ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~
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異なるの物語との接触~クロスクエスト~
氷の剣士&重覇震剣 VS 神託の天使(前編)
フブキとメルムが進んだ扉の奥には、西洋の古城を思わせるような通路が広がっていた。その奥に進むにつれて、壁の色のトーンは重くなっていき、一層装飾が激しくなっていく。
「なんか・・・暗い場所ね・・・」
「ああ。何が待ってるんだろうか・・・」
しばらく歩くと、金色の、レースのような模様のついた扉にたどり着いた。恐る恐るその扉に手をかけると、それは一層輝くを放ち、ごごごごご・・・と音を立てて左右に開き始めた。
完全に扉が開いたとき、二人の目の前に広がっていた光景は・・・
『圧巻』としか言いようがなかった。
まるで大図書館のような高い天井の部屋。ふわふわと浮かぶ数々の器具。その中心に、光が集まって、何かが出現しようとしていた。
「!!」
「・・・来るっ!!」
パキィン!!と音を立てて光の幕が壊れる。そして現れたのは・・・。
長い色とりどりの布を重ね合わせたドレスに、白銀の波打つような長髪。いつくしむような微笑を浮かべ、背中には八枚の羽根。
人間の三倍はあろうかというほどの大きさの天使が目を開くと同時に、カラーカーソル。続けて3段重ねのHPバーと、ネームタグが表示される。
《THe-Arcangelu-gavuriero》・・・大天使ガブリエル。
フブキ、メルム共に剣を構える。同時に、フブキのHPバーの下に、もう一本バーが出現する。
MPバー。フブキの持つユニークスキル、《氷結剣》のデフォルト効果。そのバーが少しだけ削れ、フブキの剣に氷がまとわりつく。
「――――――――――――――――!!!!」
ガブリエルが、音のない叫びをあげ、戦闘は開始された。
*
「はぁ!!」
メルムの両手剣から衝撃波が飛ぶ。ユニークスキル、《重覇震剣》の効果。それはガブリエルを打つが、HPは減少後、元の量に戻ってしまう。
「くっ!!ここまで厄介な相手だったとは思わなかったわね・・・」
ガブリエルは、HPをへらされても回復してしまうのだ。何度攻撃しても、そのHPを削り取ることができない。
「・・・ハッ!!」
フブキの剣が光り、氷のかけらがまるでナイフのようになって、ガブリエルに向かって飛んでいく。それらはガブリエルにヒットするが、すぐにまたHPは戻ってしまう。
「くそっ!これじゃあジリ貧だ!!」
ここまででわかったこと。
ガブリエルのHPバーは三本。ボスモンスターにしては少ない理由は、そのHPバーが一向に減らないため。
ガブリエルのHPバーは、攻撃を受けても次の瞬間には元の量に戻ってしまう。
ガブリエルは基本的に無防備なため、攻撃は当て放題である。
「こうなったら・・・姉さん!攻撃を当て続けてみてくれ!!」
「なんで!?」
「HP回復のゲージに追いつくかもしれない。少しずつだけどHPを減らせる可能性がある!!」
「・・・わかった!」
メルムが両手剣を高く掲げると、その剣をエフェクトライトが取り囲む。直後、地面を揺るがすかのような三度の切りおろし。両手用大剣技、《スパイク・オブ・トライスパイク》。
さらに着撃地点から凄まじい威力で衝撃波が飛び出し、ガブリエルに襲い掛かる。
同時に、フブキもソードスキルを発動。十字を切るように斬撃。同時にMPを消費。氷が全く同じ軌道を描いて迫る。《氷結剣》に連撃、《アイスクロス》。
ずかかかか!と音を立てて氷片と刀身がガブリエルを穿つ。さらに、攻撃が終了した瞬間に、MPを追加消費。氷片で攻撃。スキルディレイ終了と同時に、次の攻撃を始める。
右上からの袈裟切り。《フロストスラッシュ》は、攻撃ヒットと同時に相手に行動遅延の氷結状態を付与する。まあ、ボスモンスターであることに加えて、全く行動しないガブリエルには無意味と思われるが・・・。
一連の攻撃が終了し、視線をHPバーに向けると・・・思った通りだ。HPは、2割ほど減っていた。恐らく、《100%回復》ではないのだ。限りなく100%に近いが、それでも完全ではない・・・。
「このまま押し切るぞ!!」
フブキとメルムは剣を構えなおした。
後書き
次回に続きま~す
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