ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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デュエルとハニートラップ?
カウントが0になった時、まず飛び出したのはスピードに勝るリン。踏み込み後即座にトップスピードにもっていく。突き出していた右手の剣を少し引き、そのまま突き出す。リンの今出せるトップスピード。それに加え、使っている得物はキリトの巨大な剣。これを真っ正面からうけとめるなど、愚の骨頂。ユージーンもそれがわかっているのか回避行動に入る。正中線を狙ったリンの一撃をかわすためにユージーンは体を左に傾ける。右にかわすとリンの左手の剣に斬られる危険性があったからだ。だがリンはそれをよんでいた。突き出した右手を基点に三百六十度回転する。そして、突進の勢いを回転の勢いに変換し左手の剣をユージーンに叩きつける
「ぐおッッ!!」
ユージーンはそのトリッキーな一撃を剣でギリギリ防ぐことに成功する。だがリンの攻撃はそこで終わらなかった
「はぁぁ!!」
「ぐわッッッ!!」
踏み込んだ左足をさらに基点にし右足でユージーンの剣の下を蹴った。なぜ剣で斬らなかったかというと、この連携攻撃。剣の高さをコントロールできないのだ。加えて言えば剣の高さは右手も左手も同じ。つまり今右手の剣を振ってもユージーンの剣に阻まれカウンターを食らう可能性があるのだ。だからリンは蹴りを選択した。ユージーンは十メートルほど吹っ飛び、翅を使って倒れないように耐えた
「凄まじい連携だな。今のは危なかった」
「そっちこそ。防がれるとは思わなかった」
あの攻撃。ニ撃目が当たれば三撃目も当たる攻撃なのだ。被ダメージは、当たった時のスピード、攻撃する側の剣自体の攻撃力、受ける側ね防具自体の防御力によって決定する。武器のグレードに差はあるが、おそらくあの二太刀でHPは全て吹き飛んでいただろう
「面白い」
いかつい顔をわずかにゆるませるユージーン
「次はこちらから行こう!」
そう言って翅を広げ飛び上がるユージーン。大剣の真骨頂。その重量を載せた振り下ろし。それに落下のエネルギーを込めた一撃はまさに必殺と言っていいだろう。躱した場合、反撃はできない。つまり、逸らすべきだと考えた。ここで、ふとした疑問が頭をよぎる。ユージーンほどの剣士が、スピードタイプである自分に対しそんな力任せの一撃を放つだろうか?だが、動き始めた体は止まらない。ユージーンの剣を逸らすため、右手の剣で逸らそうとした
その瞬間。背中に悪寒が走った。とっさに右手の剣で逸らした時たたき込むつもりだった左手の剣を引き戻し、翅を使って自分の体の勢いを止めようとする。ユージーンの剣は左手の剣をそこに何もなかったかのようにすり抜け右手の剣に当たった。先程も言ったようにこの一撃は必殺の一撃。片手の剣……いや、どんな武器だろうと完全には受けきれないだろう。リンの体はそのまま吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。そして土煙が立ち込める
「……今のは痛かったぞ」
「初見で防がれるとは思っていなかった」
土煙が消えると片膝をついているリンの姿があった
「今の攻撃……組み合ったときに衝撃を……いや、任意に透過かな。そして、連続での透過はできないみたいだが」
「ほう、よくわかったな。今のはこの魔剣グラムのエクストラ効果<<エセリアルシフト>>というものがあってな。剣や盾を透過できるというものだ。お前の言った通り連続での透過はできないがな」
「剣や盾か……だったら」
「確かに二本の剣を使えば防げるだろう。だが、防戦一方になる。このデュエル。お前は俺に勝つことはできない」
「はははっ」
俺は大きな声で笑う。それを聞いてユージーンは眉を上げる
「何がおかしい」
「いやなに。その<<エセリアルシフト>>を破る方法を考えついたからな」
「面白い冗談だ」
「なら……かかってこい!」
「いいだろう」
そう言ってユージーンは大剣を構え、こちらに向かって走ってきた。そして、大剣を振りかぶり袈裟斬りに斬ってきた。俺はそれをおもいっきり後ろに回避する。するとユージーンは流れるような手さばきで剣の方向を変換。そのまま斬り上げてくる。俺はそれを二段構えの剣で防ぐと距離をとる
「逃げてばかりでは勝てないぞ?」
「待ってるんだよ。千載一遇の時をな」
「そうか……。だが、その時は……永遠に来ない!!」
ユージーンはそう言い切ると大剣を上段に構え突進してくる。狙いは俺の正中線。スピードもあり、距離が近かったこともあり、かわすのは不可能。防ぐとしたら二本の剣で防ぐしかなく、しかも下手をすれば防ぐことに失敗する可能性がある。
だが、俺はこれを待っていた!!
