もう一人のアルフィミィちゃん
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逃げ出す準備をしますの②
視界に映るのは特殊脳医学研究所の文字。そう。通称特脳研。SRX計画に必要不可欠な要素T-LINKシステムを作動させるキー能力念動力を研究する施設です。私ことアルフィミィはその施設に一般人が近づける所まで来ました。しかし、身分も何も無く、人間ですら無いアルフィミィにはここまでが限界です。
「さて、襲撃はどうしましょうですの…………」
顎に手を宛て考える事数分。ポンと掌に手をあててみました。
「そうですの、人間でないアルフィミィは化け物らしく、アインストを使えば問題有りませんの」
この世界に居るアインストの本拠地である空間に意識を繋げて、強い存在を探して呼び寄せる。
「少し、手伝ってくださいですの」
『わかった』
了承を得るとあら不思議…………アルフィミィである私の前には沢山のアインストちゃん達が現れましたの。すると研究所も異変を察知したのか、けたたましいアラートが鳴り響きました。
「皆さん、出来る限り殺さずに殺っておしまいですの!」
アルフィミィの号令によって壁を破壊し、侵入するアインスト達。それを率いるのはアインストレジセイア。アインストレジセイアは全高100mを超える超大型のアインスト。アインストクノッヘン、アインストグリート、アインストゲミュートの3種類のアインストの特徴を併せ持っていますの。その圧倒的な攻撃力と耐久力を誇り、下位のアインストを生み出すなどの強大な力。自我を持ち、強力な思念による威圧感を感じさせ、持ち対峙した者を強烈に縛り付ける。その思念の力は他者を操るまでに至る。ぶっちゃけ、特機を揃えないとほぼ勝てない子なので、エルアインスとかランドグリーズが出て来て、ミサイルやらビームやら撃って来てもなんのその。再生させて、瞬く間に触手で串刺しにしたりして叩き潰して行くですの。
「お前達は誰一人として逃がしてはいけませんの。捕らえるか、無理なら殺してくださいですの。アルフィミィは中に入って行きますの」
『御意』
ふふ、壊した防衛兵器もアルフィミィの触手で吸いますの。バキバキと食べて行くのですが、気にしません。というわけで、アインストクノッヘン、アインストグリートを護衛にして格納庫部分から研究所内部へと無事に侵入しました。
研究所の内部に入れば流石に敵も死に物狂いで怖いですの。九人くらいの人達が応戦して来ましたの。
「撃てっ、撃って撃って撃ちまくれ!!!」
機材を押し倒してバリケードにして防衛戦を展開していますの。ですから、飛び交う銃弾に硝煙の匂いがして…………ちょっと怖いですの。この研究所を護衛している者達がアサルトライフルを乱射したり、手榴弾を投げて来ますので、アルフィミィはちょっと転移して背後に周り…………ぶすってやってあげますの。
「え?」
それだけで動かなくなるので、どんどん突き刺して行きますの。もちろん、銃を向けられたら転移で背後に逃げての繰り返しですの。
「化け物めっ!!」
「はいはい、アルフィミィは化け物ですの。だから、本当の化け物が来ましたの」
アルフィミィを護衛していたアインストクノッヘン、アインストグリートが追いついて、バリケードを蹴散らして、守備隊を無効化して行く。
「ふむ。食べ残しは行けませんの」
「ひっ、助け…………ぎゃあああああああぁっ!!!」
ここに居る九人全員を触手で吸収すると、整備の知識や戦い方。更には地図まで出てきましたの。
「さぁ、次に行きますの」
この施設の記録された地図に従って、ケンゾウ・コバヤシの研究室へと向かいました。その研究室の扉は凄く頑丈だったので、アインストクノッヘン、アインストグリートに破壊してもらって中に入ると…………少し嫌な気持ちになりました。
「何者だ、貴様は…………」
奥の部屋からおじさんがこちらへと歩いてきた。
「私はアルフィミィと申しますの。貴方はケンゾウ・コバヤシ博士ですの?」
「そうだ」
その研究室にはカプセルのような物に入れられた脳や、下半身が無い女性が入っていました。生体ポットみたいなものですの。でも、問題はそんな事より…………脳の部分にはマイ。上半身だけの女性にはアヤと書かれていたいましたの。そう、その姿はまさしく。R-3及びR-3パワードのパイロットであるアヤ・コバヤシ。
「これは貴方の仕業ですの?」
