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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡

作者:ブレイア
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第19話 魔王襲来ですよ?

 
前書き
はぁ、気付いたらGW最終日
何もしてねぇ

という訳で更新です 

 
ギフトゲーム名:アンダーウッドの迷路

・クリア条件 1 プレイヤーが大樹の根の迷路より野外に出る
      2 対戦プレイヤーのギフトを破壊
      3 対戦プレイヤーが勝利条件を満たせなくなった場合(降参含む)

・敗北条件  1 対戦プレイヤーが勝利条件を1つ満たした場合
      2 上記の勝利条件を満たせなくなった場合


上下左右、その全てが巨大な木の根に囲まれている大空洞
耀とヴォルザを起動させた修也は対戦相手である
ウィル・オ・ウィスプのアーシャ=イグニファトゥスとそのギフト、ジャック・オー・ランタン
と向かい合っていた

審判権限(ジャッジマスター)の名において。以上が両者不可侵であることを、御旗の元に契ります。御3人とも、どうか誇りある戦いを。此処に、ゲームの開始を宣言します」

黒ウサギの宣誓と同時にゲームが開始された

「睨み合っても始まらねえ、先手は譲るぜ」

アーシャが耀と修也に言う

「貴方は…ウィル・オ・イスプのリーダー?」

「え? あ、そう見える? なら嬉しいんだけどな♪ けど残念なことにアーシャ様は」

「そう、分かった」

それだけ言って耀は背後の通路に向かって疾走していった
自分から始めた会話をほっぽり出して逃げ出した耀にしばし唖然とするアーシャ

「お………オォォウケェェェェェイ! 行くぞ! ジャック! 木の根の迷路で人間狩りだ!」

「ヤホホホォォォォォウ」

「そうはさせない!」

「は?」

先に行っているはずの修也の声が聞こえた

「ヴォルザ……」

声は上から聞こえた
アーシャが見上げると右腕を振りかざしたまま落下する修也がいた

「ゲホイル!」

修也の落下地点には青い球体が浮かんでおり、それを修也は思いっきり殴った
すると、辺りを閃光が包み、爆音が響く
思わぬ閃光に腕で目を隠すアーシャ

「時間稼ぎは俺がやらせてもらうぜ」

修也は穂先が赤い槍を召喚させ、アーシャに向ける

「行け! バスターファランクス!」

修也は槍を投擲する
投擲された槍はその数を増やし、アーシャの視界を覆うほどになる
弾幕ならぬ槍幕だ

数秒としないうちに槍はアーシャを襲う
着弾地点から煙が上がる

そして、その煙が晴れると

「大丈夫ですか? アーシャ」

「ありがとう、助かったよ。ジャックさん」

ジャック・オー・ランタンを盾にして無傷のまま立っているアーシャだった

「先に行きなさい、アーシャ。この方は私がお相手をします」

体のあちこちを槍で貫かれ、ボロボロになっているもののそれは修復し始めていた

「悪いねジャックさん。本当は自分の手で優勝したかったけど……」

「それは貴女の怠慢と油断が原因。猛省し、このお2人のゲームメイクを見習いなさい」

「うー……了解しました」

アーシャはしぶしぶといった様子で頷き、その場から離脱する
修也はそれを無視した

「おや? アーシャを逃がすのですか?」

ジャックは不思議そうにカボチャ頭を傾げて言う

「ああ、耀はアイツには負けないだろうからな。たとえ地精が相手だろうと決して引けを取らない」

それにと修也は続ける

「その修復速度、お前はアーシャ=イグニファトゥス作のジャック・オー・ランタンでじゃない。
――――生と死の境界に権限せし大悪魔、ウィラ=ザ=イグニファトゥス作の世界最古のカボチャ悪魔、
不死の怪物、ジャック・オー・ランタンだろ?」

ジャックは驚いたような口調で言う

「その通りです。あなたのお名前をお聞きしても?」

「いいぜ、俺はジン=ラッセルのノーネーム所属の召喚剣士、源修也だ」

「まさか、このような人材がノーネームに所属しているとは…いいでしょう、聖人ペテロに烙印を押されし不死の怪物――――このジャック・オー・ランタンがお相手しましょう!」

