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フリージングとイレギュラー

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“紅蓮の殲滅鬼”

 
前書き
さいきん、プレミアムモルツにハマってます。

あれは、美味しい。  

 
~真紅狼side~
目が覚めると、真っ白い空間に居た。


「なんのようだ? ジイサン」
「お主に伝え損ねたことが何点かあっての………」
「伝え忘れてたこと?」
「そうじゃ。お主が居る世界では、“イレインバーセット”と言うモノがあるんじゃが、それはあそこの住人たち専用でお主にはそれが使えない」
「え、それマズくね?」
「うむ。じゃから、代わりにお主と繋がった者は特殊な形になる様にしておる」


“俺と繋がった”ということは、つまり、した者達ってことで間違いないんだろうな。


「まぁ、そうじゃな」


そして、相変わらずの心を勝手に読む。
もう驚かないぞ。


「で、じゃ、お主と繋がった者はいくつか特典が貰えるのじゃ」
「特典ねぇ。どんな感じなんだ?」
「まず、身体能力の向上。次にどれほど重いフリージングでも全く効かないこと。最後に、お主と離れていても、フリージング中和機能を持つ事じゃ。他は“イレインバーセット”と似たようなモノじゃ」


そんなたくさん言われてもなぁ………実際に見てみないと分からないんだよなぁ。
ま、いずれ分かるだろ。


「ちなみに発動は本人の意思でon/off出来るようになっており、見分けも付けれるようになっておる」
「どんな形で見られるんだ?」
「髪の色が煌めくのじゃ」


確かに、それは分かりやすい。


「次じゃ。お主に与えた“王の財宝”なんじゃが………武器だけではなかったのを忘れていた」
「武器だけじゃないって………どういうことだ?」
「あー、“武具”及び“武装術式”も含んで居る」
「“武具”に“武装術式”ってことは“熾天なる七枚の円環(ロー・アイアス)”とか“()より()でて()(ラー)つもの”とかじゃないだろうな?」
「大正解じゃ。あめ玉、いるか?」
「いらん」


とんでものないものまで、入れこみやがったな!?
あーあ、一歩間違ったらワンサイドゲームの始まりだ。
ま、楽しければいいか!


「終わりなら、帰っていいか?」
「うむ。励むのじゃぞ!」
「覗くんじゃねぇ、エロジジィ!!」


そう怒鳴りながら俺の意識は戻っていった。
再び目を開けると、目の前にアーネットの顔があった。


「ああ、本当に可愛いなぁ」


そう口から言葉を漏らすと、アーネットの口元が微かに緩んでいた。


「………アーネット、寝たフリをやめろ」
「あれ、わかっちゃった?」
「口元が緩んでたぞ」
「だって、いきなりあんなこと言うんだもん////」


だから、何度も言うけどそうやって顔を赤くするから“可愛い”って言っちまうんだよ。


「さて、取り敢えずシャワー浴びるつもりだけど、アーネット。先に浴びていいぞ」
「有難う、真紅狼」
「いえいえ」


俺は、後片付けをしながら朝食の準備をした。


7分後・・・


「真紅狼、いいわよ」
「おう。テーブルの上に珈琲と紅茶、どちらも淹れてあるから、好きな方を飲んでくれ。バスケットの中にパンがあるから食っててもいいぞ」


ちょっと待ってね!!


ふぃ~、さっぱりした。
俺も汗を流し、着替え終わった後、テーブルで珈琲を飲んでいた。


「一度、寮に帰るわ」
「分かった。気をつけろよ」
「分かってるわよ~。それと、着替えの半分を放課後、こっちに持ってくるわ」
「分かった。…………ほれ、鍵」
「これ、ここの合鍵?」
「そ。アーネットなら、勝手に入っても構わないぞ。むしろ、もうここで一緒に暮らすか?」
「ええ!??!」
「冗談だよ、冗談d………「そうしようかな」………え?」


冗談で言ったんだが………えと、マジですか?
本気で悩むアーネット。
そこまで悩むモノなの!?


「放課後までには、考えを出しておくわ」


そう言って、アーネットは寮に戻っていった。
………冗談のつもりだったんだがなぁ。
まさか、こうなるとは………。


朝食の片付けをした後、俺は学園に向かった。
~真紅狼side out~


~源吾side~
今、私は真紅狼と戦ったパンドラ達の状態を見ていた。
一人は、首の骨を捻じ切られていて、死亡が確認された。
後の二人は、肌が所々焼け焦げていたが、それ以外で外見の傷と言えば、全身に刀傷が残っているだけで、リカバリーセンターに行けば治るが、未だに体の痺れが取れていないことだった。
問題は、他の六人だった。


