自由の灯り
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第十四話
前書き
今回はオリジナルキャラが登場します
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした。この後はどうするのですか?」
「とりあえず依頼を受けようと思う」
ヴェントはそう言い残し、食堂を出ていった。
依頼を受けるためアンジュの居るホールに着くと、アンジュは依頼の束を見ていた。
「アンジュ、何か依頼ないか?」
ヴェントがそう訪ねると、
「丁度いいわ、それじゃこの依頼を受けてくれない?」
と、言いながら一枚の依頼を差し出す。
依頼内容は、かなり簡単なコンフェイト大森林に生息する魔物の討伐だったので、ヴェントは一人で依頼を受けると、そのままコンフェイト大森林に向かう。
コンフェイト大森林を歩いていると、ヴェントは少し前の自分を思い出していた。
「一人で依頼を受けるのは久しぶりだな、夜までには終わらせるか」
森に吹く風を肌に感じながら、ヴェントは依頼内容を再び確認し依頼を始めた。
3時間後
ヴェントは休憩を挟みながら、魔物を討伐していき後五体で依頼は完了だった。
「せいは!」
今、一体の魔物を倒し、後四体になる。
「ふう、さすがに一人だと疲れるか」
ヴェントは何度目かわからない休憩をとる。
腰に付けていた水筒を取り、口に水を流し込む。
疲れきった体には心地よく体の癒しになった。
後少しで依頼は終了なので、ヴェントは少し休憩をすると立ち上がり、再び依頼を始めようとする。
そんな時だった。
「きゃあ!どいて!どいて!どいてぇ!!」
「っは?」
ドゴン!!!
ヴェントは後ろを振り向くと、何者かとぶつかりそのまま地面にのし掛かれるように倒れ、ぶつかった音が森の中に響いた。
「いっつ・・・」
「いたたた、ごめ~ん、大丈夫ですぅ?」
ヴェントはのし掛かっている人物を見上げる。
のし掛かっていたのは、青髪でロングヘアーの少女だった。
少女はヴェントに謝りながら、ヴェントの上から降りてヴェントを起こす。
「お前は誰だ?」
「あたし?あたしはキャナル・クェーネルですぅ~、よろしくですぅ~♪」
キャナルは澄んだ黄色い瞳でヴェントを見ながら、自己紹介するとヴェントもキャナルに自己紹介をする。
「俺はヴェント・デュランだ。・・・テンション高そうだな?」
「もちのろんですぅ~♪あたしはいつも明るく生きるですぅ~♪」
キャナルは右手を顔に近づけピースをしながら答えると、ヴェントは次に何故ぶつかって来たのか聞くことにした。
キャナルはヴェントの質問を聞くと、満面の笑みで答える。
「いや~、道に迷ってしまって、動き回ってたら魔物に襲われたんですぅ~、何とか魔物は振り切ったけど、そしたら目の前にヴェントがいたんですぅ~」
キャナルは舌を出しながら、頭を掻く。
「そうか、それじゃ」
ヴェントはこれ以上問題が起きる前にキャナルから逃げようとするが、現実は甘くなかった。
何故かキャナルはヴェントに付いていき、いつまで歩いても離れることはなかった。
いい加減疲れたのか、ヴェントはキャナルが付いて来るのを聞くことにした。
「何故付いてくる?」
「いや~、せっかく出会ったのでこれも何かの縁ですぅ~、仲良くしようですぅ~♪」
「断る」
ヴェントは即答するが、それでもキャナルは離れようとせず、そんな会話をしてる間にヴェントとキャナルは魔物の群れに囲まれてしまう。
「っち!仕方ない闘うか、お前は後ろに下がってろ」
「はいですぅ~♪」
ヴェントはキャナルを後ろに下げると、魔物の群れに居るウルフを初めに倒すことにした。
「まずはお前だ!魔神拳!」
ヴェントは素早く手甲を装備すると、拳を振るい地面から衝撃波を放ちウルフを襲う。
ウルフは素早い動きでそれをかわすが、かわした先にはヴェントが目の前に迫っていた。
「遅い!三散華!連牙弾!!」
三度相手を殴りつけてからの拳と足を合わせた連続攻撃がウルフを襲い、ウルフはまともに攻撃を喰らい地面に倒れ動かなくなる。
「よし!一気に攻める!」
「ヴェント~、危ないですぅ~」
「っはい?」
一瞬何を言われたのかわからなかったがすぐにヴェントはキャナルの言葉を理解した。
「ぐるぐる回れお水♪洗濯機のように洗い流せ~、タイダルウェイブ♪」
キャナルはあまりにも速いスピードで魔方陣を描き、詠唱を終らせると、ヴェントが居るのにも構わず水の上級魔術を放つ。
ヴェントは間一髪、術防御を張り魔術の直撃を避けるが、それでも体はボロボロになり全身はずぶ濡れになってしまった
巨大な波が消え魔物が完全に居なくなるのを確認すると、キャナルは嬉しそうにピョンピョン跳び跳ね、ヴェントは無言でキャナルに近づく。
「いぇ~いですぅ~♪」
「・・・馬鹿野郎」
「あだ!」
「俺も巻き込むんじゃねえ!それにお前闘えたのかよ!?」
「あぅ~」
ヴェントはキャナルに拳骨しながら叱ると、キャナルは両目に涙を浮かべながら頭を押さえる。
「痛いですぅ~」
「お前が悪い、それと俺はさっきの魔物で依頼は終わったから船に戻る、お前とはお別れだ」
ヴェントはそう言いながらキャナルの腕を引っ張り、コンフェイト大森林の出口まで連れていくと、そのままキャナルを置いてバンエルティア号に戻ろうとするが、キャナルがヴェントの裾を掴みヴェントは溜め息をつく。
「何なんだお前は?ここで別れるっていっただろ?せっかく出口まで案内したのに」
「いいじゃん♪せっかくだしあたしもヴェントの船にいくですぅ~♪」
「っはあ!?」
ヴェントの叫びがコンフェイト大森林に響く。
「はい、これであなたもアドリビトムの一員よ」
「よろしくですぅ~♪」
「はぁ・・・」
あの後、ヴェントは必死に拒み続けたが、最後は折れてしまいキャナルをバンエルティア号に連れていくことになった。
そんなキャナルは今アドリビトムの一員となった。
「部屋は何処がいいかしら?」
「それならヴェントの部屋に行くですぅ~♪」
「おい!ちょっと待て!これ以上俺に迷惑かけるな!」
ヴェントの叫びは虚しく、アンジュは面白そうにキャナルをヴェントと同室にしキャナルは早速ヴェントの部屋に向かって走り出した。
ヴェントは溜め息をつきながら、今日依頼を受けたのを後悔した。
続く
後書き
オリジナルキャラが出ました
結構話作るの大変ですぅ~
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