ジャックはランタンを掲げ、戦闘体制に入る
修也は拳を構え、叫ぶ

「ヴォルザ! フルドライブ!」

《イグニッション》

ドン! と修也から魔力が放出され、ジャックを少し後退させる
ジャックは再び油断無く構え、ジャックの頭上に7つの業火(ゲヘナ)が宿るランタンが出現し、蓋を開くと同時に荒ぶる炎が零れ落ち、膨らむ

「ヴォルザ! カートリッジ、フルロード!」

修也は叫ぶ
修也の腰にあるマガジンからカートリッジが左右4個ずつ、計8個排出される
すると、ジャックから放たれる熱とは相反する冷気が修也の体から放出される

「大・炎・上!!」

「爆・氷・拳!!」

ジャックからは大地を焦土と化す業火が
修也からは大地を凍土と変える絶対零度の冷気が
放たれ、爆発する

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

爆発に飲み込まれ、会場の破壊でゲーム続行不可
よってギフトゲーム【アンダーウッドの迷路】は一時中止となった


「「修也(ジャックさん)やりすぎ!」」

「「すみません」」

ジャックの召喚した地獄の炎と修也の絶対零度の冷気による爆発の余波に巻き込まれた挙句
ゲームを一時中止にまで追いやられた耀とアーシャがその原因である修也とジャックを叱っていた
その時、空から黒い封書が落ちてきた
上空から雨のように撒かれた黒い封書。それに気付いた辺りが騒がしくなる



ギフトゲーム名: The PIED PIPER of HAMELIN

・プレイヤー一覧 現時点で3999999外門・4000000外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ。

・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター 太陽の運行者・星霊、白夜叉。

・ホストマスター側勝利条件 全プレイヤーの屈服・及び殺害。

・プレイヤー側勝利条件、一、ゲームマスターを打倒 
            二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 宣誓、上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                             グリムグリモワール・ハーメルン印

                                 
「魔王が……魔王が現れたぞぉぉぉぉぉ!!」

そう叫んだのは誰だろうか?
観客席にいた全ての人がパニックに陥った

一番最初の変化は特別席のバルコニーで起こった
突如白夜叉を黒い風が包み込み、他の者は一挙に外まで弾き出される
ノーネームは舞台側へと飛んだ

「魔王が現れた……そういうことでいいんだな?」

「はい」

飛鳥を抱きかかえて舞台へ着地した十六夜が訊ねると、黒ウサギが真剣な面持ちで頷く

「皆! あれ!」

耀が指差した先には3人の人影が落ちていた
恐らく、魔王の仲間だろう
十六夜は「任せたぜ」といって1人、その人影の元へと飛び上がった

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

時はほんの少しだけさかのぼり
境界門上空に4人の人影があった

「さあ、ゲームを始めるわ」

斑模様の衣服を身に纏った少女が言う

「「「イェス、マスター」」」

少女の言葉に返事をしたのは3人の男女だ
共通するのは3人とも大きさは違えど笛を持っていることだろう

「手はず通りにお願いね?」

「おう、邪魔する奴は?」

自分の身長ほどもある笛を持った黒い軍服を身に纏った男性が言う

「殺していいよ」

「イェス、マスター♪」

二の腕ほどの笛を持った露出の多い白い装束を身に纏った女性が言う

「マスターも気をつけて」

男性ほどではないが大きな笛を持った金髪に獣耳をつけた女性が言った

 
 

 
後書き
武器説明

・バスターファランクス

穂先が赤い槍
主に投擲して使い、一定の速度以上で実体を持った分身ができる
分身の数は速度によって変わる
また、分身は着弾から3秒で消える
修也は万物浮遊を使って速度を上げる

技説明

・ヴォルザゲホイル

魔力球を殴って閃光と爆音を放つ魔法
攻撃性は皆無だが相手の気をひきつける、目の前から逃走するなどの時に使える
アイゼンゲホイルやクラールゲホイルのような魔法

・爆氷拳

絶対零度の冷気を放出する魔法、フルドライブ時にのみ使用可能で修也の持つ魔法の中でもトップクラスの威力を誇る 
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