
「ホラ、お前にも。あまりは他の奴らにやってくれ。そいつらも食べたそうにしてるからな」
そう言うとミナトはそれをもらい食べ始めた。
「あ、うまい。しかも、この味って……ケチャップじゃん!」
「お、正解。この世界にトマトに似たものがあるんだけど、それでもケチャップの味が再現できなかったから結構頑張って作ったんだ。しかし、あっちの世界では簡単に作れるのにこっちで作るのに苦労するなんてどうなってんだ」
「ゲツガ、お前ってあっちでもやってんのかよ」
「悪いかよ。こう見えても家事全般は出来るぞ」
「似合わないな」
「ほっとけ」
そう話している内にミナトたちは食べ終えた。
「んじゃ、城に行くか」
「ああ。そういえば城の名前ってなんなんだ?」
「ジーニアス城だ。昔、そこでいろいろあった後は知らないけど、今はよく分からない」
「まあ、行ってみりゃ分かるだろ」
そしてミナトの後を着いていく。しばらくすると、大きな城が見えてきた。城の形を例えるなら御伽噺に出てくるような城だが使われていないせいか、どこか不気味な雰囲気を持っている。現実であるもので例えるとルーマニアにあるドラキュラ城のような感じだ。
「ここか?」
「ああ。でも、SAO内での建物がまだ一年ぐらいしかたってないのに少し古くなっている気がする。ゲームの設定にはこんなものなかったはずだが……」
また、何かすごいことをミナトが言ったが、たぶん、この言葉も気にしたらいけないだろう。そう思い、そこの部分は聞かなかったことにして、言った。
「確かに、SAOの建物が古くなるなんて聞いたことないな……俺が来たことで変わったとか?」
「まあ、それがありえるかもな。クエストだったら何か流れるだろうし」
「まあ行って見なきゃ分からないだろ」
ミナトはそんなことは構わないと言った風に城のほうに歩き始めた。
「確かにな。いってみないとどうなってるかわからないしな」
ゲツガもミナトの後を着いていく。アリス達、テイマーたちもその後をちょこちょこと歩き始めた。
ページ上へ戻る