ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~
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異なるの物語との接触~クロスクエスト~
氷の剣士&重覇震剣 VS 神託の天使(後編)
それは、唐突に起きた。
戦闘開始から約一時間。ガブリエルのHPバーは一本目がなくなった時点で回復しなくなり、ガブリエルのHPがついに残り一本になった。その瞬間、今まで不動だったガブリエルに異変が起きた。
その体を、黄金のエフェクトライトがまとい始めた。同時に、今まで背景だと思っていた、大きな棚に収められていた数々の器具が、同じエフェクトを纏って、ガブリエルの近くにやってきた。
そのうちのひとつ。砂時計が逆転し、中の砂が減り始める。同時に、フブキ、メルム、両者のHPが少しずつ減り始める。
「!?」
「これは・・・!?」
ガブリエルの周りに光が舞い始め、凝縮。レーザーとなって照射される。
「くっ!!」
当たってはならない。その予想は大当たりだった。チリッと一瞬だけかすめたレーザーは、フブキのHPを二割近くも奪っていった。
「姉さん!衝撃波をあのレーザーにあてろ!うまくいけば弾き返せるかもしれない!!」
「えぇ!?」
「ああいう攻撃には攻撃のどこかにあたり判定があるんだ。なるべく中心に当てるようにしてくれ!!」
「・・・わかった」
メルムは再度大剣を構えなおす。フブキはアイテムストレージを瞬時に操作。左手に、一本の短剣を逆手で装備させる。
そして・・・ガブリエルのレーザーが照射される。
「今だ!姉さん!!」
「・・・っは!!」
《重覇震剣》専用、超大威力ソードスキル《ブレイク・ヴォルカニック》。ものすごい重圧の衝撃波がレーザーにぶち当たり・・・真っ二つに切り裂いた。
レーザーを散らした衝撃波は、そのままガブリエルに激突。HPを減らす。音のない悲鳴。
そして、いつの間にかガブリエルの下に入り込んでいたフブキの攻撃。
《氷結剣》短剣用ソードスキル、《フロストシグマ》、四連撃。∑の形を描いた斬撃。それは余さずガブリエルにヒット。
ここで注目すべきは、《氷結剣》《片手剣》《短剣》は全く別のスキルだということだ。《氷結剣》が発動している間ならば、《片手剣》《短剣》の両立が可能となる。即ち・・・
「・・・っ・・・りゃぁああ!!」
フブキの片手剣が発光。《片手剣》ソードスキル、《スラント・アーク》二連撃。それをガブリエルにあてる。
スキルコンボ。違うジャンルのソードスキルを組み合わせた攻撃。さらにこのシステム外スキルには、大きなアドバンテージが存在する。即ち――――
硬直時間を、後に使ったソードスキルのものにできるのだ。《スラント・アーク》は初期スキルなので、硬直時間は短い。
ゆえに、次の攻撃ができる。
回復したMPを此処で消費すべく、短剣を準手に持ち替える。
神速の重突進攻撃。《氷結剣》片手剣用突進攻撃《ノーザンショット》。《ヴォ―パル・ストライク》に似たその一撃は、重々しくヒットした。続けて左の短剣がうなる。《フロストショット》の攻撃が、ガブリエルのHPを削っていく。
さらに地面を揺るがす一撃。《重覇震剣》のソードスキルが、ガブリエルをとらえた。
しかし勝利の女神は、簡単にはフブキ達に微笑んでくれなかった。
ガブリエルの周りに会った器具たちが、いったいどうしたことか、猛然とフブキ達に攻撃を開始した。あきれることのそのすべてにHPバーが設置されている。
「ぐう!?」
「フブキ!あれ・・・見て!」
メルムに促されるままガブリエルを見ると、なんとガブリエルの周辺を三冊の厚い本が取り囲み、それぞれ強烈な光を纏っている。さらにその光がガブリエルにかかり、HPが・・・回復していく。
「まずい!一本目まで回復されたら、最初からやり直しになっちまう!!」
「・・・一発、でかいのを叩き入れて一瞬で終わらせるしかなさそうね」
メルムが旋回する。大剣旋回剣技《グラシャインパクト》。器具たちが一斉に破壊される。
フブキもまた、氷片や両手の剣で器具たちを一掃。ガブリエルにターゲットを絞る。
向こうは回復に選任していて気付かない。チャンスは一回。
「ここで・・・」
「決める・・・ッ!!」
爆発的なインパクト。たったのコンマ数秒で距離を詰めて、十の斬撃及び刺突が放たれる。《氷結剣》の現在最上位片手剣用ソードスキル、《アブソリュート・ゼロ》。
のこりHP、九割。回復した。10割。
半歩遅れてメルムの攻撃。大剣にしては多い攻撃、七連撃のソードスキルが叩き込まれる。同時に重圧の衝撃波。《グラビド・ボーテックス》。
のこり3割。
「いっ・・・けぇえええええ――――――――――――!!!」
フブキの両手の剣が一斉に輝く。無数の氷片が展開。同時に攻撃をたたきこむ。
「―――――――――!!―――――――――――――――――――!!!!!!」
その攻撃を余さず受けたガブリエルは、悲鳴を上げて四散した。
「ふはぁ~・・・」
「勝った・・・」
こうして、二体目の大天使が駆逐された。
後書き
次回はいよいよシャノン&ソレイユ君!
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