ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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番外編コラボ(ツインズ&???)
前書き
リン&リョウコウVSキリト&エギル
4/10 銀の鷹→銀の烏 修正
参加人数16人8組
「……案外少ないな」
トーナメントの組み合わせを見てリンはつぶやいた
「まあ、ほとんどが攻略組だしな。なかなか下の方から上がってくるやつなんていないさ」
リンの呟きにリョウコウがこたえる
「それで最初の相手は誰だ?」
「それがな……」
リンが聞いた瞬間口籠もるリョウコウ
「……どうした?」
「いきなりキリトたちと、だ」
そのリョウコウの言葉はリンを固まらせるのに足る破壊力を持っていた
「……はぁ?」
ようやく絞りだしたその声は困惑と、そして喜びが混じっていた
攻略組で最強といえばヒースクリフなのだが、そのヒースクリフに負けずとも劣らない存在感を持つキリトだ。いきなりこの強敵とあたれるのは幸運か、または災難か。ちなみに二人の脳内にはエギルという存在はもはやなかった
「まっ、なんとかなるさ」
「はぁ……キリトとの戦いは決勝でやりたかったな……」
本命とは決勝で当たりたい。まあ、誰でもそう思うだろう
「まもなく、一回戦です。えっと、一回戦は"黒の剣士"キリトとエギルペア対"ジン"リョウコウとリンの戦いです」
観客がこの好カードにわーっと沸くが実際に戦うメンバーの顔は浮かない
「……なんで二つ名まで言うんだ?」
顔をしかめるリョウコウと苦笑いのリン
「まあ、俺は二つ名が無いからどうでもいいが」
「他人事だと思いやがって……」
恨めしげな眼てリョウコウはリンを見る
「ほら、行こうぜ。あちらさんもお待ちかねだ」
リングではキリトとエギルが武器を持って立っているのが見える。リンはリョウコウの肩をたたくとリングへ向かって歩きだした
「いきなり兄貴たちとか……」
「まあ、楽しくやろうぜ」
青龍偃月刀……固有名、冷裂を手首を使ってくるくるまわして笑った。長身のリョウコウを越える長さの巨大な黄金の龍の彫刻の様なものが刃に描かれた薙刀を軽々振り回すのはかなりの威圧感がある。威圧感といえば隣のリンも負けてはいない。二刀流がばれてしまった今、彼の本気を縛るもの等存在しないのだから
片方の剣は前に突き出し、もう片方の剣は肩に担いだその構えは巨大な存在感を放っていた
やがてリョウコウも薙刀を振り回すのを止め、肩に担ぐ
キリトとエギルも腰を落とし、リンとリョウコウ……敵を見据えた。その顔には威圧された感じはなくむしろ楽しくて仕方がないという顔をしていた
「では、一回戦……リン、リョウコウ対キリト、エギル。開始!」
アスナの声により戦いの火蓋は切って落とされた
「ふっ!!」
「だぁ!!」
やはりというかまず前に出たのはキリトとリン。開始と同時に地を蹴り、ほぼ中央でぶつかり合う。リンの初手はいつも通り右手に持った剣による突き。その突きの速度は並みのプレーヤーなら見ることも叶わぬスピード。ポリゴンすらブレた。だが、キリトもまた尋常ではない反応速度を見せる。突きに対して体を横へ反らす。そしてそのまま体を回転させ、左手の剣でリンを斬ろうとする。その剣はリンが振り下ろした剣とぶつかり火花を散らした。が、筋力値で優るキリトに徐々に押されるリン
「はっ!!」
「っ!!」
わざと体勢を崩し下がったリン。そして、できた間に走り込んで来たのはリョウコウ。走るスピードをそのままに横殴りにキリトを斬ろうとする
「だぁぁぁ!!」
だが、そこには同じく走り込んで来たエギルが横振りに斧を出す
「ちょっ!?」
そのコースはキリトに直撃するコースだ。もちろん、キリトを信じての行動なのだが
キリトはとっさに地面に伏せる。その上ではエギルの斧とリョウコウの薙刀がぶつかり合う膨大な衝撃音を発生させる
筋力極振りかつレベルで優るリョウコウにエギルが拮抗できるわけがない