「こんな事例、私は初めてだ。斬られた右腕と左足が治療してもくっつかないなんて………」


斬った本人に聞くしかないか。
私はウェストゼネティックスに連絡して、蒼騎くんを呼んでもらう事にした。
~源吾side out~


~真紅狼side~
学園に着くや否や校長に呼ばれた。


「蒼騎です」
「どうぞ、中に入ってきてください」
「失礼します。校長、要件とは?」
「………アオイ博士、彼が来ました」


校長が源吾の名前を呼ぶと、モニターが浮かび源吾の顔が映った。


「おや、源吾。どうしたよ?」
『先日ぶりだな、蒼騎くん』
「おう。そうだな、で、どうしたよ?」
『キミの元に向かったシュバリエのパンドラ10人の内、六人の右腕と左足を斬ったのを覚えているかね?』
「ああ。なるほど、その要件か。どうやっても腕と足が繋がらないんだろう?」
『ああ。キミは一体何をした?』
「俺の特殊な魔眼により、斬られたモノは二度と元に戻ることは無い」
『特殊な…………魔眼?』
「魔眼の名は“直死の魔眼”。その能力は“モノ”の死が視える事」


二人はいまいち意味が分かっていない様に見えた。
まぁ、そんなモノ当り前だ。
そんなイレギュラーなモノ、こちらでは絶対無いに等しいモノだ。


「“モノ”の死とは、一体どういうモノなのですか?」
「そうだな。実践した方が早いか。校長、カッターとかないか? あと、硬いモノ。カッターじゃ、絶対に斬れなさそうなモノを用意して欲しい」
「分かりました。用意させます」


校長は電話で、モノを用意させる様に頼んでいる。
その間に口で説明する。


『それで、“モノ”の死とは?』
「有りとあらゆるモノには、“死の線”と“死の点”があるんだよ。今回は“死の線”を斬った。“直死の魔眼”で“死の線”を斬られてら、二度と復活及び再生なんざ出来なくなる。なんせ、斬られた部分が“死”んでるんだ」
『つまり………彼女たちの腕や足はもう二度と?』
「再生ですら、無理だからな? 再生する細胞がすでに死んでいるんだから」
『………では、“死の点”を突かれたらどうなるんだ?』
「“死の点”とは、生物の生命力の基点となる部分だ。つまり、人間に置きかえると心臓と一緒だな。そこを突かれたモノは、どんな力を持っていようが、再生能力が高かろうが“消滅”する。“死の一方通行”だ」
『………事実なら、その眼は脅威と期待の両方の意味を持つな』


その時、頼まれていたカッターとモノが来たので実践することにした。


「蒼騎先生、来ましたよ」
「どうも。源吾、これから起こることは、お前と校長だけにしか見せない。絶対に口外するなよ?」


二人は頷く。
それを確認した俺はカッターを手に取った後、直死の魔眼を発動した。


「このカッターはどこにでもある一般的なカッターだが、俺が直死の魔眼でこ鉄の机を斬るとこうなる」


サクッ・・・・
ガラガラガラガラ・・・
ボトボトボトッ・・・!


『「鉄の机がいとも簡単にバラバラにっ!?」』


この程度で驚かれても困るんだが、次はもっとヤバいしな。


「では、次だ。今のは“死の線”をなぞっただけ。次は“死の点”を突く」


もう一つの鉄の机の前に立ち、“死の点”を突く、すると机が死に砂と還っていく。


『これが、死の点を突かれたモノの末路と言う事かね?』
「そうだ。絶対の死だ。言っておくが、この力の継承なんて無理だし、精神がイカレるぞ?」
「どういうことですか?」
「俺みたいにon/off出来るなら、まだいいんだが、出来ない場合だと、常に自分の視界に視えるのは、今にも崩れそうな世界だぞ? “線”をなぞれば、二度と元通りになることは出来ず、“点”を突けば、消滅する。そんな触れれば壊れそうな光景を常に見ていきたいか? 常人なら100%発狂する」
『だが、蒼騎くんは発狂していないじゃないか………』
「そりゃ、俺はon/off出来るから大丈夫だし。それに出来なくても俺は耐えることが出来るんだよ」
『何故、言い切れる?』
「俺も………死に近い所に居るからな。今更、そんなモノを見ても辛くねぇ」


再び、二人は首を傾げる。
あれは分からなくていいモノだよ、時が来れば、分かるしな。


「まぁ、そう言う事だ。運が悪かったな。……いや、ある意味、運が良かったかな? ―――――大凶に当たるなんて、選ばれし人間だっていうことだ」
『彼女たちを送りだした彼には、厳しい罰が与えられるだろうな』
「俺が殺しに行くから、それまで確保しとけ」
『彼も惨めな人生を歩むことになるとは………』


源吾も校長もこれから殺される政治家を憐れんでいた。
俺は話しも終わったので、校長室を出て行こうとした時、最後に源吾に呼び止められた。


『蒼騎くん! 待ってくれ。今後、キミの通り名が決まった』
「通り名?」
『世界に広まる異名みたいなものだ』
「………名は?」
『――――――――“紅蓮の殲滅鬼”だ』


あのノヴァ討伐が原因だな、こりゃ。


『で、次にもう一つあるんだが、いいか?』
「なんだ?」
『日本には、もう一つゼネティックスがあるんだが、そちらに行ってくれないか?』
「え? ココ以外にも、もう一つあるのか?」
「ええ。もう一つの方は“イーストゼネティックス”と名乗ってます」


西があれば、東もあるのは当然か。
で、そこに行って俺は何をすりゃいいんだ?