「そうだ。T-LINKシステムの研究の為の礎となってもらった。たった今、さらなる実験をしていたのだが、お前が邪魔をしてくれた」
「新しい実験ですか?」
「ああ、活きのいいのが二人も手に入ったのでな。丁度良い、お前達。こいつを捕まえろ。いい実験材料になる」
そう言うと、奥の方から見覚え有る二人の少年の首だけが入った生体ポットを搭載されたパーソナルトルーパーを小型化したような物が出て来た。ODEシステム搭載のバルトールで生体コアをむき出しにしたみたいな感じの奴だ。
「その二人は助かりますの?」
「無理だな」
「そうですよね…………リュウセイ、リョウト…………貴方達の敵は取って上げますの。お前達、あの二機を拘束なさい」
アインストクノッヘン、アインストグリートから触手が伸ばされていく。それに対してリュウセイ達は大型のアサルトライフルで迎撃するが、再生していくアインストにはあまり聞いていない。
「なんだと…………」
「先ずは邪魔な貴方からですの」
転移してコバヤシ博士の背後へと周り、口から触手を突き入れて内部から吸収してやる。苦しみもがくコバヤシ博士を吸収する。するとT-LINKシステムやコバヤシ博士がやってきた違法研究の数々の知識や記憶が流れて来る。誘拐も当たり前のようにしている。リョウトやリュウセイは誘拐されて来たようだ。しかも、リュウセイと一緒にラトゥーニまで攫われてこの施設にいる。
「そろそろ眠らせて上げますの」
生体ポットの前に転移して、触手を刀のように変化させて突き刺して、殺して上げる。二人共、しっかりと吸収する。
「せめて、アルフィミィの中で生きてくださいですの。それと、リュウセイ。ちゃんとラトも助けますので、安心してくださいですの」
身体の中から不思議な感覚が新たに産まれる。
「これが念動力ですの…………さて、ラトを助けに参りますの」
研究所に拉致した人間を閉じ込めて置く隠し部屋に向かうアルフィミィを防止しようと多数の兵士が銃弾を放って来ますが…………リョウトとリュウセイ、マイ、アヤというこの世界でも屈指の念動力を持つ四人の念動力に加えて、予知を持つアルフィミィにとって、こんなもの…………無意味ですの!!
「馬鹿なっ!!」
「銃弾が止まっただと!!」
そう、念動力で銃弾を絡め取って、アルフィミィの前方の空間で弾丸は全て止めてしまってますの。え? 予知は関係無いだろ? とんでもない。アルフィミィに中る弾丸だけを予知して止めていますの。全部の弾丸を止めるとか、無理すぎますの。
「お返しですの」
軽く手を振りながら、弾丸をあちらに弾き飛ばすのですが、残念ながらそんな力は無く目くらましでございますの。
「なんだ?」
「へっ、とんだこけおどし…………え?」
でも、転移する時間稼ぎなので問題有りませんの。転移したら触手刀で首を斬り裂いて、アルフィミィのアインストを寄生させてあげますの。すると勝手に消化して吸収してくれますので次へと移れますの。
「さくさく……さくさく……いきますの」
転移と触手刀による奇襲攻撃に加えて、護衛のアインストクノッヘン、アインストグリートから触手も来るので比較的簡単に倒せますの。
「ふふ、これがアインツェルカンプですの」
どちらかというと、マナケミアのアンナちゃんかも知れませんが、この戦闘方法は楽チンですの。
「っと、ここですの」
有る一室の扉を開けて入る。そこは実験動物を捕まえておく牢屋になっている。そして、今回の場合、その実験動物とは人間ですの。牢屋全体からイカ臭い生臭い匂いがただよって、来ますの。奥へ行くと、白い白濁した物で全身を汚された多数の女性が拘束されていた。全員の瞳に理性は無く、虚ろな瞳でこちらを見てくる。
「もっと苦しめた方が良かったですの…………」
中には紫の髪の毛の女の子。ラトも居た。他の女性と変わらず。
「生きたいですの? 死にたいですの? どちらがいいか、選ばせてあげますの」
そう言うと、女性は次々とか細い声で殺してと言って来る。
「りゅ……リュウセイは……殺されたの…………?」
「既に手遅れで……死にましたの」
「そう……なら……殺して……」
「承りましたの。苦しまず殺して差し上げますの」
「……あり……が……とう……」
お礼を言う女性達を纏めて触手で包み、一瞬で吸収してあげますの。
「せめて、アルフィミィの中で幸せに過ごすですの」
そして、襲い来る絶望という不の感情。悪人や軍人は精神を消滅させてから吸収するが、今回のように一気に吸収して不の感情だけ取り除くとなると、その負の感情がアルフィミィ自身を襲って来る。
