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久遠の神話

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第三十六話 中田との戦いその四


「特に」
「そうだけれどね。それにしてもね」
 かなり考える顔になりだ。彼はまた樹里に話した。
「若しそうだとあの人ってね」
「かなり凄い勉強してるのね」
「そう思うよ。文武両道の人だよね」
「ええ、そうなるわね」
 こう話すのだった。二人で。
 こうした話をしてその帰り道にだ。二人はその聡美と会った。すると彼女から二人にこう言ってきた。
「今時間あるかしら」
「はい、あります」
「私もです」
「そう。それならね」
 二人の話を聞いたうえでだ。聡美はにこりと笑ってだった。二人にこう告げた。
「今からちょっとね」
「お話ですか」
「剣士のことについての」
「ええ、いいかしら」
 こう二人に言うのだった。
「ちょっとね」
「わかりました。じゃあ場所は」
「何処でお話しますか?」
「駅前にファミレスがあるから」
 そこでだというのだ。
「そこに入って。お茶でも飲みながらね」
「はい、じゃあ」
「あのお店で」
 二人は聡美の言葉に頷きそうしてだった。
 三人でその店の中に入った。ファミレスの中は明るく客も多い。その中の一室、窓際の席に座ってそれからだ。お茶を飲みながら話すのだった。
 まずは上城がだ。向かい側に座る聡美にこう言った。
「このお店っていいんですよ」
「飲み物が美味しいの?」
「はい、しかも種類が多くて」
 上城は笑顔で聡美に話していく。見れば今はお茶ではなく烏龍茶を飲んでいる。
「フリードリンクですから」
「幾らでも飲めるからなのね」
「一人辺り五百円ですからね」
「凄く安いですよね」 
 上城の横にいる樹里も笑顔で聡美に言ってくる。
「ですから八条学園の生徒はよくここに来るんですよ」
「人気のお店の一つなんです」
「そうね。確かにね」
 聡美は二人の言葉を受けて店の中を見回す。するとだった。
 確かに八条学園高等部の制服が目立つ。私服は大学だった。
 八条学園高等部は色々な種類の制服がある。だがそのそれぞれの制服は聡美の頭の中に入ってきていた。大学から高等部の面々が目に入るからだ。
 それでだ。こう言うのだった。
「多いわね」
「それだけいいお店なんです」
「お料理もスイーツも美味しいですし」
「僕達いつもここに来てますよ」
「そうしてるんです」
「八条学園の生徒は外にも馴染みのお店が多いけれど」
 例えば喫茶店マジックやカラオケショップのスタープラチナ等だ。そうした店が多い学園なのだ。
「このファミレスもなのね」
「そうです。それで聡美さんは」
「それ飲まれるんですか」
「ギリシアではジンジャーエールってあまり飲まないの」
 自分の前に置いてあるそのグラスの中のジンジャーエールを見ながらだ。聡美は二人に答えた。その中からは泡が少しずつ出てきては消えている。
「だからなの」
「それでなんですか」
「今飲まれるんですか」
「ギリシアではコーヒーなの」
 所謂コーヒー文化圏に入るというのだ。 
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