闇と炎の蓬莱伝
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闇翼ーdarkness wingー
act1
御影は底の見えない闇に墜ちていた。
その底にはうっすらと黒い牙が見える。
御影(これで…………やっと皆の所に行ける)
妹紅「御影ぇ!!!!!!」
閉じかけた瞳が炎の翼を映し、見開くとそれはここにいない筈の妹紅だった。
妹紅は墜ちる御影の腕を掴んだ。
御影「アンタは………」
妹紅「お前を死なせるわけにはいかない。もっとも、このまま墜ちても永久に食い続けられるだけだろうがな」
御影「なんで………………なんで死なせてくれないんだよ!!」
御影は短刀を握り、自分の体を
貫いた。
御影「なんで死ねないんだよ。もう俺に生きてる意味なんて無いのに………………復讐は果たした。家族はもういない。帰る家も無い。俺は空っぽなんだ。なのになんで死なせてくれないんだよ!!!!!!」
御影は闇の槍で妹紅を貫いた。
しかし、掴まれている手が離れる気配はなかった。
妹紅「確かに………私は何も知らない他人だ。だけど、お前を放っておけないんだよ」
闇の槍が抜けると傷口がどんどん小さくなっていた。
妹紅「私も……………蓬莱人なんだから」
御影「!!!!!」
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