ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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二人の少女
前書き
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に訂正
「ねぇ、燐君」
GGOでキリト、次いでシノンと死闘を繰り広げた次の日の日曜日の昼食時。居候している桐ケ谷家のテーブルで桐ケ谷家の長女が俺に満面の笑みで話しかけてくる
こ、この威圧感はヒースクリフに匹敵する。……女って怖いんだな、と改めて再確認
いい加減はっきりしないと詩乃か直葉に刺されるかもしれないと、珍しく戦慄する俺
「えっと……何かな?」
声が震えなかったのを褒めて欲しいな。今の直葉は笑顔だけど目が笑ってないもの……。素直に怒ってるよりも怖い
「あのね、あたし今朝、ネットでこんな記事をみつけたんだけどね?」
そう言って俺の目の前に出されたのはVRMMOゲーム情報サイト、MMOトゥモローのニュースコーナーの切り抜きコピーだった
ちなみにタイトルは【ガンゲイル・オンラインの最強決定バトルロイヤル、第三回本大会出場プレイヤー三十名決まる】である
あー、もろ俺のことだなと思いながら直葉の指差した場所に【Fブロック一位:RIN(初)】とあった
チェックメイト
「あー……それは俺だな」
ちなみに隣ではキリトが冷や汗を書いてる。こっちが心配になるぐらい
SAO最強の剣士様も妹相手には形無しである
……SAO攻略組の二人を威圧する直葉は何者なのだろうか
「おい、燐。そんな正直にスグに話していいのか?」
直葉に聞こえないように耳打ちしてくるキリト。うん、正面を見ているからわかるんだが、耳打ちしているときの直葉。無表情になったんだけど
キリトをつついて前を向かせる。あ、青くなった
「直葉サン?木刀はやめておいた方が……」
後ろに立て掛けてあった木刀を直葉は大上段に構える。視線は真っ直ぐキリトの頭をロックオン
「……話してくれるよね?」
「了解しました」
横には気絶したキリトいる。そのことから、それ以外言う言葉が思いつかなかった
「えっと、何から話したらいいのかな?」
キリトの頭の上から赤いものが流れてる気がするが大丈夫なのだろうか
「なんで、コンバートしたの?」
直葉の持っている木刀に赤いのがついているのが見える。……なんだプチトマトか
「例の公務員さんに仕事を頼まれたんだよ」
「例の、って菊岡さん?」
軽くうなずく。直葉はティッシュで木刀についたプチトマトの汁を拭っている
血に見えるのはご愛嬌
「それで、どんな仕事なの?」
「すまないが、それは言えない」
一応守秘義務があるからな。……協力を求めるためにシノンにはしゃべったけど
「そっか……」
拭くのをやめ木刀を再び元の位置に立て掛ける。そして立ち上がると俺の後ろに回り、肩に手を置いてきた
「どうした?」
「わからない。でも、燐君があたしの知らないところに行っちゃうような気がして……」
首だけ回して直葉を見る
その瞳は不安で揺れていた
「大丈夫だ。きっと戻ってくる。現実に。そして、この家に」
肩に置かれた手に手を重ねて微笑みながら言う
「うん……」
直葉もぎこちないながらも微笑えんでくれる
「燐よぉ……」
すっかり空気だったキリトがなんか暗い声で話しかけて来た
「実の兄の前で妹とイチャイチャするなんて挑発してんのか?」
絶賛キャラ崩壊中のキリト。……シスコンめ
「い、イチャイチャなんて……」
顔を真っ赤にしてうつむく直葉。ちなみに現実世界での強さは、俺>直葉>キリトである
「スグと付き合いたかったら俺を倒してからに……」
「うるさい!!」
「グフッ……」
キリトは全てを言い切ることができなかった。我に返った直葉がキリトの顎を打ち抜いたのだ
……見事なアッパーだった
「えっと、違う……いや違わないけど……えっとえっと……」
顔を真っ赤にした直葉は下を向いて少しの間モジモジしていたが
「うー……とにかく何でもない!!」
ダンと地面を足で力一杯踏みつける
……キリトの腹に直撃したんだが、生きてるか?キリト
「そういえばお兄ちゃんもコンバートしたんだよね?」
足退けてあげよ?そのままじゃ話せないと思う
〜数分後〜
