仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの
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第二章
何はともあれだった。火野はあらためて比奈と知世子に言った。
「けれどまずはですね」
「そうね。財団のことね」
「あの組織のことを聞かないとね」
「アンクのことも」
ひいてはだ。彼のこともだった。
「色々聞かないとね」
「そうよね。本当に聞かないといけないことが多いわね」
こう話してだった。店は知世子が残ってだ。
そのうえで火野と比奈で鴻上ファウンデーションに向かうことになった。そうして店を出たところでだ。火野はこのことについて比奈に尋ねた。
「ところで信吾さんは」
「兄さんは警察官に復職して頑張ってるわ」
「そうなんだ」
「ええ。けれどアンクのことはね」
「それは覚えてるんだね」
「アンクに乗り移られていた時のことは覚えていないけれど」
この時はあくまでアンクだ。それなら彼が覚えていないのも当然だった。
その話をしてからだ。さらに話す比奈だった。
「それでもアンクのことは聞いてるから」
「そうだね。知ってるよね」
「そう。そのうえで警察に戻ってるの」
「お兄さんも元気だったらいいよ」
火野はそのことに素直に喜びを見せた。そのうえでだった。
あらためて比奈に頷いた。そうした話をしてだった。
彼等は鴻上ファウンデーションに着いた。そして会長室に来るとだ。
「よっ、暫く」
「よく来てくれたな」
伊達明と後藤慎太郎の二人のバーズ達がだ。それぞれ二人に挨拶をしてきた。その中で伊達を見てだ。
火野はだ。少し驚いた顔になって言うのだった。
「伊達さんもう海外には」
「ちょっとな。バーズの仕事もあるしな」
「だからですか」
「今は日本に留まってな」
そのうえでだというのだ。
「医者としても頑張ってるさ」
「そうですか。そうされてるんですね」
「俺は同じだ」
後藤は真面目な顔で火野に答えた。気さくな感じの伊達とは好対象になっている。
「ここでバーズとして働いている」
「そうですよね。じゃあお二人もですね」
「グリードが何時出て来てもいいようにしてるさ」
「トレーニングも行っている」
そうした準備も欠かしていないと話す二人だった。そしてだ。
その彼等のところに鴻上の秘書でもある里中エリカが来てだ。火野達だけでなくだ。
伊達と後藤にもだ。こう言ってきたのだった。
「では会長のところに来られるのですね」
「はい、実はその為にここまで来ました」
火野は真面目な顔でエリカの問いに答える。
「少し御聞きしたいことがありまして」
「っていうと財団だよな」
伊達はおおよそだが火野の考えていることを察して言ってみせた。そしてそれはその通りだった。伊達の勘は中々のものだった。それを発揮したのだ。
それでだ。また言う彼だった。
「あの連中のことはよくわかっていないからな」
「俺も気になってはいる」
後藤はその眉をやや顰めさせて述べた。
「あの連中が何なのかな」
「そうですよね。私達の敵であることは間違いないですけれど」
それは確実だとだ。比奈も察してはいた。
しかし財団のことが全くわからずだ。それでなのだった。
「それで会長さんに御聞きしたいと思いまして」
「会長は何処ですか?」
火野はエリカに鴻上の居場所を尋ねた。
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