もう一人のアルフィミィちゃん
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容赦が無い
とっても危ない状態でしたの。原作で知っていたとはいえ、ゼロの御蔭でなんとか間に合って良かったですの。しかし、A.S.R.S.(アスレス)搭載型のエクスバインは反則性能ですの…………まあ、この子はそれすら見分けられるので、問題無いですの。
っと、こんな事をしている暇は有りませんの。
「お兄様、大丈夫ですの?」
『うっ、うん…………アルフィミィなの?』
「そうですの」
『それは…………いや、何だかあの戦艦に運んでくれって言ってるけど…………大丈夫?』
「問題有りませんの」
マリューの指示でだと思うので、そのままこの子でアークエンジェルに乗り付けて差し上げますの。
「何だ、あの機体は…………報告には無いぞ」
「Gと同じ設計みたいですが…………」
「ラミアス大尉、これはいったい…………」
「わからないわ。ただ、言える事は地球連邦軍が作った機体では無いって事ね。私達はGの開発にかかりっきりだったから…………そんな事ができそうな子には心辺りがあるけど…………」
そんな会話が聞こえて来るですの。着艦は一番遅かったので、仕方無いですの。
「とう、ですの!」
ハッチを開けて、飛び降りるですの。
「「「なっ!?」」」
くるくると回転して、着地してポーズを決めますの。
「難点ですの?」
「う~ん、7点かな」
「くっ、辛口ですの…………」
「いっ、痛くないの?」
「ミリアリア、痛いに決まってるですの」
足が痺れますの。まあ、痺れる程度で済んでる時点でこの身体はおかしいですの。
「動くな!」
「バジルール少尉!」
銃をこちらに向けてくる軍人さん達…………死にたいですの?
と言ってやりたいですが、我慢ですの。
「お前は何者だ。そして、その機体はなんだ!!」
「聞かれたらなら答えてあげるのが世の情けですの。聞いて驚け、見て笑え、この子はGの開発データを元にモルゲンレーテが…………アルフィミィが作り上げたGの発展強化型機体ですの!!」
「なんだとっ!!」
「嘘でしょ…………」
「うわぁ…………」
「Zoning and Emotional Range Omited System(領域化及び情動域欠落化装置)を搭載する事によってストライクの数倍から数十倍の戦闘能力を発揮するですの! そう、この子の名はエピオン!! イージスと同じく変形出来る優れものの機体ですの!」
色は黒ですが、問題無いですの。だって、オーバードライブ時には真っ赤に光るですの。
「あ、当然のごとくこの子のデータ取りは許さないですの。思いっきりプロテクトもかけてますし、カウンタープログラムも入れているので、艦のシステムをダウン、もしくは破壊されたくなければ何もするなですの」
「修理や整備はどうするんだよ?」
「ふっ、この子にはほとんど必要無いですの。ナノマシンが自動修復してくれるので問題無しですの」
まあ、ナノマシン以外にもアインストが入っているのですが、知らぬが仏ですの。
「ああ、それと…………私とお兄様はコーディネイターですが、喧嘩売ってくるなら、1000倍くらい利子付けて叩き返して差し上げますの」
「銃をおろしなさい。信じられないでしょうけど、その子に銃は効かないわ。飛んでくる銃弾を避けたり斬り落としたりするんですもの」
「馬鹿なっ!」
「ちなみにこの服はPS装甲と同じ物は…………入って無いですが、ナノマシンで構成されているので銃弾程度は軽く弾く程硬いですの」
「んで、取りあえずはその機体は置いとくとして、これからどうするよ?」
「それは…………」
「こちらから命令させて貰いますの」
「なんだとっ!!」
「即刻、ヘリオポリスから退去を求めますの。理由はザフトからヘリオポリス全体に発信されている映像ですの」
携帯を取り出して、音量を最大にすると、ザフトからルリちゃんの声が聞こえてくるですの。
『繰り返します。オーブ連合首長国は地球連邦軍と共同して、人型機動兵器、モビルスーツをこの中立であるコロニーで作っていました。現在、流している映像はその証拠です』
工場区から、密談の映像までどんどんネットに流れて行くですの。
「なんだこれは!」
「まずいわね…………」
『我々、ザフトはこの映像及び証拠書類などを元にヘリオポリスは中立のコロニーなどでなく、約定を破棄して地球連邦に加入したと判断しました。よって、軍事施設に対する武力による制圧作戦を決行しました。ですが、出来る限り民間人の方々に被害がでないようにコロニーに損害を出す程の装備を禁止していたというのに、地球連邦軍はヘリオポリスを破壊するような身勝手な行動を起こしました』
そして、流れるのはアークエンジェルからシャフトに向けて放たれたミサイルの映像ですの。そして、それを止めるザフト所属のエクスバインの映像…………しまいには戦艦並の砲撃をコロニーに向けて放つ地球連邦軍のモビルスーツと続いてるですの。
「うっ、嘘…………」
『コロニーへの破壊は我々ザフトが防ぎました。そして、地球連邦軍は卑劣にも民間人の皆さんやコロニーを人質にヘリオポリスに立てこもっています』
「言いがかりだ!!」
「でも、巻き込まれた民間人はそう思ってくれませんの」
ルリちゃん、容赦無いですの。
「そうね。してやられたわ。こうなってしまえば悪役は私達ね。いえ、そもそも中立のヘリオポリスでGを作った時点で駄目なのでしょうけど…………」
『我々、ザフトは巻き込まれた皆さんの命を優先します。救助の為の部隊や増援も直ぐに到着致します。ご不便をおかけしますが、もうしばらくお待ちください』
「という事で、このままだと内側からも外側からも御陀仏になるですの」
「そんで、君は俺達がヘリオポリスから退去しなければ、俺達を倒してザフトにアークエンジェルとストライクを引き渡すつもりか?」
「なっ!?」
「それも一つの手ですの。少なくとも一部の者が勝手にした事という事になりますの」
「そんな事が通用するか」
「そう、普通は通用しないですの」
「だが、地球連邦軍の最新鋭艦であるアークエンジェルとストライクを手土産にすれば少なくとも、まともな交渉が出来るって所か?」
「イグザクトリーですの。その場合、皆さんの安全は保証するとモルゲンレーテを通じてザフトより連絡を受けてますの。なので、投降か出て行くか、好きな方を選ぶですの」
原作のザフト連中は広報部や諜報部などの情報戦が全然なって無いですの。そっちもちゃんとやって鍛えてるのですの。
「ザフトにアークエンジェルとストライクを渡すわけにはいきません。ですが、このままここに止まる訳も行かないでしょう。アークエンジェルの発進準備が整い次第、発進させます。せめて、増援が来ない内に突破しましょう。アルフィミィ、手伝ってくれるわね?」
「アルフィミィ…………」
「お兄様達と降りたいのですが、まあ途中まではお付き合いしてあげますの。エピオンの実戦データも取れるので、無駄では有りませんの」
さてさて、どこで効果的に裏切って差し上げるか、悩むですの…………フフフ。アルフィミィちゃんは悪女ですの。
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