フリージングとイレギュラー
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さぁ、殺し合おう
~アーネットside~
私は、シュバリエのパンドラ達が来た瞬間、無意識に立ち上がり真紅狼の元に向かって走っていった。
「待ちなさい、アーネット!!」
今ある気持ちを真紅狼に伝えたかったからだ。
後ろではエリザベスが制止声を上げているが、今の私にはそんな声は全く聞こえない。
校庭に向かうと、そこでは真紅狼とシュバリエのパンドラ達が激しい戦いを繰り広げていた。
「真紅狼ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
大きな声で私は精一杯叫んだ。
~アーネットside out~
~真紅狼side~
十人がそれぞれ別々に動き、攻撃、陽動の役割をしながら俺を捕えようとしているが、そんな行為は俺を舐めているようにしか見えない。
――閃鞘・八点衝――
「斬刑に処す――――――――!!!」
ガキキキキキィン!!!
「ぐうぅぅぅぅ!!! 今よ!!!」
俺の前に対峙している女が叫ぶと、別のパンドラが左右、後ろから襲いかかるが………遅い。
俺はすぐさま加速し、近くにある木の幹を強く蹴り、連中の後ろを取った。
バシンッ!
『なっ!?』
「遅すぎるんだよ!! 蹴り砕く!」
――閃走・一鹿――
ドドドン!!
『がぁっ!!』
後ろから攻撃し、そのまま空中まで追撃していく。
俺は一時的に『七ツ夜』をしまい、雷を纏い始めた。
「現役のシュバリエのパンドラだから、多少は楽しめるかと思ったが、期待ハズレだな」
「シュバリエを…………舐めるなッッ!!」
そう一人のパンドラが叫ぶと全員が立ち上がった後、三重加速(トリプル・アクセル)で消え、俺の周りを囲んだ。
馬ぁ鹿、目論見通りに動いてくれて有難うさん。
――雷蛇鬼流祭――
「ウン・ミリョーネ!!」
バリバリバリバリ…………!!!!
突如、俺の周りに落ちる雷により、戸惑うパンドラ達。
かろうじて避けているが、その中でも三人のパンドラが雷に接触し、身体が麻痺した。
「あああああああっ!!!」
ドサッ・・・・
チャンス!!
「四つの雷!!」
バリッ!
倒れる瞬間、俺はそいつに狙いを定めて一筋の稲妻を奔らせ、拘束した。
拘束されたパンドラの二人は、拘束を解こうとしてるがそんなことは絶対に無理だ。
「四つの福音を持って、汝を聖滅する。嘆かわしきはこの地に神の居らぬことはなし!!!!」
――天の崩雷――
バッ……バァンッ!!
「「「…………ああ……あっ!」」」
十字架のように雷が四回交差(・・・・)した。
一気に何百万ボルトが拘束されたパンドラを襲い、所々焼け焦げながら、気を失った。
その光景を見た残りのパンドラ達は…………激昂した。
『貴様ーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
オーバーロード・ゲマトリアじゃないだけ、有難く思えよ。
あっちだったら死んでるぞ?
俺は殺さず、生かした。
だが、ほぼ死にかけ状態でもコイツ等を生かすには理由がある。
そして怒りで自我を忘れている七人は猪のように真正面に突っ込んできた。
俺は再び姿を変えて、コートを羽織り、ある台詞を言う。
「幕と行こうッッ!!!」
ブァァァァァァ!!
「カット! ―――カットカットカットカットカットカットォォォォ…………ッッ! 駄作ッ!!!」
――ナイト・オン・ザ・ブラッド・ライアー――
悪意の情報体が馬鹿正直に突っ込んできた六人を捕え、悪意の波の竜巻に呑み込まれて心身共に傷つけられ、最後に挟まれて地面に伏した。
「さぁ、後はアンタ一人だ!!」
「くっ! この化物め!!」
俺は再び『七ツ夜』を構える。
その時だった…………予想外の声が俺の動きを止めた。
「真紅狼ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
「なんで、アーネットがここに!?」
シュンッ!
「ヤバい! アーネット、逃げろ!!」
「え?」
「正直こういう手は使いたくないが、蒼騎確保のためだ。大人しくしてもらおう!!」
「キャアアアアアアアア!!!」
俺は限界まで飛ばし、アーネットに迫るパンドラよりも早く辿り着こうとした。
辿り着かねば、アーネットが危険になるからだ。
奴は明らかにアーネットを傷つけて、その上で人質にするように見えた。
だからこそ、身体を酷使した。
「間に合tt…………クソッ! アーネット、俺の後ろに隠れろ!!」
俺は間に合ったが、すでに奴は目の前に居て得物を振り降ろそうとしていた。
だが、口元が笑った。
「そう来ると思っていた………! だからこそ、こっちから攻めさせてもらおう!!」
奴は俺の前でダブル・アクセルをしてアーネットの後ろに回り込み、その刃を振り下ろした。
斬!!
