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ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~

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異なるの物語との接触~クロスクエスト~
  鮮血の瞬殺者&神話の勇者 VS 戦天使の長(後編)

 鎌の攻撃を避けても、弓矢による追撃。大剣による攻撃に、片手剣の連撃。回避不能なほどの連続攻撃が、セモン達を襲う。

「くあっ!!」
「ぐぅ!!」

 攻撃こそ最大の防御と言わんばかりに、何とか反撃をする。しかしそれらも決定打とはならない。攻撃は通らず、弾かれ、意味をなさない抵抗となる。

「・・・・・・!!」

 一瞬のすきを突いて、セモン、ビート、ともにソードスキルを発動。セモンの《神話剣》上位スキル、《アラブル・クロス》。ビートの《神殺剣》上位スキル、《ライトニング・スフェア》。それぞれ天使たちを弾き飛ばし、次なるチャンスを作り出す。

 <天野叢雲剣>を後ろに引き、振り切ると同時に連撃開始。《神話剣》最上位ソードスキル、《アラブル・ランブ》。ビートも攻撃。高速で接近。切りかかるそぶりを見せる。ドミニカは対処すべく腕の円盾(バックラー)を掲げるが・・・ビートは、攻撃をしなかった。かわりに、神速で背後にまわり、切りつける。《神殺剣》スキル、《フェイクインパクト》。

 お互いの攻撃がすべてヒットした時、残ったのは三体の天使のみであった。

 巨大な鎌を構えた美しい六枚羽の天使・・・天使長セラフィー。

 槍とも剣とも取れる武器を構えた、六枚羽の雄々しい天使・・・天使長エクスシア。

 そして・・・この部屋の主。巨大な八枚の羽根を備え、長大な重槍(ランス)と巨盾を構えた天使・・・大天使ヴァリエル。

 
 いつの間にか、ヴァリエルの槍に神々しい金色の光が宿っていた。これは・・・やばい。かなりやばい。

 直感的に感じ、セモンとビートは回避姿勢をとる。次の瞬間・・・恐ろしいスピードで、重降下攻撃が放たれた。

 ビートの《神殺剣》に勝るとも劣らないスピード。セモンはとっさに対応できず、攻撃がかする。凄まじいインパクト。HPバーがものすごい割合掻き消える。残り9割程度であったHPが、一気に5割を残すのみとなってしまった。

「!?」
「次ぎ、来るぞ!!」
 
 ハッとして天井を仰ぐと、残り二人の天使も武器に輝きを宿していた。再び、神速の攻撃。何とかして回避に成功すると、相手が飛翔する前に反撃。

 《神話剣》専用スキル、片手剣系剣技、《バーニン・オーバードライヴ》。超速の旋回切り上げがセラフィーにヒット。その羽根をちぎり取って墜落させる。二撃目。三撃目。合計で五回の攻撃によって、そのHPバーをゼロにする。

 ビートは《神殺剣》ソードスキル、《ソニックスパイラル》を発動。視認できないスピードで、三つのインパクト光がはじけ、エクスシアも四散。

 
「よし!!」
「後一体!!」
 
 剣を構えなおし、上空を仰ぐ。ヴァリエルにも変化が起こっていた。今まで鈍い金色だった装甲が目を見張るような金色に変わり、全身を黄金のオーラが取り巻いていた。

 そして、高速で落下攻撃。そのスピードは前の攻撃をはるかに凌駕する。ぎりぎりで回避し損ね、再びインパクトダメージ。HP,残り二割。すぐさまポーションを飲むが、これらはHPの回復が遅い。それまで、耐えなくてはいけない・・・。

 ドガァッ!!という音に振り向くと、ヴァリエルの攻撃は、終わっていなかったということに気づく。ビートに、上昇と同時に攻撃がヒット。残りHPは3割。ガードして・・・あの威力!?凄まじい。

 
「ぐぅ・・・」
「ビート!大丈夫か!?」
「もちろんだ。それより、聞け。活路を見出した」
「え!?」
「見ろ」

 ヴァリエルのHPを見る。するとそれは・・・ほんの少しずつ、減少していた。今までのダメージ蓄積で、相手の残り体力は少ない。

「あと一回・・・それぞれの重突撃を当てられれば、勝てるぞ」
「でも・・・どうやって奴を落とす?」
「・・・攻撃をひきつけるんだ。あいつの急降下攻撃(ダイブアタック)に合わせて、重突撃を放つんだ」
「了解。・・・行くぞ!!」

 
 ヴァリエルの攻撃は、こちらが集まった時に発動するらしい。そのため、奴の下に・・・走りこむ!!同時に、上空に向かって片手剣技、《ヴォ―パル・ストライク》のモーション・・・。

 しかし、セモンとビートの剣に宿った光は、《ヴォ―パル・ストライク》の、深紅のそれではなかった。セモンの剣には燃え盛るようなオレンジの。ビートの剣には澄んだ銀色の光が宿る。同時に、ヴァリエルも攻撃モーションに入る。槍を構えて、光が一層強くなり・・・一機に、落下!!
 
 そしてその進行方向に対応するように、腕を打ち出す。ヴァリエルのそれに匹敵するスピードの重突の打ち込み。

 《神話剣》高速重突剣技、《バーニン・ストライク》。

 《神殺剣》神速重突攻撃、《ネオ・ストライク》。

 それらはヴァリエルの攻撃のスピードと合わせて一機に距離を縮め・・・その体を、刺し貫いた。

「キュルウォオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」

 耳を押さえたくなるような金切り声をあげて、ヴァリエルは金色のポリゴン片をまきちらし、四散した。


「ふぁ~・・・」
「やっと勝った・・・。セモン、いい活躍だったぜ!」
「ビートも。あんなに速い剣技は見たことがなかった。すごかったよ」

 セモンとビートはどさっと地面に倒れこんで、お互いの健闘をたたえあった。

 
                    *

 気がつくと、いつの間にか奥のほうに扉が表れていた。虹色の光を放つその扉に向かって、セモンとビートは足を進めた。 
 

 
後書き
 コラボ編第一弾、完結です!!

 次はフブキ君&メルムさん! 
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