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ハイスクールD×D 蒼き凶鳥

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原作前
第一章 大戦期
  第九話

「これからどうするかねぇ~」
現在俺は勲章を授与され、その足で首都ルシファードをうろついている。
「しかし、戦時中だってのにここは平和だな。これじゃあなんのために戦っているのかわかんなくなってくるな」
「そうかい? 首都が平和なのはいいことじゃないかなぁ。ねぇ鏡夜・N・ハルファス君」
そう声をかけられ、振り返るとサングラスをかけた胡散臭い青年がいた」
「胡散臭いはひどくないかなぁ!?」
「な、なぜ俺の思考を!?」
「いやふつうに声にだしてたからね!? ピンポイントに胡散臭いあたりから声にだしてたよ!!」
「すいません。わざとです」
「わざとなの!? 無意識とかでもないんだ!? 確実に悪意があったでしょ!!」
「ところでどちらさまですか?」
「スルー!? 今までのくだり全部スルーなの!?」
「っていうかあなたダレですか?」
「そこから!? 確かに名乗ってなかったけど!? そうなったのは君のせいだからね!?」
全くもう、といいながら目の前の青年はサングラスをはずす。
するとそこには、
「あらためて、首都が平和なのはいいことじゃないかなぁ。ねぇ鏡夜・N・ハルファス君」
「現四大魔王……ルシファー、様!?」




「さぁ僕のおごりだ。じゃんじゃん食べてくれたまえ」
マオー様と衝撃の出会いをしてお昼時ということもあって近くのレストランによることになった。
っていうかここ、かなり有名な高級レストランだった気がするんだが。
「じゃあ店員さ~ん、ココからココまでの全部ください」
おごってくれるのなら遠慮はしない。
「え゛!? ちょっとまとう鏡夜君!!」
「かしこまりましたー」
マオー様の訴えは店員さんによってスルーされた。
「さすがマオー様太っ腹だな」
「今月の給料でなんとかなるかなぁ~」
「最悪皿洗いだな」
「魔王が皿洗いって末期でしょ!!」


先にきたコーヒーをすすりながら質問する。
「で、なんで俺に声をかけたんだ? マオー様」
「若手エース筆頭、数多の最前線での戦いを勝利に導き味方からは尊敬、敵からは白い悪魔と畏怖されている君が折角首都にきているんだ。魔王として会って話をしたくてね」
話しを聞き流しながら今きた料理を食べる。
「ふ~ん。 あっこれおいし」
「きいてないね、君からふったくせに」
マオー様はもはや呆れ顔だ。
「マオー様も食べます? おいしいですよ」
「人の金で飯たべておいてよくそんなこといえるね。食べるけど」


飯を食べ終え、ようやくマオー様のお話を聞くとしよう。
「いったいどんな話がしたいんだ? マオー様」
「そんな話のふりかたをされるとは思ってもみなかったよ。ところで鏡夜君、君はこの戦争をどう思う?」
「そうですねいつかは起こる戦争だったのでは、と」
「なぜそうおもうのかな?」
「まずなにをするにしても他の二勢力がどう動くか、ということが念頭におかれていることですかね」
「確かに、他の二勢力がどう動くかに考えがいって大胆な政策はうちだせなかったからね」
「その結果少しずつストレスが溜まり爆発する」
「ふむ、残りの魔王たちも今回の戦争が起こらなかったとしても最低で百年以内に起こるという考えだったからね。君の考えは正しいよ。では、今我々魔王が頭を悩ませているこの戦争の最大の問題はなにかな?」
今おこっている戦争の問題はたくさんあるだろう。その中で、最大の問題か……。
「戦争の最大の問題…………もしかして戦争の終結方法、ですか?」
「正解だ。今一番の問題でね、起こってしまった戦争をどう終結させるかが難しいんだ」
「なし崩し的に始まった戦争ですからねぇ~。そりゃ難しいわ」
「なにか決定的なことがあればいいんだけど……」
「決定的?」
「例えば私たちが死ぬとか」
「不吉なこと言わないでくださいよ。冗談になってませんよそれ」
「そうだね、ゴメンよ。ところで鏡夜君、君は人間を悪魔にする魔術をしってるかね?」
「唐突すぎる話の方向転換ですね。人間を悪魔に、ですか。初耳です」
「そうなの? 君のお母上もその魔術を使って悪魔になったのに?」
「え? そんなこと聞いてないんだけど……」
「あらら、まぁその名の通り人間を悪魔にする魔術でね、主に悪魔と人間が結婚する時に使われるんだよ。人間と悪魔の寿命差は大きすぎるからね。今から二百年くらい前にある上級悪魔が作ったんだ」
「そんなのがあったんですか、知らなかった」
人間を悪魔にする魔術……、その魔術が悪魔の駒の土台になるのだろうか。








その後一時間ほどマオー様と駄弁り続けた。
「そろそろ店員さんの視線が痛いな、マオー様」
「うん、そろそろ出ようか」
「マオー様、お会計お願いします」
「そうだった……」


「ありがとうございましたー」
「凄くいい顔で見送られましたね。マオー様」
「お財布が軽い…………」
「このあとどうするんですか?」
「そろそろ公務抜け出したのがバレるころだし、戻らせてもらうよ」
まさかこのマオー様、さぼりだったのか。
「仕事しろよ」
「ねぇ、鏡夜君」
「なんだ、マオー様」
「この戦争が終わったら良くも悪くも冥界は変わる。そのとき冥界を率いていくのは君たちだと私は思うよ」
「マオー様……」
「それではまた会おう!! 鏡夜・N・ハルファス君」
そういってマオー様は去って行った。
(マオー様ねぇ、なんか想像とちがったなぁ~。しかし、魔王というのはプライベートは軽いのが条件なのか?)
 
 

 
後書き
ようやくの完全新作です。 
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