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子を喰う親

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第二章

「またよ」
「仕事だね」
「明日も多分ね」
「そうした話が来るね」
「それが私達の仕事だから」
 来るのは当然のことだった。
「向こうから来てくれるわ」
「そうしたことが起こらないといいのに」
「それでもよ」
 怒る、残念なことに。
「だから私達でね」
「その嫌な話を解決していく」
「そうするしかないわ」
 二人で話した、そしてだった。
 彼等は次の日早速仕事を受けた、今度の仕事はというと。
 近隣の人からの通報だった、その通報の内容はというと。
 電話を受けたリエがこうヘンリーに言ってきた。
「子供の泣き声が夜も昼も聞こえてきて」
「虐待だね」
「真夜中に外に出されてね」
 これもまた虐待である。
「親はいつも綺麗なのに子供の服は汚くて」
「揃うね」
「しかもね」
 尚且つだった。
「子供の手には傷、顔には痣」
「そこまで完璧に揃うとは」
「疑いないと思うわよね」
「完璧じゃないかな」
 こう言ったヘンリーだった。
「本当にね」
「そうね、じゃあ今から現場に行きましょう」
「場所は何処から」
「ビバリーヒルズよ」
 言うまでもない高級住宅街である。
「そこよ」112
「ヒルズねえ」
「意外かしら」
「いや、別に」
 場所は構わないというのだ。
「それはね」
「思わないのね」
「どんな親でもね」
 この場合や財産や社会的地位は関係ない、そういうことだった。
「虐待をする親はするよ」
「その通りね、じゃあ」
「今からヒルズに行こう」
「ええ、そうしましょう」
 二人で話してそうしてだった。
 リエとヘンリーはそのビバリーヒルズに向かった。ヒルズには映画スターやトップモデルの屋敷が連なっていた。
 その豪邸達を見回しながら進んでだった。
 二人は情報提供者の家に着いた、そこはというと。
 やはり豪邸だった、チャイムを鳴らして暫く経つと背の高い誰が見ても美人と言えるスタイルのいい女が出て来た。
 その彼女を見てリエはまずこう言った。
「貴女は確か」
「モデルのシンディア=ジョーンズさんですよね」
「ええ、そうよ」
 ヘンリーが言うとその美女は微笑んで答えた。
「私も有名みたいね」
「今一番売れてるモデルさんだからね」
「僕達も知ってるよ」
「それは何よりよ。けれど今は私の話でなくてね」
「ええ、通報してくれた話ね」
「そのことだよね」
「まずは中に入って」
 彼女の家である豪邸の中にだというのだ。
「そこでお話しましょう」
「それじゃあお言葉に甘えて」
「お話を聞かせて」
「ええ」
 二人はシンディアの言葉に頷きそうしてだった。
 彼女の豪邸に入った、中も相当に豪華であり二人は流石は、と思いながら廊下を歩き日本製の巨大なテレビと水晶のシャングリラがあるリビングに入った。そこでシンディアはまずはコーヒーを淹れた。
「自分で淹れるのね」
「メイドさんは雇っているけれどね」 
 それでもだと、シンディアは微笑んで自分の向かい側に座る二人に述べた。 
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