俺は自分の剣を二本。真上に投げる
「あきらめたか?」
だが、ユージーンの体は止まらない。その一撃は俺の体を分断するだろう
「いや……今が千載一遇の時だ」
俺はニヤッと笑ってそう言った。二本の手を前に。そして、うなりを上げて振り下ろされた大剣を……
その手で挟み込んだ
「なっ!?」
「真剣白羽取りってな!!」
驚きに一瞬動きを止めるユージーン。その一瞬が命取りだった。リンは、ユージーンの手を足で蹴る。ユージーンは剣を掴んでいることができず、ユージーンの剣は明後日の方向に飛んでいく。あわてて下がろうとするユージーン。だが、上から落ちてきた二本の剣をリンが取ったのを見て動きを止めた
「チェックメイト。丸腰の相手を斬るのは目覚めが悪いんで、降参してもらえますか?」
「……俺の負けだ」
そして、ユージーンはいさぎよく負けを認めた
「見事、見事!!」
「すごーい!ナイスファイトだヨ!」
しばらく沈黙のあと、シルフ領主のサクヤ、ならびにケットシー領主のアリシャ・ルーの賛辞を皮切りにシルフ、ケットシー族だけでなく敵であるはずのサラマンダー族までもが歓声が上がった
「強いな。まさか、負けるとは思わなかった。いいだろう、ここは引こう」
「ああ、そうしてくれると助かる。まあ、たとえ襲ってきたとしても返り討ちにできるがな」
そう言うとユージーンは俺をみ、ついでキリトを見ると僅かに口角を上げた
「そういうことにしておこう」
「……あんたとはもう一度戦いたいな」
これを言ったときの俺の顔は笑っていたと思う
「楽しみにしておく」
そう言ってユージーンは部下のサラマンダーを連れて去って行った
「……蹴ることはないだろ。しかしなぁ、俺も戦いたかった……」
「今度やってもらえ」
「おう、そうするよ」
「すまんが……状況を説明してもらえると助かる」
俺とキリトの緊張感のない会話にシルフ領主サクヤが入ってきた
静かになった会場でリーファはこれまでの経緯を話した。それを聞いた結果、サクヤはシグルドを追放。それで決着した
「キミ強かったネ?さっきのユージーン将軍はALO最強って言われてるんだヨ。それに正面から勝っちゃうなんて……インプの秘密兵器、だったりするのかな?」
「それはないな。俺はただの通行人Aさ」
「ぷっ、にゃはははは」
ケットシー領主アリシャは俺の腕を取ると……というか腕に抱きついた。そして誘惑するかのように流し目で見つつ、
「フリーなら、キミ……ケットシー領で傭兵やらない?三食おやつに昼寝つきだヨ」
「なっ……」
正面にいたリーファの顔が引きつる。俺はというと腕に胸が当たってるんだが……アリシャの目の好意の色が薄いため別に変な気持ちにはなったりしない
「おいおいルー、抜け駆けはよくないぞ」
また、アリシャと同じようにサクヤも腕を絡めてくる。……ブルータス、おまえもか。まあ、ALO最強と言われたユージーン将軍を倒した俺だ。一応、俺がALO最強の名を手に入れたと言っても過言ではない。しかもフリー。ならば勧誘し、自身の領土に引き込もうとするのは領主として当然だろう
「彼はもともとシルフの救援に来たんだから優先交渉権はこっちにあると思うな。リン君と言ったかな……どうかな、個人的興味もあるので礼も兼ねてこの後スイルベーンで酒でも……」
その言葉でリーファの顔がさらに引きつる
「あーっ、ずるいヨ、サクヤちゃん。色仕掛けはんたーい」
「人のこと言えた義理か!密着しすぎだお前は!」
どっちもどっちだろと思う俺がいる。……そろそろ行かないといけないので放してもらえるように言おうとした時、リーファが俺の服を引っ張って言った
「だめです!リン君はあたしの……」
「あたしの……何だ?」
リーファは顔を赤くしながら焦っている。キリトはニヤニヤと。あの野郎……後でしばく
「お言葉はありがたいが、今ちょっと優先すべきことがあって……すみません」
「そうか……引き止めて悪かった。優先すべきこととは何だ?」
「ちょっと世界樹の上に行って、ある人を叩き起こしてくるだけさ」
「世界樹の?なんだかミステリアスな話だネ」
どうやら好奇心を刺激されたらしくアリシャが眼をきらきらさせるが、すぐに落ち込んだようにうなだれた
「でも……攻略メンバー全員の装備を整えるのに、しばらくかかると思うんだヨ……。とても一日や二日じゃあ……」
「とりあえず、樹の根元まで行くのが目的だから……あとは何とかするよ」
「……何の違和感も無く入ってきたな、キリト」
キリトが会話に割り込んできて最後のセリフを奪っていく。キリトはしてやったりという感じの表情をしていたが、俺が口パクで後で覚えておけよと言ったら顔が真っ青になった
ちなみにその後、俺はリーファと話していたため気付かなかったが、キリトがサクヤとアリシャに自分の出せる全額を出していたそうだ。後々泣き付いてくることになるのだが、今はまだ知らない
後書き
蕾姫「実は……もうすぐ十七歳になります。イェー!!」
リン「だから?」
蕾姫「記念に何か……」
リン「いらん。ただでさえ遅いのに、さらに進行が遅れるだろ」
蕾姫「……orz」
リン「まあ、それは置いといて、俺の声優についてだ。それについて二人の方から意見が……」
蕾姫「まずはWA・WA・WAさんから鈴村健一だそうです」
リン「銀魂の沖田とかが有名だな。作者はこのキャラの声しか聞いたことないが……」
蕾姫「セリフは?」
リン「土方さん。危ないですぜぇ……うろ覚え乙」
蕾姫「二人目は鯛焼きさんで……えっと……」
リン「どうした?」
蕾姫「リンのCVはこの人がいいって」
その人の名前が書いてあるカンペをリンに見せる。リン絶句
蕾姫「ではセリフをどうぞ!」
リン「今日ぉの俺は紳士的だ。運が良かったな」
蕾姫「くっくっく。というわけで若本規夫さんでしたwww」
リン「……今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろぉ!」
蕾姫「ちょっ!?チャクラが具現化するだとぉ!?」
リン「ジェノサイド・ブレェェイバァァァァァァ!!!」
蕾姫「俺を倒しても第二第三の作者がこの小説をぉぉぉ!」
最後に言おう、何このカオスwwww
感想その他もろもろ。よろしくお願いします!
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