ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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風の塔と魔法
前書き
遅くなりました……
スイルベーンの方向へ向かって進み始めた。するとキリトは飛行に慣れたのか言った
「もっとスピード出してもいいぜ」
「ほほう」
リーファはにやりと笑うとスピードを上げる。SAOで鍛えた精神力をフル使用すれば最高速度でも可能だろう。案の定、キリトもついてきている
「はうー、わたしもうだめです〜」
ギブアップしたのはユイ。キリトの胸ポケットに潜り込む……やっぱりダメだったか
しばらく編隊飛行を続けていると森が切れ、街が見えてくる
「お、見えてきたな!」
キリトがそう叫ぶとリーファも叫び返した
「真中の塔の根元に着地するわよ!」
「了解!」
「……」
俺は了解と叫ぶがキリトは何も言わなかった。それを疑問に思ったのかリーファはキリトに訊ねる
「キリトくん、君、ライディングのやりかた解る……?」
「解りません……」
「えーと……」
キリトは手遅れ確実だな
「大丈夫……骨は拾ってやるよ」
リーファと同じく翅を一杯広げ制動をかけ、足を出し着地姿勢をとる
「だいじょうぶじゃねぇぇぇぇぇぇ!?」
キリトはそのまま塔にマンガよろしく大の字で張りついた。俺はリーファと顔を見合せ、笑う
「大丈夫かな?」
多少心配そうな表情を見せるリーファだがいろいろピクピク動いていて、爆笑を押さえるので精一杯のようだ
「やつは殺しても死なん。心配しろという方が無理な話だ」
そう言って俺はキリトの方へ歩きだすのであった
「うっうっ、ひどいよリーファとリン……飛行恐怖症になるよ……」
風の塔の根元にキリトは座り込みこちらを恨みがましい眼でこちらを見てきた
「眼がまわりました〜」
ユイもフラフラになっている
「減速して着地する練習しないでスピードを出したお前が悪い」
「それはリンだって同じだろ?何でリンは着地できたんだ……」
「リーファの真似をしてみたらできたからな。まあ、リーファの隣にいたお前は見る余裕がなかったと思うが」
「まあまあ、回復してあげるから」
間に割り込むようにリーファが声を出した。そして、回復スペルを唱えた
「お、すごい。これが魔法か」
「魔法ねぇ……」
「高位の治癒魔法はウンディーネじゃないとなかなか使えないんだけどね。必須スペルだから君たちも覚えたほうがいいよ」
「へえ、種族によって魔法の得手不得手があるのか。スプリガンてのは何が得意なの?」
「トレジャーハント関連と幻惑魔法かな。どっちも戦闘には不向きなんで不人気種族ナンバーワンなんだよね」
「うへ、やっぱり下調べは大事だな」
「……情報は大事だろ。あの世界で散々学んだはずじゃないのか?」
俺が呆れたような声を出すとキリトは真剣な顔でうなずいた
「確かに……な。気が緩んでるのかも。……それはそうと、インプってのはどんな種族なんだ?」
「暗中飛行と暗視に長けているらしい。どこでもこいつが使えるようにってな」
俺は自分の腰にある剣を叩いて言った
「俺もインプにすればよかったかな……」
キリトは立ち上がると口を開いた
「ここがシルフの街かぁ。綺麗な所だなぁ」
「でしょ!」
「何でリーファが胸を張るんだよ……まあ、確かに綺麗な街だけどな」
街並みは緑色に輝いている。しばらく街並みに見入っていると横から声が聞こえた
「リーファちゃん!無事だったの!」
声が聞こえた方に顔を向けると黄緑色の髪のシルフが手をぶんぶん振っていた
「あ、レコン。うん、どうにかねー」
「すごいや、アレだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん……って……」
目をキラキラさせてリーファを見ていたが俺とキリトを見た瞬間、凍り付く
「な……スプリガン……それにインプじゃないか!?なんで……!?」
飛び退き、腰のダガーに手を掛けようとするので俺も腰の片手剣に手をかける。抜刀はしないが
「あ、いいのよレコン。この人たちが助けてくれたの」
「へっ……」
レコンと呼ばれた少年は再び凍り付く
「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、君たちと出会うちょっと前にサラマンダーにやられちゃったんだ」
「そりゃすまなかったな。よろしく、俺はキリトだ」
「俺はリンだ。よろしく頼む」
「あっ、どもども」
キリト、俺の順番で握手をし、ペコリと頭を下げてからまた飛び退る
「……何のコントだ?」
「コントじゃないって!それよりもだいしょうぶなのリーファちゃん!?スパイとかじゃないの!?」
「あたしも最初は疑ったんだけどね。リン君はともかくキリト君はスパイにしてはちょっと天然ボケ入りすぎてるしね」
「確かに……キリトはスパイに向いてないな。一瞬でばれる」
「あっ、二人ともひでえ!」
俺たちのやりとりをしばらく見ていたがやがて咳払いをして言った
「リーファちゃん、シグルドたちは先に<<水仙館>>で席取ってるから、分配はそこでやろうって」
「あ、そっか。うーん……」
しばらく考えたあと口を開いた
「あたし、今日の分配はいいわ。スキルに合ったアイテムもなかったしね。あんたに預けるから四人で分けて」
「へ……リーファちゃんは来ないの?」
「うん。お礼にリン君とキリト君に一杯おごる約束をしてるんだ」
「……」
先ほどとは多少異なる警戒心を滲ませるレコン。だからちょっとからかってみることにした
「まあ、そういうことだから」
そう言って、リーファの肩を抱く。リーファは顔を真っ赤にして「あっ、ちょっ」とか言っているが無視する。するとレコンからの視線が死線へと変化した
「冗談だ」
そう言ってリーファの肩から手を離す。それでも死線は消えない
「ちょ、ちょっと、妙な勘繰りはしないでよね」
顔を真っ赤にしてどもどりながら言っても信じてもらえないと思うが……
「次の狩りの時間とか決まったらメールしといて。行けそうだったら参加するからさ、じゃあ、おつかれ!」
「あ、リーファちゃん……」
アイテムを送信し、俺とキリトの手を引いて強引に引いてレコンから逃げるようにリーファは歩きだした
後書き
詩乃「……」
蕾姫「あの……詩乃さん。何でそんなに不機嫌なんですか?」
詩乃「……この小説のヒロインは私じゃなかったの?」
蕾姫「その通りです……」
詩乃「なのに何で……」
蕾姫「……どっちにしようか悩んでます。シノンOnlyにするか、リーファも入れるか……次回もよろしくお願いします!」
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