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久遠の神話

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第十七話 六人目の戦士その五


「俺達は見たいんだよ、ブルマを」
「それは男の浪漫だよ、わかるか?」
「女の子のブルマ姿がな」
「実際に見たことがないから」
 どうしてもだと答える上城だった。そうしながらジャージを脱ぎトランクスから制服に着替える。彼はそうしながら答えているのだ。
「どう言われてもね」
「上城、御前浪漫がわからないのか?」
「それって悲しいぞ」
「ブルマの浪漫がな」
「ううん、僕もブルマについては知ってるけれど」
 首を捻りながら話す彼だった。
「けれどそれでもね」
「現実には見てないからか」
「そう言うのかよ」
「うん、悪いけれど」
 実際にそうとしか答えられなかった。彼はだ。
 そしてだ。こうも言うのだった。
「僕は袴とか好きだけれどね」
「御前そっちか」
「和服派だったのか?」
「どっちかっていうとね」
 そちらの嗜好だというのである。
「僕はね。あと巫女さんかな」
「おいおい、結構いいセンスしてるな上城も」
「だよな。袴に巫女さんか」
「それもいいよな」
「結構以上にな」
 周りはそちらにも考えを及ばせた。ブルマからだ。
「袴だったら弓道なり剣道なりでいるしな」
「かるた部だってそうだぜ」
「あと書道部も」
「茶道なら完全に和服だな」
 煩悩全開で話をしていくのだった。彼等は彼等で話していた。そうしてだ。
 そのうえで着替えを終えて教室に戻る。既に女子達は着替え終えていて中に入られる。中に入ってだ。彼等はこう女組に尋ねたのである。
「そっち更衣室どうしたんだよ」
「今日は使えなかったのかよ」
「何か。何処も一杯でね」
 それでだと話す彼女達だった。
「それでこうしてね」
「クラスでね」
「そうか、それでか」
「今回は特別なんだな」
「そういうことよ」
「待たせたわね」
「いや、別にな」
 男子の一人が応える。
「俺達も今来たところだしな」
「待ってないぜ」
「そうなの。じゃあいいけれど」
「それならね」
 こうした何もなかったかの如きやり取りからだ。男子も女子も自分達の話についてはあえて何も言わずだ。教室に戻った。これが彼等の日常だ。
 その日常の中でだ。聡美はだ。上城、そして樹里にだ。放課後にだ。戦いのことを話していた。
 その日は二人も聡美も部活はなかった。それでだ。三人でゆっくりとしていたのだ。そしてその中でだ。聡美は二人に話したのである。
「六人目の剣士の人ですが」
「出て来たんですか、遂に」
「いえ、まだです」
 そのことには首を横に振って上城に答える。今彼等は校内、八条大学のキャンバスの中を歩きながら話している。八条大学の中は木々が多い。
 その木々の間を歩きながらだ。三人は話していた。そこでだ。
 聡美はだ。こう上城に話した。
「ですが。感じました」
「六人目の気配をですね」
「微かですが」
 それでもだ。感じたというのだ。 
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