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仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの

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第三章

「何処におられますか?」
「はい、こちらにおられます」
「こちらに?」
「はい、この部屋におられます」
「けれど」
 エリカにそう言われてもだった。火野はだ。
 いつも鴻上のいる会長の執務用の机の場所を見た。しかしだ。
 そこにあるのは机と一面のガラス窓だけだった。他には何もない。
 そういったものを見てからだ。また言う彼だった。
「いないですけれど」
「おられます」
「というとまさか」
「会長、準備はできましたか?」
「うん、里中君」
 エリカが尋ねるとだ。ここでだった。
 鴻上光生の声がした。そしてだ。
 己の秘書であるエリカにだ。こう言って来たのだった。
「でははじめよう」
「わかりました。それでは」
 エリカも応えるとだ。ここでだった。
 部屋が急に暗くなりだ。執務用の机にだ。
 上から、各方向から七色のサーチライトが照り机の場所を照らす。その照らされる中にだ。
 鴻上が後姿を現わしてきた。今日も見事なスーツを着て右手にはグラスがあるのが見える。彼はそうして何処からともなく姿を現わしてなのだった。
 その光の中で火野達に身体を向けて来てだ。こう叫んだのだった。
「素晴らしいじゃないか!」
「あの、素晴らしいって一体」
「何が素晴らしいんですか?」
「君達が私のところに来てくれたことがだよ」
 こうだ。火野と比奈に答えてだ。
 そのうえで右手に持っているグラス、赤ワインが入っているそれを掲げてだ。そして言うのだった。
「そのことが非常に素晴らしいのだよ」
「あの、俺達はただ」
「財団のことを聞きに来ただけですけれど」
「あの財団のことか」
 財団と聞いてだ。鴻上はだ。
 既に知っているといった顔でだ。二人に言ってきたのだった。
「私も全ては知らないのがな」
「けれど御存知なんですね」
「少しだがな」
 こう断る鴻上だった。そのことを言っている間にだ。
 部屋は明るくなりサーチライトも消えていた。そしてだった。
 明るさが戻った部屋の中でだ。何処からか出て来たデコレーションケーキ、様々な種類のものがテーブルの上に置かれたそれを前にしてだ。言ったのだった。
「知っている」
「じゃあ一体あの財団は」
「どういった組織なんですか?」
「まずだ。黒幕がいる」
 鴻上はその存在から話した。
「そしてその黒幕は人間ではないのだよ」
「人間ではないのなら何なんですか?」
「グリードですか?」
「グリードではない」
 そうではないというのだ。火野達がこれまで戦ってきただ。
 そしてだ。鴻上は彼等でもないと話す。その彼等とは。
「ドーパメント達でもない」
「確か風都に出ていた?」
「あの連中でしたね」
 ドーパメントと聞いてだ。伊達と後藤がだ。
 顔を見合わせてだ。そして話したのだ。
「あの街のことは俺達はよく知らないけれどな」
「あの街で暴れていたんですよね」
「財団は彼等ドーパメントを操っていたミュージアムのスポンサーだったのだよ」
「ああ、スポンサーならな」
「ですね、黒幕である筈がないですね」
 伊達と後藤もこのことはすぐに察した。そしてそれはだ。 
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