「危ねぇ……もう少しで現実世界からログアウトするところだった」
「お兄ちゃんが悪いんだからね」
顔を赤らめて文句を言う直葉。キリトの行動が恥ずかしかったのだろうな
「俺もそう思う」
「うぐ……」
あ、倒れた。キリトが現実世界から精神的にログアウトしました
「で、もう一度言うんだけど、お兄ちゃんもコンバートしたんだよね。ガンゲイル・オンラインに」
直葉は自分の席に座りなおしてシーフードサラダを取り皿に取りながらキリトに尋ねた
「ああ……」
俯せに倒れたままキリトが応える。……物凄く邪魔
「じゃあ、なんで燐君と一緒に大会に出てないの?」
「燐とは準決勝で当たっちまってな」
まあ、そこまで言えば直葉も理由がわかるだろうな
あ、ピラフ旨いな
「つまり、負けたんだね」
「……そういうこと」
なんか元気が無くなったキリト。その時は良くても改めて考えるとへこむらしい
さてと
「ご馳走様。ちょっと出かけてくる」
「ん?どこ行くの?」
「ちょっとね」
「気をつけてね」
「ああ」
軽く手を振ると俺は家を出た
情報を整理するには歩きながらの方がいい。まあ、俺だけかもしれんが
まず問題点は、どうやってゲームの中で起こったことをフィードバックさせるか、だ
殺されたゼクシードも薄塩たらこもゲーム内で撃たれたと同時に殺された。ここで疑問点が一つ。なぜ、死亡した時間と撃たれた時間が少しずれていたのか。薄塩たらこを例にすると撃たれてからそのプレイヤーを抗議しようとしていた、と菊岡は言っていた
ゲーム内の衝撃を伝えるのに時間が必要だった、ということなのか?
そもそもゲームが現実にフィードバックすること事態あり得ない。SAOだってプレイヤーの死因は外部(・・・)にあるアミュスフィアからの高出力マイクロウェーブだ
ならば、本当の死銃はどうやってプレイヤーネームを突き止めた?その家は?
なんにせよ情報が少なすぎる
あとは実際に相対してみないとわからないな
「はぁ……いろいろ面倒だな」
「どうしたの?」
「ん?」
考え事に夢中でオートパイロット状態の俺の独り言に反応した少女……詩乃。隣には以前詩乃を付けていた少年
「いや……考え事をしていただけだ。……その人は?」
やはり雰囲気が怪しい少年。それはまさしく狂気。が、うまく隠しているな
「ああ、紹介するわね。学校の友達の新川 恭二君」
「はじめまして、新川 恭二です。よろしくお願いします」
にこやかに挨拶してくるが目が笑っていない。腰に剣があったら迷わず斬り捨てたくなる敵意
「ああ……よろしくな」
腰を落としながらもなんとか返答を返す俺
「それじゃ朝田さん。僕はもう行くから。それとさっき言ったこと……本気だから」
詩乃を見た新川の目に映っていたのは狂気、恋慕、そして欲望
その方面に鋭い人間しかわからないような濃度ではあるが確かに含まれていた
「えっと彼とはただの友達で……」
新川が去った後、なんか焦って弁解してきた。その態度と新川の最後の言葉から察するに告白でもされたんだろうな
「俺は詩乃の返事を待つだけだ」
俺がそう言うと安心したように微笑んだ。まわりの人の視線が痛い。暇人多いんだな……このあたり
「ありがとう、燐」
抱きついてくる詩乃。いや、俺も男だし嬉しいよ。でもまわりの目が……。この時ばかりは視線に敏感な感覚が恨めしい
「詩乃……あの新川 恭二には気をつけろ」
「え?」
俺はまわりに聞こえないように耳元で詩乃に話しかける
「俺が言えるのはそれだけだ」
後書き
蕾姫「今回は少女二人の好意と野郎二人の恨みを受けたリンでした」
リン「今回は日常パートだったが……。女って怖いな……」
蕾姫「フラグを立てるのがいけないんだよ」
リン「誰のせいだと思ってるんだ?」
蕾姫「おれwもう一人立てようか悩んでる」
リン「おいおい……」
蕾姫「そのことですが、アンケートを取ります。
①ユウキを生存させた上でヒロイン化
②ユウキを生存させる。ヒロイン化は無し
③原作通り
④俺の嫁だから手をだすんじゃねぇ!(マザーズ・ロザリオ自体介入しない)
の四つの内から一つ。期限は六月末までです」
リン「アンケートなんかとって答えてくれる人がいると思ってるのか?」
蕾姫「信じてる!こんな駄文でもお気に入りが500件を越えたんだ!きっと二桁は……」
リン「幻想だな」
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