『苦しい、憎い、なぜこんな目に、助けて、止めて、痛い、殺して…………』
そんな負の感情がアルフィミィの中で渦巻く。
「これは…………キツイ…………ですの!」
身体を抱きしめて、うずくまって何とか耐える。
「ふふふふ、暴れてやりますの…………どうせ、この腐った世界。あちらに行くまでにお掃除してやるですの…………うふふふ」
アルフィミィはそのまま、次の獲物を探して施設内を徘徊し、皆殺しにして吸収した。そして、基地にアインスト以外の生物がいなくなって、ようやく多少はマシになりましたの。なので、T-LINKシステムの資料や機材を一切合切吸収していただきます。取り込んだ機材は影から出せるみたいですの。生体機械としてですが、問題は有りませんの。あと、資金としてお金も沢山貰ったですの。
「しかし、殺す事になんの忌避感も無いとは…………この身体、恐ろしいですの。いえ、それ以前にかなり残虐な方法で殺してますの…………」
なんだか、意思の覚醒をする前の純粋なアインストであるアルフィミィの感じがしますの。まだ身体と精神が馴染んでないせいかも知れないけど、今は都合がいいですの。後悔は後でやればいいですの。そんな事より問題は女の子達を吸収した後ですの。この世界を呪うような憎悪はまだ確かにアルフィミィに根付いていますの。これも念動力がかなり高い…………というか、最高峰のLv.10になったせいですの?
『ソナタから敵と同じ嫌な感じがする。大丈夫なのか?』
そんな事を考えて居ると、アインストレジセイアからアインストを通して念話が飛んできた。
「大丈夫ですの。敵を知るには先ずその力の源を理解せねばなりませんの。それに、連中をアインストに取り込むというのも面白いと思いますの」
『そうか、理解した。では、次はどうする?』
「アフリカにあるアースクレイドルとシュウ・シラカワの探索をお願いしますの」
『了解した。これより捜索隊を向かわせる』
念動力をアルフィミィが得た事に対するアインストレジセイアの不信感をなんとか回避できましたの。
「さて、かなりの知識と頭脳は手に入れたので、次はどこへ行きましょうか…………」
『壊した存在と似た物が接近して来る。どうする?』
「ここにもう用は有りませんの。ですから、撤退しますの。皆、ご苦労様でしたの」
『了解した』
アインスト前機を異空間に撤収させた後、アルフィミィ自身は転移で孤児院がある街に戻らずに色々と寄り道してから戻りますの。それから、空港に行って現金をこの国のお金に変えて、住民登録(戦争の為、戸籍がはっきりしないので出来る)を行って、口座を作る。その後は奪ったお金を全部、様々な国で買った口座へと振り込み、回してアルフィミィの口座へと入れますの。これが終わったら、おやつや食材を沢山買って、帰りますの。流石にあの格好は恥ずかしいので、服もちゃんと買って黒いワンピースに着替えております。
「ただいまですの」
協会が経営してる孤児院へと戻って来たですの。
「おかえりなさい。その荷物はどうしたんだい?」
「子供達へのお土産ですの。あと、これはお世話になったお礼ですの」
「わざわざすまないね…………本当は遠慮したいんだが、そうも言ってられないご時世でね…………」
「お気になさらずですの。それでは、お世話になりましたですの」
食材とお金の入った袋を渡したアルフィミィはお辞儀をして、出て行く。
「また何時でもおいで」
「はいですの」
それから、この国のネットカフェで一泊しますの。ついでにこの世界の知識を取り入れて、時流エンジンの論文を探して、研究所の位置を特定する。その日は寝ますの。
後書き
名前:アインスト・アルフィミィ
LV:5
PP:94
格闘:180
射撃:181
技量:177
防御:164
回避:222
命中:244
SP:180
エースボーナス:無し
成長タイプ:万能系大器晩成型
正確:超強気
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:???
???
???
???
???
???
特殊技能:無限成長(EXP、PPアップ)
無尽蔵の精神力(SPアップLv.10、SP回復(大)、集中力)
転移
吸収
予知
念動力Lv.10
天才
???
???
???
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