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ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~

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異なるの物語との接触~クロスクエスト~
  二人の頂 VS 天使の頂(前編)

 
前書き
  

 
「さぁ~て・・・どんなモンスターが待ってるのかな?」
「楽しませてくれないと許さないぜ?」
 
 最強の剣士の称号、レベル250越えの力を持った二人の剣士は、扉を開けた。二人とも、各世界の最強なだけあって、セリフに込められた自信がうかがい知れる。

 
 扉の奥にあったのは、あまりにもまぶしい礼拝堂。

「すげーな・・・」
「ほんとにダンジョンか?」

 
 しかし、その疑問はすぐに解消される。突如として、空中にものすごいデータ圧。

「!!!」
「来たか・・・っ!」

 
 凝縮した光が爆散し、この部屋のヌシが現れる。

 八枚の雄々しい羽根。金色の長い髪をなびかせた天使。カラーカーソルと、八段構成のHPバー、そしてネームタグが表示される。
 
 《The-Arcangelia-Mikaero》・・・大天使ミカエル。

「へぇ」
「聖書の天使の長ってわけか・・・。面白い」

 二人は同時ににやり、と笑うと、それぞれの得物を準備する。

 ソレイユは腰から、雄々しい長刀を抜き放つ。レジェンドクエストで手に入れたアインクラッド最強の刀、《天凰フェニクニス》。

「ビットスタンバイ」

 シャノンが呟くと、コートの裾から、《太陽剣》の専用武器、ビットが飛び出す。そしてそれらを、抜き放った巨剣にまとわせ、決めゼリフ。


「さぁ、はじめようか!最強にふさわしい戦いを!!」


                      *

 
 彼らの戦い。それはあまりにも壮絶すぎる、と言ってよかった。

 現在に至るまで、ミカエルは何もしていない。否、できていない。


「ふっ・・・」

 ソレイユの刀がオレンジの光を纏う。片手剣十連撃技、《ノヴァ・アセンション》。破格のスピードでミカエルを打った十の斬撃が収まると同時に、次のソードスキルは発動している。

 短剣用剣技、《ブルート・スカッシュ》。十四連撃の神速の剣技。本来ならばこの技は短剣の技だ。しかしソレイユの剣は刀。それも相当に長い、長刀。凄まじいスピードで、なおかつ離れたところからの攻撃。

 再びの連携剣技。今度は両手用槍技《メメント・スパイク》。重量多可の攻撃。凄まじい威力の一撃が、ミカエルのHPを削った。

 これこそが、《漆黒の剣聖》ソレイユの持つ、アインクラッド最高のユニークスキル、《剣聖》。自分の獲得している武器スキルのソードスキルを、スキルディレイなしで、自由に使うことができる。

 同じ武器で違うスキルを繰り出すのであれば、セモンの《神話剣》と似通ったところがある。しかし、あちらは威力を重視したスキルだ。《神話剣》が《力》のスキルなら、《剣聖》は技。アインクラッド最高の剣術使いに与えられた、究極のユニークスキル。


「ははっ・・・。さすがだ、《剣聖》・・・。僕も負けてられないね」

 シャノンはソレイユの戦いをひとしきり見たのち、呟く。同時に巨剣を《ヴォ―パルストライク》と同じ構え方で構え、同時に左手を刀身に添える。

 《帝王剣》《太陽剣》の複合技は、技名の発声をコマンドとする。今回の技は・・・

「《シャーマンリィ・ストライク》」

 ズン!!と大気が揺れる。一瞬でミカエルに接近したシャノン。いつの間にか凄まじいインパクトが弾け、ミカエルの後ろに立っている。


 ミカエルのHPバーは、戦闘可視からに十分を待たずに、残り一本となってしまった。


 強い。これが、レベル250超えの力。


「なんだぁ?天使の長がこんなもんか?」
「もっと楽しませろよな~」

 挑発。それをシステムが認識したかどうかはわからないが、ミカエルの纏う気配が変わった。同時に金色の光。

「!」
「おお・・・」

 ミカエルの八枚の羽根に光りが宿り、七色の巨砲が照射される。

 しかし。


「遅いなぁ」
「見切れない速さじゃないな」

 その砲撃は、あっさりと避けられた。


「これで」
「終わりだな」

 
 シャノンの巨剣とソレイユの長刀が、それぞれ光を纏ってミカエルを切り裂く。

「・・・《バースト・ブレイク》」
「《剣聖》二連撃技・・・《グランド・クロス》」


 ずがぁああん!!と言う激しいエフェクトサウンドが鳴り響き、激しく光りをまき散らしながら、天使の長はあっさりと四散した。


「なんだよ。この程度か」
「つまんねーの・・・」


 そこまで言いかけた時。不意に、部屋が暗くなった。今万で聖堂を照らしていた明るい光が消えて、邪悪な、闇が満たされた。

「!?」
「なんだ?」


 先ほどまでミカエルのいたところに、再びポリゴン片が集まる。しかしそれは、神々しい光ではなく、まがまがしい光。


 閃光。再び世界に光が戻った時、そこに立っていたのは・・・。

 
 先ほどまでは純白だったドレスを漆黒に変えて、真っ黒に染まった()()()羽をはためかせる、ミカエルだった。

 再びカラーカーソルが表示され、HPバー・・・今度は六本・・・が伸びる。そして、最後にネームタグ。そこに記されていたのは、先ほどとは違う名前だった。

「・・・!」
「へぇ・・・。楽しませてくれるじゃねぇか」

 
 《The-FallenAngelia-Mikaero》・・・堕天使ミカエル。 
 

 
後書き
 と言うわけで、シャノン&ソレイユ君が天使の長を瞬殺!・・・と思ったら復活?!
 さてどうなる次回! 
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