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久遠の神話

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第十九話 高代の力その七


 上に掲げてだ。一気に振り下ろす、それと共にだ。
 高代の周りをだ。木の葉が包んだのである。それを見てだ。
 高代はだ。こう言ったのである。
「これが貴方の力ですね」
「そうです。木の力です」
「ですね。では私もまたです」
 木の葉がだ。高代のスーツに触れる。するとだ。 
 それだけでスーツが切れる。木の葉は刃だった。
 その刃を横目で見つつだ。高代は。
 剣をだ。手首だけで振った。するとだ。
 剣からだ。無数の星が出た。その星達がだ。
 木の葉を一つ、また一つと打ち消していく。そうして瞬く間に木の葉を消したのである。
 それを観てだ。広瀬は言った。
「光が消しますか」
「御覧の通りです」
「そうですね。では今度は」
「何を為されるおつもりですか、次は」
「こうします」
 言ってすぐにだった。次はだ。
 その木の力を持つ剣をだ。下から上に一閃させた。それによってだ。
 地面から根を出してだ。高代に向けた。それで彼を撃とうというのだ。
 それだけでなくだ。さらにだった。
 剣を再び掲げて上から下に振る。するとまただ。
 木の葉がまた出て来た。複数の攻撃だった。それで仕掛けて来たのだ。
 その二つを放ってからだ。彼は高代に問うた。
「これならどうしますか」
「複合攻撃ですか」
「木の葉と根」
 まさにだ。その二つだった。
「そう簡単に防げるものではないと思いますが」
「確かに。その通りです」
「では。どうされますか」
 技を放ったうえでの問いだった。
「この攻撃に対して」
「こうします」
 応えてだ。すぐにだった。
 高代はだ。その剣を今度はだ。
 右手に持ったままでだ。右斜め上から左斜め下に振った。そしてだ。
 続けてだ。左斜め上から右斜め下に振った。それでエックスを描いたのだ。
 それと共にだ。そのエックスがだ。まずは根を撃った。
 それで根を打ち消してだ。同時にだった。
 再び剣を右手だけでスナップさせた。それでまただった。
 剣から無数の星の瞬き、銀に輝くそれを出してだ。木の葉をだ。
 消した。こうして広瀬の複合攻撃も防いだのである。それを見て広瀬は言うのだった。
「見事です」
「貴方も。相当な術の使い手ですね」
「それなりに戦いを経てきましたので」
「経験を積まれているのですね」
「はい」
 そうだと答える。高代に対して。
「今の攻撃は自信があったのですがね」
「その様ですね」
「しかし。一歩も動かれずですか」
 見ればだ。二人共まだ一歩も動いてはいない。
「それでもですか」
「剣がそうさせてくれました」
 高代はその広瀬を見据えつつ述べた。
「だからです」
「そういうことですね。それでは」
「今度は私の番ですね」
 広瀬が言うとだ。同時にだった。
 高代は右手に持つ剣を構えてだ。今度はだ。
 動いた。右から左に滑る様に。それを受けてだった。
 広瀬も動いた。彼は左から右にだ。それぞれ逆時計周りに動きだ。
 互いに隙を窺う。そしてだった。
 高代はその剣からだ。光の帯を放ったのだった。
 銀色の帯はさながらビームの様に広瀬に向かって放たれる。そのうえで彼を貫こうとする。その光をだ。
 何度も繰り出す。突きで出しながらだ。動きながらそうしてきたのだ。
 だが広瀬は動きつつだ。その光をかわしてだ。
 そうしてだ。彼もだった。
 右手に持つ剣をだ。駆けながら剣をだ。左右に振ってだ。そうしてだ。 
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