だが一瞬止めることはできる。その隙にキリトが足をはねあげた。この試合初のソードスキル、単発体術技"サマーソルト・キック"下から蹴りあげる技だ。それが下からリョウコウのクリティカルポイント(まあ、男にはわかるだろう)を狙う
「チィ……」
リョウコウは冷裂に入れる力を抜くと後ろへ跳ぶ。キリトの蹴りはリョウコウには当たらなかったがキリトはその反動を利用して立ち上がった
「なかなかやるな!」
「そっちこそ!」
「だが……爪が甘いぞ、キリト!!」
「っ!?キリト!!」
エギルが気付いたときにはもう遅かった。キリトはわかっていなかったのだ。これは一対一の戦いではなかった、ということを。リョウコウに集中するあまりリンの姿(・・・)を途中から見ていなかったということを
キリトの顔にさっと影が差す。はっとしたキリトが上を見たときにはもう二本の剣が目の前に迫っていた
「ぐっ……」
そこから反応できたキリトは凄いの一言だろう。メタ発言になるが、銀の烏と戦ったとき彼の最強の武器、超高高度からの急降下蹴りのダメージを最小限に抑えたのもうなずける。だが、銀の烏の攻撃は爪先一点の点による攻撃だったが、リンの攻撃は二本の剣による面での攻撃だ。結果一本目の剣は弾いたものの二本目の剣はもろに食らってしまう
「だぁぁぁ!!」
衝撃で再び地面に倒れたキリトに、ここで決めるとばかりにリンはソードスキルを発動。選択した技は片手剣単発重剣技"ヴォーパル・ストライク"
「させるかぁぁ!!」
そうはさせまいとエギルがその斧で迎撃する。が、いくら筋力重視のエギルとはいえ、上から……しかもソードスキルを併用した攻撃を弾き返すことはできない
二人がリンに付きっきりとなり、自分に対してできた隙を見逃すほど甘いリョウコウではない
「終わりだ」
リョウコウの刃はエギルとキリトに向かって放たれた
「くそやろうがぁ!!」
だが、エギルが悪態をつきながらキリトを投げ飛ばす
エギルのたすきは砕け散り、光の粒子になって消える。砕けたら強制転移されるらしい
「……俺たちの負けだな」
頭を悔しそうにかくキリト
「だが、エギルがせっかく俺を残してくれたんだ」
二本の剣を担ぐとニヤリと笑った
「せいぜい楽しませてもらうぜ」
地を蹴りキリトが突っ込んでくる。リンとリョウコウはニヤリと笑うとお互いに迎撃体勢に。二対一は卑怯?真剣に戦わない方が卑怯だろう
「せいっ!」
キリトの右袈裟斬り。左の斬り払い。右の突き。左の斬り下ろし。右のを引きつつ左の返し斬り
それをリンは弾き、時には反らし、最後は後ろに跳んでリョウコウにスイッチする
「だぁぁぁ!!」
リョウコウは気合いとともに冷裂を一閃。キリトは剣をクロスして受け止めようとするが準備していたリョウコウと咄嗟に防御体勢をとったキリト。どちらが勝つか、もはや明白だった。崩れた体勢のキリトにリョウコウは横に振った冷裂を強引に止め、手首を返しキリトへ振りかぶる。上空からはリンが迫る
だが、キリトは攻撃の手をやめない。キリトは最後に残った時間で両手に持った剣を投げた。二連撃投剣技"ダブル・シュート"。リンとリョウコウは攻撃モーションに入っているためかわすことはできない。だが、その攻撃ではリンとリョウコウのHPを削りきることはもちろん不可能
そして、キリトのたすきの耐久値も0になった
後書き
アスナ「えっと、リン&リョウコウペアの勝ちだね」
ヒース「ふむ。このソードアート・オンラインには飛行型の敵はごくわずかだからね。知らず知らずのうちに上への警戒がなくなってしまっていたのだろう」
アスナ「そういう点ではリョウコウとリンの組の作戦勝ちってところね。まさか、リョウコウさんの肩を使って上に跳ぶなんて……」
ヒース「これにより大本命がいなくなったわけだな。さらなる波乱が予想できるだろう」
アスナ「うー……やっぱり出たかったなぁ……」
蕾姫「まあ、諦めなさい。"閃光"のアスナさん?」
アスナ「なんか、作者さんに言われると皮肉にしか聞こえない……」
蕾姫「まあまあ。よし、次回はキリカとドウセツの一回戦だ!」
ヒース「次回も見てくれたまえ」
蕾姫「……なんでヒースクリフが言うんだよ……」
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