もう一人のアルフィミィちゃん
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アークエンジェルは妖精さんの支配下に置かれるそうですよ? ①
ラウル
「それで、これはどういう事かな?」
「これというのは?」
「あの最後に出てきたGが持っていたのはロシュセイバーと同じ物だろう。あの技術は君達が管理しているはずだが?」
「ああ、アレですか。あれは隊長が適当に作った機体ですよ」
「評議会最高顧問があちらに居るのかね」
「ええ。目的は敵の新型機動兵器の調査とデータ収集ですからジンとかシグーとかは破壊されても問題ありませんよ」
「実戦データが欲しいのか。脱出を優先させているのはその為か」
こいつが乗ってきた時から何かあると思っていたが、こうも面倒な事だとはな。
「という訳で、アークエンジェルが出てきたらスルーしてください。ヘリオポリス近郊での手出しは禁止です。それとプラントから接収部隊がやってきますのでその受け入れですね」
「ならガモフに追跡させるか。艦長、連絡を頼む」
「了解しました」
「ああ、それとクルーゼ隊は部隊が来た後は本格的にアークエンジェル追跡任務と特殊任務についてもらいます。少し遠出する任務ですが補給物資は潤沢に持ってきているので問題ありません」
「持ってきている、か。了解した」
評議会最高顧問の部下である小娘の戦力は無人艦だ。それも高性能な物だ。ならば予想はできる。
「あっ、ガモフにはくれぐれもアスレスを使わないようにお願いしておいてください」
「わかりました」
まあ、今は従ってやろう。薬を貰っているからな。
「それとクルーゼ隊長」
「なんですかな?」
「隊長から渡されたクローン技術が本国で一応の完成を迎えたそうです。働き次第では隊長が用意してくれるそうですよ。新しい身体を」
「それは頑張らないといけませんね」
「はい。楽しいげ……こほん。戦争はこれからです」
「ふふふ、確かにその通りですな」
無事にヘリオポリスを脱出したアークエンジェルは原作ならそのままアルテミスへと進路を取るのですが、アルテミスは既にザフト軍の手によって陥落しており、ザフトの拠点となっているのでそれもないのです。それに救命ポットも出ていないので女狐とお兄様の邂逅もないですの。やったですの。そして、現在、お兄様が歌姫ちゃんを拾ってきたのです。え? 襲撃はどうしたって? 適度に喧嘩を売られては買ってますの。ちなみにアルフィミィは隠れておりますの。だって、あの子とは会った事もあるですの。
しばらく隠れていても、どうしても出会ってしまうですの。展望台でお兄様と歌姫がイチャラブしている所にばったりと。だって、こっちは隠れながら寝ていたらいつの間にかハロが来ていたですの。
「あら、貴方様は……」
「あれ? アルフィミィはラクスと知り合いなの?」
「ええ、あちらで懇意にさせて頂いてますの。お兄様、少し女の子同士、2人だけでお話してもいいですの?」
「わかった。じゃあ、外で待っているね」
「お願いしますの」
お兄様を見送った後、改めてラクスを見ますの。
「まさかこのような場所でお会いする事になるとは思いませんでしたわ」
「ふふふふ、それはこちらも同じですの。一体どういう事ですの?」
ユニウス7の被害は防いだはずですの。なのに何故ですの?
「ユニウス7への核攻撃によって散っていた軍人さん方への追悼式典の為ですわ」
「そっ、そんなのするですの!? 聞いてないですの!」
「そのような事を知らせるまでもないという事ではないでしょうか……?」
「何考えてやがりますの……今は戦時中ですのよ?」
「民間団体が企画したようで、賛同者が多くて政府も抑えられないようです」
しまったですの。勝ち過ぎたですの。圧倒的な制作速度となった食料生産力と医療技術の向上による出産ラッシュ。そして、外敵がほぼプラント周辺から消滅した事によって安全を得た国民の浮かれぐわい。連中、戦時中ってわかってないですの。
「もういいですの。とりあえず、私の事は内緒ですの。まだやる事があるので、くれぐれも秘密ですの」
「わかりましたわ」
「では、私はねますの。お兄様に送ってもらうといいですの」
「はい。キラが待っておりますものね」
ハロを抱いて出て行くラクスを見送り、暇をつぶすですの。
それから、少ししてナタルがラクスを人質にして停戦。お兄様が反発してラクスを連れて引き渡しに向かいましたの。
「嬢ちゃん、すまんが出る準備をしてくれ! 絶対にクルーゼは仕掛けてくるからな」
「了解ですの」
ムウの指示に従ってエピオンに乗って待機する。
「レッツショータイム、ですの」
『何か言ったか?』
「いいえ、何も」
クスクス、これからが本番ですの。本当はもう少し引き伸ばしたかったのですが、ラクスのせいできっとばれますの。なら、やってしまうですの。ふふふ、ルリルリにコードを送信して完了ですの。
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