ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~
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移動とデュエル
前書き
短い……
「さっきの子は、リーファの彼氏?」
「恋人さんなんですか?」
「ハァ!?」
キリトとユイはレコンがいなくなると同時にそんな言葉をリーファにかけた
「ち、違うわよ!パーティーメンバーよ、単なる」
「それにしちゃずいぶん仲良さそうだったよ」
「リアルでも知り合いって言うか、学校の同級生なの。でもそれだけよ」
それを聞いて俺はキリト目を向ける。同じことを考えたのか、キリトも俺に目を向けてくる
「俺たちもリアルでも知り合いだよな」
「何いってるんだ、親友だろ」
わはははと笑いあう俺たちを見てリーファは呆れたような顔をしている
「はぁ……とりあえず行くわよ」
再び歩きだす俺たち。すれ違うシルフのプレイヤーはギョッとした表情を浮かべるがリーファがいるからかそれだけである。しばらく歩くとリーファのお気に入りらしい<<すずらん亭>>という店が見えてくる。が俺たちの行く手を一人のシルフの男性プレイヤーが遮った
「おい、何でスプリガンとインプがここにいやがる」
「すぐ近くにこの街があったからな。よらせてもらっただけだ」
「リーファさんも何でこんなやつらを連れ込んでるんですか!」
「助けてもらったからね」
「本当にそれだけですか?」
「(こいつ、リーファに惚れてるな)」
俺はいつもの悪癖を出してしまい、そのプレイヤーをからかう
「ご想像におまかせします」
レコンの時と同じくリーファの肩を抱いて返答する。するとリーファは顔を真っ赤にした。それを見たシルフのプレイヤーは歯ぎしりをし、剣を抜いた。そのシルフの得物は両手剣。使い込まれた感じがする。かなりの使い手だろう。その剣をこちらに向け、言い放つ
「そのまま斬りたいが、無抵抗の相手を斬るのは心証が悪いからな。デュエルを申し込んでやる。リーファさんの隣にふさわしいのはこの俺だ!」
言い終わると同時に俺の前にデュエルの申し込み画面がオプションは全損モード。SAOではあり得ない表示だ。もちろん承諾
「ちょっと、相手が誰だかわかってるの!?スイルベーンである武闘大会イベントで必ず上位に食い込む実力者よ。キリト君も何か言ってあげて」
「大丈夫じゃないか?実力でいうならリンの方が遥かに上だし」
そんなことを言い合っているのをよそに俺は集中する。剣と一体になる感覚
「俺の名前は、ランカー。自分を負かしたやつの名前ぐらいは知っておきたいだろ」
勝利を確信したような顔。名前なんてデュエルを承諾したときに見てるし、わざわざ言う必要なんてない。俺は言葉少なく「リンだ」とだけ言った。
カウントが0になった瞬間、俺は地面を蹴り一瞬でランカーとの距離をつめる。SAOの世界ならば、片手剣基本突撃技<<レイジ・スパイク>>と呼ばれた技を放つ。基本技とはいえ、SAOトップレベルの速さを持つ俺が使う<<レイジ・スパイク>>を油断していて反応できるわけがなく、ランカーの体を吹き飛ばした。ランカーのHPを確認すると六割ほどが消えていた。ダメージは技の速度、当たった場所、武器の攻撃力に左右される。だから<<レイジ・スパイク>>でも六割削れたんだと思う。ランカーは起き上がると自分のHPを確認して驚愕し、こちらを睨んでくる
「てめえ……何で追撃をしなかった……追撃されてたら俺のHPは0だったはず」
「お前が俺をあなどってたからだ。そんなやつ、相手にする価値がない」
「……その言葉、後悔させてやる」
ランカーが纏う空気が変わる
今度はランカーが先に地面を蹴った。現実で剣道でもやっているのだろう。流れるような動き剣を振り上げる。対して俺は前に突き出した剣を後ろに引き、体ごとひねる。SAOでは一撃必殺のあの技の初動モーションをとる。そこに、ランカーは斬り込んだ。面を狙う一撃。俺はその一撃をランカーの剣の腹を左手で殴った。この技はSAOでの名前で単体体術技<<ショック・ヘッド>>。本来は敵の頭を横凪ぎに殴り、敵を気絶させる技なのだが今回、殴ったのは相手の剣だ。ランカーの顔が驚愕に歪むのを見ながら、そのまま右手の剣で<<ヴォーパル・ストライク>>を放った。<<ヴォーパル・ストライク>>はランカーのHPを全て刈り取った。ランカーのアバターは砕け散り、緑色の炎が後に残った
「お疲れ。というか本気出してなかっただろ。お前の本気にしては遅すぎる」
「えっ、あれで本気出してないの!?」
「まあ、ギリギリで負けた方が悔しいだろ?」
ニヤリと笑ってそう言うと、二人は呆れたようにため息をついた。性格悪い?突っ掛かってきた方が悪いだろ
「とりあえず中に入ろうよ。視線が痛いし」
「はいはい」
そう言って俺たちは店の中に入る。外では、ざわざわとした喧騒が戻っていた
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