久遠の神話
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第十七話 六人目の戦士その四
「ちょっと動くとね」
「えっ、じゃあティーバックとかじゃないとショーツ見えるの?」
「動いたら」
「そうみたい」
この危険性についても話される。
「だから。すぐにお尻のところをなおさないと駄目なんだって」
「それにあれってお尻にも食い込みそうね」
「お尻のライン完全に見えるし」
「前だってそうよね」
「AKBだって黒スパッツなのに」
アイドルグループの話も入ってきた。
「何か昔って酷かったのね」
「女の子は体育の時間は皆ブルマって」
「バレーの選手だってそうだったんでしょ?」
「あんなの得するの男だけじゃない」
見てだ。それによってだ。
「変なゲームじゃないんだから」
「あんなの絶対にはけないわよ」
「半ズボンやスパッツでも足見えるし」
見れば彼女達の奇麗な足がどれも露わになっている。皆半ズボンかスパッツなのだ。それは樹里だけではなかったのである。
「ジャージって暑いしね」
「だから半ズボンなんだけれど」
「それってねえ」
そんな話をしながらクラスに入り着替える。男子は更衣室だ。
そこでは彼等はこんなことを話していた。
「昔はよかったみたいだな」
「ああ、女子の体操服だよな」
「ブルマだったんだよな」
「今はもうないけれどな」
「ブルマな」
「完全に消えたよな」
「何で消えたんだ?」
男側の意見はこうだった。
「あの完全に下着、って感じがいいのにな」
「あれだよな。下着姿で走り回ってるよな」
「そうそう、ブルマはな」
「まさにそんな感じだよ」
女の子達と同じ考えだった。しかし視点が違う。
彼等は残念そうにだ。こう話していくのだった。
「いやらしいからって廃止かよ」
「ブルセラショップとかがあるから」
「お陰でもう漫画とかでも少数になってきたしな」
「アニメでも半ズボン増えてるぜ」
それかスパッツである。その、だ。
「もうな、何ていうかな」
「スパッツとか半ズボンじゃ駄目だろ」
「ショーツそのままで走る様なあのデザイン」
「お尻のラインが完全に見える」
「脚だって付け根まで丸見えでな」
「ちょっとしたらお尻に食い込んで下着だって見える」
その中の秘境もだというのだ。
「ジャージとかスカート脱いだら出るのもいいよな」
「そのブルマの醍醐味が消えたなんてな」
「世の中どうなってるんだよ」
「間違ってるぜ」
彼等は実に悔しそうに話す。その話を聞いてだ。
上城はだ。ふとこう言うのだった。
「けれど僕達の年代ってさ」
「もうブルマないってか?」
「そもそも実際に見たことすらっていうんだな」
「そうだよ。ないよね」
彼が言うのは現実だった。ポーやルートヴィヒ二世が倦んだ現実だ。
「そもそもね。だからそう言われても」
「わかってるよ、そんなことは」
「俺達だってな」
これが彼等の上城への反論だった。
「俺達だって実際にこの目でブルマなんて見てないさ」
「あれはもう消えたんだよ」
「本当にアニメでもゲームでも減ったよ」
「けれどそれでもな」
かなり意固地な感じになって言うのだった。上城に対して。
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