久遠の神話
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第三十四話 戦闘狂その四
「それが必要です」
「戦うことにも」
「卑怯なことはしない、相手を傷めつけはしない」
具体的にだ。高代は暴力ではない力について上城達に説明しだした。
「倒しはしてもです。相手を苦しませたり虐待するものではないのです」
「若しそうしたことをすればですか」
「暴力になります」
こう言うのだった。
「そうなりますので」
「では先生はそうしたことは絶対に」
「勿論上城君にも振るいません」
暴力は。決してだというのだ。
「教師は暴力を振るいやすい立場にいますが。絶対に」
「そうですね。そんな先生多いですよね」
樹里がここでまた言う。
「暴力教師は」
「はい、非常に多いです」
「どうして学校の先生にそうした人が多いんでしょうか」
「生徒への教育や雑用でストレスが溜まるのです」
比較的ストレスの溜まりやすい職業ではあるのは間違いなかった。
「それに。生徒より確かに上の立場にありますね」
「教えるからですね」
「人間としては対等の筈なのにこう勘違いする人が多いのです」
「自分は生徒よりも偉いと」
「偉いと思うからです」
年齢や立場の関係以上にだ。そう勘違いしてだというのだ。
「自分より下の人間に対して」
「暴力を振るうんですか」
「それもまた教師なのです」
「だから暴力を振るう先生が多いのですか」
「しかも学校という場所は閉鎖的な世界です」
高代の指摘は続く。
「悪事が表に出にくいのです」
「いじめみたいにですか」
「はい、実は教師の世界でも」
いじめについてもだ。高代は話した。
「あります」
「えっ、そうなんですか?」
「先生の中でもいじめってあるんですか」
「まず。教師が聖職者というのは嘘です」
高代はこのことを否定した。
「それは誤った認識です」
「正しい人ばかりじゃないから」
「だからですか」
「はい、そうした人が多いです」
まさにだ。そうだというのだ。
「残念なことですが」
「確かに。そうですね」
「先生が立派な人ばかりじゃないというのは」
「それはちょっと」
「困った話ですよね」
「ですがこれが現実です」
高代は残念そうに上城と樹里に話す。
「教師の世界の中でもいじめがあり」
「そして暴力がある」
「そうなんですね」
「むしろ教師の世界は閉鎖的であり外からの目を阻む為」
その為だというのだ。
「そうした人が多いのです」
「暴力、いじめも含めてそれを振るう人が」
「多いんですね」
「そうした教師は悪い生徒よりも遥かに問題です」
「じゃあ先生はそうした教師もですか」
「いない学園を」
「そうです。特に日教組は」
この組織についてはだった。高代は特に嫌悪と警戒を見せた。
「排除したいです」
「先生は組合はお嫌いですか」
「組合によります」
高代は上城の問いにその顔を見ながら答えた。
「日教組は私から見て非常に危険で腐敗した組織です」
「じゃあそこにいる先生は」
「いい教師でない場合が多いです」
「そうだったんですか」
「私は。本当に心から思います」
切実な顔になってだ。高代は上城と樹里に話した。
「正しい教師が教える学び舎を世に送り出したいのです」
「その為に先生は戦って生き残られるんですか」
「戦いはその為の手段です」
割り切ってはいた。高代は戦いを楽しもうとは思っていなかった。このことは確かだった。
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