ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
冥府の女神と平和の使者
前書き
冥府の使者=ヘカートⅡ
平和の使者=ピースメーカー
シノンVSリンです
キリトとの戦いを終えると待機ドームを経ずに直接戦闘前の控え室といったところに送られた
相手の名前はもちろんシノンである
この戦いに勝とうが負けようが本戦出場は確実なのだがもちろん手を抜くつもりはない
フィールド名は世紀末の一本道
世紀末……。ひゃっはーなライダーでもいるのだろうか
待機時間も無くなり俺は戦場へ転送された
目を開けるとそこには赤い空。そして真っ直ぐ伸びる道。所々に一目で壊れているとわかる複数の車
シノンは狙撃手。放置されている車の中に潜んで狙撃の機会を伺っているだろう
今回のフィールドは障害物が多いため狙撃手にとっては有利なフィールドである。気付いたら死んでいた、なんて展開もあるかもしれない
わざわざ相手の罠の中に飛び込むのもなんだが……
「行くしかねぇか……」
進まなければ何も始まらない。弾を互いに交わさないと始まらないのだ
俺は車を盾にしながら少しずつ進んで行った。影から出る前に岩を投げる。誤射してくれればもらい物っていうものだが
「っ!!」
岩を穿った一発の銃弾。四度目になる投げた岩にシノンのもつ狙撃銃の銃弾が直撃した
いる。そっと影から覗くと前から三番目の壊れたバスの窓ガラスが割れていた
中が暗いためシノンの詳しい位置はわからないがあの付近に必ずいる
一度大きく息を吸って吐く。手のピースメーカーを握りなおし、一気に飛び出した
飛び出した瞬間銃弾が襲ってくるが二発の銃弾でそれを弾くと地面をしっかりと蹴り加速する
一発では口径が違いすぎて反らしきることができないと判断しての処置だ
残り弾数右5左5
シノンの狙撃銃ヘカート?はボルトアクションで連射は効かない。次弾の装填まで多少の時間がかかる。それに今の弾で大体の居場所はは判明した。ヘカート?はかなりの重量があるため一度下ろした銃を移動させるのは現実的ではない。固定概念を持つのは良くないが大体の当たりをつけるのは構わないだろう
「そこだ!」
二発の銃弾が当たりを付けたあたりにある窓ガラスを砕く
見えた。こちらを見据え冷静に銃を構えるシノンが
そしてシノンの視線が俺の足を狙っているのが
「っ!!」
次の瞬間飛来する銃弾をさっきと同じように二発の銃弾で弾く。もしかしたら一発でも十分かもしれないが、失敗すれば一撃でHPをもっていかれる
弾いたことを目にしたシノンが息を飲むのがわかる。一度ならず二度までもヘカート?の銃弾を防いで見せたから
残り弾数右3左3
シノンは目を見開いているが次弾を装填する手は淀みが無かった
「くっ……」
少しでも動きが遅くなることを期待したのだがやはり無理か
二発をシノンに当てるがシノンは全く動揺しない
やはりピースメーカーの性能を熟知しているのだろう
再び飛来するシノンの弾丸を弾く。これで俺の銃に装填されている銃弾はゼロ
まあ、計画通りだが
俺はシノンの潜伏するバスの背面に背をつける。狙撃銃はその重量故にほぼ真下やほぼ真上を狙うのは不可能だ
それでも何をしてくるか分からないので素早く弾を装填
「っ!?」
嫌な予感に逆らわず体を横へ投げ出す
ちょうど俺の体があったところを弾丸が走った。バスの車体を見ると小さな穴が開いていた
「アンチマテリアル・ライフルか……!?」
対物狙撃銃。それならばバスを貫いて俺を撃つことができただろう
鏡か何かで俺の位置を特定し撃った。シノンの銃がアンチマテリアル・ライフルだとわかった今、安全な場所はないな
今、俺の銃に入っている弾は両方あわせて五発
「行くしかねぇか」
狙撃手相手に狭いバス内で戦いたくはないが、戻ろうとしても後ろから撃たれるだけ。シノンもそれはわかっているだろう。だから迎撃のための準備をしてあるに違いない
