ハイスクールD×D 蒼き凶鳥
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原作前
第一章 大戦期
第十話
マオー様との衝撃的な出会いから三か月、休む間もなく俺は堕天使側の最前線に戻された。
休みのことは諦めかけている。
この三か月間俺はガンダムMK-Ⅱを好んで使っているわけだが……。
「いいかげん墜ちろよっ、アザゼル!!!!」
「はっ、そう簡単に墜ちるかよっ!!」
同時にこの三か月、堕天使の総督とも戦ってます。
始まりは唐突で、ある日いきなりアザゼルが勝負を仕掛けてきたので戦った。
その三週間後また勝負を仕掛けてきた、こうしてだんだん勝負と勝負の期間が短くなり、この一週間は毎日戦っている。
「くっ、そこォッ!!」
MK-Ⅱのビームライフルを放つが当たる気がしない、おそらくこの三か月の間に研究されたのだろう。
「これだから研究者タイプと戦うのはイヤなんだ!!!!」
「なんだ、褒め言葉か?」
「んなわけあるかっ、このストーカー野郎!!」
「なっ!? ストーカーはねぇだろうストーカーは」
「うるせぇ、黙れ変態BL野郎!!!!」
もはや何を言っているのか互いにわからなくなってきたが問答無用でハイパーバズーカの引き金を引く。
「そんなとろい攻撃当たるわけないだろう?」
アザゼルが油断しているが……。
「MK-Ⅱのバズーカの弾頭が一種類だけと思ったか、バカめ!!」
バズーカの弾頭はアザゼルの目の前で爆発し、数百発の散弾が飛び出すがかわされる。
「うおっ!!!? 散弾かよ……。危険すぎるだろう死んだらどうするんだ」
「安心しろ。むしろ殺すために撃っている」
「激しく物騒だな…。だが、そろそろ本気で倒させてもらうぜ、白い悪魔いや、ガンダム!!」
その瞬間、俺の視界からアザゼルが消え背部にとてつもない衝撃がはしった。
「ぐっ!? ガハァッッ!!!!」
衝撃の後、地面に叩き付けられた俺の視界にはMK-Ⅱの状況が映し出されている。
(ランドセル大破、自立飛行不能・左脚部バランサーに異常発生・右肩部関節損壊・背部装甲中破・全体総合ダメージ75パーセント!?)
「すさまじいまでの硬さだな、この三か月かけて用意したとっておきでも倒しきれないなんてな……」
アザゼルが俺のそばに立ちながら言う。
「でもまぁこれで終わりだな」
光の槍をかまえアザゼルが俺に突き刺そうとしている。
しかし、俺の視界には新たなメッセージが追加された。
[RX-178の全体総合ダメージ70パーセントを突破。MSZ-06を制限解除]
(このタイミングで!? あざとすぎるだろう神様!!)
だが、迷う必要もなく俺はMK-ⅡからMSZ-06に換装する。
「おいおい……このタイミングでまだ強くなるのかよ」
アザゼルの呆れたような声がきこえる。
「まぁそういうなよ、特別にコイツの名前を教えてやるよ」
これまでのガンダムとは違い脚部にはバーニアがあり、また頭部も幾分か細くなったようにもみえる。機体の特徴ともいえる背部にはロングテール・バーニアスタビライザーがあり、以降の地球連邦軍の可変MSの礎ともいえる機体。
「MSZ-06 Zガンダム。これがコイツの名前だよ」
「Zガンダム、か。随分とカッコイイな」
「そうだろう。コイツはさっきの何倍も強いぞ」
「さっきのを倒すのにだいぶ苦労したんだがなぁ~。だが、いくぜ」
アザゼルが凄まじい速度で接近してくる、スカートアーマーからビームサーベルを引き抜き対抗する。
ビシャァァンというスパークとともにアザゼルと鍔迫り合いになる。
「おい、さっき反応よくなってねぇかソレ?」
「Zが俺の反応速度についてきてくれるからな」
「つまりアレか? さっきまではお前の能力に機体がついていけてなかったと」
「そんなところだ」
「つくづく化け物だなお前」
アザゼルが離れ光のビームを放ってくる。
「残念だがそんな攻撃あたんねぇよ!!」
シールドを構えつつこちらもビールライフルで応戦する。
「ダメだなこりゃ勝てねぇ」
そういってアザゼルは撤退しようとする。
「させるかっ!!」
俺はアザゼルを逃さないようウェイブライダーに変形した。
ガシャン!グウィーン!!ガコン!!!ガキャーン!!!!
ん?待て俺は今どうやって変形したんだ?
「おい!!なんか今人体の構造的にありえない変形したぞ!!!?」
「ああ、したな……」
「もう一回やってみろ!!納得がいかない!!!!」
アザゼルがキレながら叫ぶ。
「わかった」
フライングアーマーの翼が収納され腰部左右のスカートアーマーが移動しそれぞれ上下反転する、脚部は爪先と踵を開きながら膝部の変形により背面から元にもどる。左右のフライングアーマーが上下反転し背面にもどる。股関節の伸長がなくなり収納されていた両腕がでてくる、頭部がアンテナを開きながら登場し胸のブロックと収納されていた腹部が人型にもどる。腰部後方のスカートアーマーと一体化していたスタビライザーが移動し、背面のロングテール・スタビライザーの基部が変形しウェイブライダーからZガンダムにもどる。
この間約0.5秒。
「おかしいだろっ!!明らかに体が捻じ曲がる変形してたぞ、本当にお前大丈夫なのか!?」
「特に体に違和感はないな」
「なぜだ……? いったいどうなっているんだアレは?」
研究者として納得がいかないのだろう、凄く困惑している。
「おーいアザゼル~、大丈夫か?」
「今のお前にだけはいわれたくねぇ!! はぁ、なんかやる気なくなっちまったよ。そろそろこの戦争も潮時だしな、よしガンダム!!」
「なんだアザゼル? それと俺の名前はガンダムじゃないからな。鏡夜・N・ハルファスだ」
「んじゃあ鏡夜、俺たち堕天使はこの戦争から手を引くぜ」
「……正気か?」
「ああ、今すぐとはいえねぇが徐々に戦線を後退させていくからお前も上に伝えといてくれ」
「信じてくれるとは思えないが」
「そこらへんはなんとかしてくれや、んじゃあな」
そう言い残してアザゼルはその場を去っていった。
本当にアザゼルは戦争から手を引くつもりなのだろうか……。もし、今の言葉が罠だったら。
「まぁ、なるようにしかならんか」
そういって俺もその場を去った。
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