ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~
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異なるの物語との接触~クロスクエスト~
鮮血の瞬殺者&神話の勇者 VS 戦天使の長 (前編)
前書き
ぎぎぎぎぎ…………。
大きな音を立てて扉が開き、奥へと続く通路が開かれる。皆それぞれ、自らの担当となっている通路の奥へと進んでいく。
セモンとビートは、右の扉の奥へと進んでいた。通路は扉と同じ、灰色の石でできたまるで神殿のような作りになっていた。
「……相手は、どんな奴なんだろうな」
「さあね。でも、倒すだけさ」
セモンの問いにビートが答える。
やがて、長い通路の終わりが見えた。入口のものと同じくらいの大きさの石の扉。しかしこちらには、入口のものにはなかった不思議な装飾が施されている。言ってみれば、槍をもった天使……。
「……開けるぞ」
ビートが扉に手をかけると、自動的に扉がこちら側に向かって、ゆっくりと開き始めた。
その中は……壮絶としか言いようがなかった。
まるで教会のような巨大なステンドグラス。それが六枚。それぞれに天使の絵が描かれている。
そして天井。かなり高い所にあるそれに、丸いステンドグラスが貼られている。そして……そこから、《何か》が湧き出るようにPopし始めた。
全身をくまなく覆う鎧に、六枚の羽根。右手には長大なランス。左手には巨大な十字盾。間違いなく、この部屋の入口に描かれていた《槍をもった天使》だ。
この部屋の主は、バサッ……バサッ……と三対六枚の羽根をはばたかせ、地上にほど近い所まで降下、静止した。
同時に、その頭上にカラーカーソル。かなり暗い赤。ダーククリムゾンとまでいかずとも、その強さは半端ではないということだ。
そして六段重ねのHPバー。同時にネームタグが出現。
《The-ArcAngelia-Valiero》……大天使ヴァリエル。
聖書における戦天使の長。
「……戦いの天使ってわけね……ようし!一貯やりますか!!」
ビートが剣を抜く。同時にセモンも抜刀。先日手に入れたばかりの新たな武器、<天叢雲剣>。
「キュウォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ヴァリエルが時の声を上げ、飛び上がる。槍を構えて……一直線に降下攻撃。それらをぎりぎりまでひきつけてから、横にジャンプしてよける。
敵のわずかな硬直時間を狙って、片手剣ソードスキル《ノヴァ・アセンション》10連撃。それらがヒットを開始したと同時に、ビートもソードスキルを繰り出す。
右下からの切り上げ。それをとらえた瞬間には剣が元の位置に戻っている。しかし発生したインパクトは二つ。恐らくあれが、ビートのユニークスキル、《神殺剣》の二連撃スキル、《ダブルファング》。切り上げから切りおろしのコンボを、わずかコンマ二秒で行う、高速の剣技。
すべてがヒットし、ヴァリエルのHPはしっかりと削れる。
ヴァリエルは槍を構えて旋回攻撃、セモン達が飛びのいたすきに上空へと逃げる。
「逃がすか!!」
セモンの片手剣ソードスキル《ソニックリープ》。上空にも攻撃対象を絞れるソードスキル。本来の威力がたいしたことないので、いくら底上げしているといってもダメージは期待できない。しかし、妨害は可能。
「キュオオオオオッ!!」
ヴァリエルが苦悶の声をあげて墜落。
「やるな!!」
ビートが呟き、ソードスキルを発動。剣を振り切ったかと思うと、次の瞬間にはインパクトエフェクトが大量発生。いつの間にか剣は腰だめに構えなおされている。
ズバァアアアン!!という派手なサウンドエフェクトの中で、ビートがつぶやく。
「……《神殺剣》12連撃……《ライトニング・スフェア》」
ヴァリエルのHPバーは一気に二本目へと突入した。
*
「でぁっ!!」
《神話剣》ソードスキル、《アラブル・ストライク》。基本的には《紫電》と同じモーションだが、速さの格が違う。突きこみがヴァリエルにヒットし、そのHPバーも残り二本を残すのみとなった。
異変が起きたのは、その時。
ヴ……ヴヴヴヴヴ……
不思議な不協和音が響いた。
そして……六方向に張り巡らされたステンドグラスが、輝き始めた。不思議な模様が屹立し、そこから、一枚につき一人、計六人の少女たちが現れる。身長はプレイヤークラス。その三倍はあろうかという大きさのヴァリエルと比べればはるかに小さいが、纏う雰囲気はそれに匹敵する。
それぞれ、一本だけのHPバーとネームタグが表示される。
鎌をもった少女……《Tha-GreatAngelia-Seraphy》……天使長セラフィー。
弓をもった少女……《The-Angelia-Curio》……天使キュリオ。
長剣をもった少女……《The-Greatangelia-Exsia》……天使長エクスシア。
馬にまたがった少女……《The-angelia-Dunamis》……天使デュナミス。
大剣を構える少女……《The-angelia-Virchu》……天使バーチュ。
片手剣に円盾を構えた少女……《The-Angelia-Dominika》……天使ドミニカ。
「……おいおい。嘘だろ」
ビートが呟き、同時に七人の戦天使たちは猛然と反撃を開始した。
後書き
というわけでセモン君&ビート君対、戦天使軍団でした~。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、出現したキャラは外見・名前等を某カードゲームの天使シリーズを参考にしています。
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