「キリトといい、シノンといい……。楽しませてくれるな」
シノン……いや、詩乃。まずは俺の強さ。SAOで鍛えた心の強さ。おまえに教えてやるよ
中に入って目に入ったのはこちらに狙撃銃を向けているシノン。もちろんすぐさま撃ってくる
読んでいた俺は難なく撃ち落とすとシノンに向かって走る。シノンは反動で後ろの座席に座り込むが副装備であろう拳銃を抜いていた
シノンが撃とうと引き金に指をかけた瞬間斜めからシノンの銃を撃ち抜く。それにより照準がずれ、バスの運転席の当たりを蜂の巣にした
その隙にシノンに近づいていた俺はシノンの銃をシノンから弾き飛ばし、左手に持っていたピースメーカーを捨て、シノンを座席に抑えつけ、銃口をシノンの体に当てた。そして、長い息を吐く
「あー……心臓に悪い」
狙撃銃みたいな大口径の銃の弾を弾くのは本当にストレスが溜まる。一発当たれば終了なんて現実みたいじゃねぇか。SAOよりも質が悪い
本当に疲れたような顔をしていたのかシノンはクスリと笑った
「……私の負けね。撃って」
「おいおい物騒だな」
「恥を晒そうっていうの?この、あなたが押し倒しているような状態で」
「む……」
確かにそんな感じの体勢だな。でもこうしないと距離が詰めれないから
「そんなつもりはない。……というかシノン。顔が赤いが」
「あなたがリアルで好きな人に似てるだけよ」
それは恐らく自惚れで無ければ本人ですから
「それで?この状態で止めた訳は?」
「この世界に俺とキリトが来た理由」
「いいの?」
「本戦に出る以上信じる信じないは別として聞いていて欲しい」
シノンがうなずくのを確認すると俺は死銃についての話を始めた。具体的には死銃により実際に人が死んでいるということ。本戦で死銃が何人かを殺す可能性が高いということ。その二点について話した
「信じる」
俺の話を聞いてシノンが最初に発した言葉はそれだった
「自分で言うのもなんだが、よく信じれたな」
「あなたは嘘をつくような人じゃない」
そうやって信じてもらえるのは嬉しいが……
「……死銃ね。私の方でも探してみる」
「それは危険だ」
「でもそんな危険なことをリンはしようとしてるんでしょ?」
そう返されると何も言えないんだが
「だったら私も戦う。逃げてたら……強さなんて手に入らない」
「その強さを手に入れたらどうしたい?」
「む、胸を張って好きな人に告白……って何を言わせてんのよ!!」
顔を真っ赤にしてバタバタと暴れだすシノン。俺がおさえてるせいで全く動けてないけど
「そうか……」
リン=燐ってことは言わない方がいい気がする。繰り返し言うが自惚れで無ければ
「そろそろ終わりにしない?観客たちも飽きてきただろうし」
まあ、この状態のまま動かないもんな
「この状態で撃ったらどんな鬼畜野郎って思われるんだろ」
「どっちかというと鬼畜野郎ではなくて超アグレッシブな女の子って感じかな」
「そういえば女の子に見えるんだったな……」
キリト、シノンと強敵との連戦ですっかり忘れていたぜ……
「私が降参をすればいいんだけどね。……本戦で死銃を倒したら、その時は」
「ああ……」
なんでまあ俺の周りには好戦的なやつが多いんだろうな。……そうか、俺が好戦的だからか
「降参!!」
決勝戦
シノンVSリン
勝者リン
試合時間26分37秒
後書き
蕾姫「セクハラ野郎め」
リン「は!?いきなりなんだよお前」
蕾姫「シノンを押し倒して……」
リン「その言い方はやめろ。なんか卑猥だ」
蕾姫「押さえ付けるのにどこを押さえていたのだね?」
リン「え?えっと肩だけど?」
蕾姫「胸じゃないのか……」
リン「……一回死んでこい変態」
ミユ「……変態……」
蕾姫「グハッ……!?」
えー……狙撃銃に関して個人的な解釈が入りましたが、気にしないでください
では次回もよろしくお願いします
ページ上へ戻る