「きゃああああああ………ああ……ッッ!!」
「アーネット!!? くそっ!!」
シュンッッ!!
奴から離れ、アーネットの傷を見る。
「アーネット! おい、アーネット!! 大丈夫か!?」
「大丈……夫………。私ね、真紅狼に………伝えたいことがあるんだ」
「喋るな! 傷が開く!!」
「私ね……真紅狼が皆に………化物………と言われても………好き。……ううん、愛してる。だからね………私のパートナーになって?」
「ああ。こんな化物でもいいなら」
「真紅狼は………化物じゃない。私が……愛した男よ」
そしてお互い、口を近づけて唇にキスをした。
これを遠くから見ている女子共はキャーキャー遠くから騒いでいるが、そんなことはどうでもいい。
俺は一刻でも早くアーネットに傷を負わせた屑を殺したかった。
だが、今だけはアーネットとのキスを出来るだけ長く味わった。
「ふふ………っ///」
「俺のコートを着ていろ。今すぐ、お前の綺麗な肌を傷つけた屑の首を捻じ切ってやるから」
「うん………///」
俺は一度目を閉じた。
再び目を開け、直死の魔眼を解放した。
解放と同時に俺の髪も“黒”から“蒼”に染まっていった。
「俺の女によくも傷を付けてくれたな」
「大事な女を護れなかった自分を恨め」
「ああ。今でも恨んでるよ。だからこそ――――――――一瞬で殺してやる」
「大きく出たな! 殺せるものなら殺して見せろ!!」
キュッン!!
屑はトリプル・アクセルで消えた。
「お前の考えなど読んでいる。お前は俺ではなく…………」
シュンッ!!
「………アーネットを狙うだろうからな」
ガキィン!!
「なに!?」
「貴様の顔を見るのも、ウザくなって来た。ここで終わりだ」
「なんだと?」
「―――“七夜”の秘奥………躱せるか?」
俺は『七ツ夜』を天に掲げ、腕を撓らせる様におもいっきり投げ飛ばす。
――極死――
シュッ!
「何を言って…………「キンッ!」………くっ!………「ガシッ!」……なっ!?」
――七夜――
ゴリンッ!!!
どこかの骨が、捻じ切れるような音がした。
遠くから見ている野次馬共は目を逸らしている。
「救われないな、オレも………オマエも………」
捻じ切った首をその場に捨て、かろうじて生き残っている連中の元に行った。
「さて、アンタ等も罰を受けてもらおう」
「よ、よせ………!」
「恨むなら、この命令を下した馬鹿を恨め」
ザシュ×6
「「「腕があぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
「「「あ、足があぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
俺は容赦なく直死の魔眼にて肩からバッサリと右腕、左足の“死の線”をなぞって斬った。
これで二度と右腕と左足が胴体に繋がることは無く、どんなに腕と足をくっつけようが繋がることすらできない身体にしてやった。
だが、効果は教えない。
俺の数少ない良心で後に知った方が、嬉しいと思うから。
「後一つ、俺に討伐命令を出した男は見当がついてるから伝言しとけ。『遺言を済ましておけ』と、そう伝えとけ」
俺は連中にはすでに見向きもせず、アーネットの方に向かった。
アーネットをお姫様抱っこでリカバリーセンターに向かう事にした。
「アーネット、大丈夫か?」
「ええ。だいぶ痛みが引いてきた。明日から大変よ?」
「何故だ?」
「こんなところで私達、キスしちゃったでしょ? すぐに広まるわよ?」
「それは大変だな。広まったら、アーネットと楽しめなくなる」
すると、アーネットは顔を真っ赤にしながら聞いてくる。
「ね、ねぇ、真紅狼///?」
「なんだ?」
「さっき言った。『アーネットと楽しめなくなる』って、ど、ど、どういう……意味////?」
「分かってるんだろ? 言ってる意味がよ」
「つまり、そう言う事なの////?」
「ああ。俺は今、アーネットを喰いt………いや、隅々まで俺の女(モノ)にしたい」
「………いいよ//// 私も真紅狼の女(モノ)になりたい」
「じゃあ、治療が終わったら、俺の家に向かうからな」
「…………うん////」
本当にアーネットは顔を真っ赤にした時の表情が、凄く可愛い。
ああ、早く喰いたいなぁ。
俺はアーネットの傷を触らない様にリカバリーセンターに急ぎ、治療を受けさせた。
~真紅狼side out~
治療も終わったし…………いただきます!
後書き
そして、今回はMBAA勢方達のアナザーアークドライブの祭典ですね。
あ、七夜だけはラストアークでしたね。
前回、軋間のラストアークをぶっぱしているので、除いています。
そして、真紅狼の数少ない良心(笑)
優しいですねー。
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