『そこに行って、戦う前の心構えみたいな感じの授業をしてくれると有難いんだが………』
「まぁ、それぐらいしか出来ねぇよ?」
『構わないよ。それによって、彼女達が育ってくれるなら、有難い』
「で、予定日は?」
『明日だ』
「また、急な予定日だな、オイ!」


ハードスケジュールだよ、オイ。
どうせ、戦闘になるんだろうな。
準備しとこ………


「じゃあ、明日、迎えのヘリ出しとけよ?」
『手配しておこう』
「じゃ、そろそろいいか?」
『ああ。御苦労さま』


俺は部屋を出て行き、そのまま食堂に向かった。
~真紅狼side out~


~アーネットside~
教室に入り、席に着くと同時に他の女子連中に囲まれた。
質問はどれもこれも同じモノだった。


『蒼騎とは付き合ってるの!?』
『どこまで進んでいるの!?』
『普段どう呼び合ってるの!?』


などと、姦しくてしょうがない。
だけど、付きまとわれるのも面倒だし、根も葉もない噂を立てられても嫌なのでさわりつつのない答えをだす。


「真紅狼とは将来結婚するつもりでいる。………これでいいなら、これ以上の質問はナシでお願いね~? あんまりしつこいと………怒るわよ?」


にこりと笑顔で答えると、全員、あっさりと引いてくれた。
あー、うっとおしいわ~。


「………アーネット、それは本当ですか?」
「あら、エリザベス、おはよ~」
「おはようございます。で、事実なのですか?」
「まぁね~、昨日はお互い愛し合ったし~」
「それほどまで、真紅狼さんは………男として最高なのですか?」
「真紅狼を深く知ろうとすれば、するほど、“蒼騎真紅狼”という男が異常に見えてくるかもしれないわね。………本当の真紅狼を知らない限りね」


第三者の目から見れば、真紅狼は狂人に見えるだろう。
自分の命を犠牲にしてまで“大切な(モノ)”を護ろうとする行為、護れるのであれば、人殺しも厭わない、“悪”と呼ばれようとも殺し続ける性格、本当に壊れている………まさに人格破綻者だ。
――――でも、そんな人格破綻者にも優しい部分があったのを私は昨日知った。
だからこそ、私は真紅狼の事が好きになった。


「まぁ、エリザベスたちから見れば、狂人にしか見えなくても仕方がないかな~。そういう振る舞いをしてるしね」


エリザベスと話をしていると、教師が来たので話しを止めて、授業に臨んだ。
そして昼食、食堂に向かったら真紅狼が“バーガークイーン”を食べていた。
私達も食べる分だけの量を取った後、真紅狼の元に向かった。
~アーネットside out~


~真紅狼side~
一人で食ってると、向こう側から愛しのアーネットとその友人のエリザベスがそれぞれトレーを持って、こちらに来て俺のテーブルに座った。


「早かったな」
「真紅狼の授業、自習になっていたけど、何かあったの?」
「源吾に呼ばれててな、そこでちょっと話していた」
「アオイ博士に………ですか?」
「そ。『昨日の戦闘で腕と足を斬られたらパンドラ達が元に戻らないから説明してくれ』って言われて、軽い講義をやってきた」


“直死の魔眼”のことをアーネットには喋ってもいいんだけど、今この場にはエリザベスが居るからな………語るに語れない。
まぁ、ジイサンから言われた事を伝えておくか。


「シュバリエのパンドラを一人、殺してしまったんですけど処罰の方とか大丈夫だったんですか?」
「ん? ああ、それはあちらが勝手に動かしたことが原因だ。と言う事になって、俺はお咎めなし。動かした政治家は現在拘束されて、処刑日まで暗い牢獄の中で暮らしてるよ」
「聞いたところ、逆恨みなんでしょう~?」
「ま、自業自得じゃね。っと、アーネットに伝えておくことがあったんだがな、いいか?」
「なに~?」
「俺と昨日、“愛し合った”だろ? その結果、二年生が行う“初部屋入り”だっけか? それ、もうしなくていいらしいぞ?」
「「………は?」」


二人は呆然としてる。
そうだよねぇ、順序ブッ飛ばしてるし。


「アーネットにいくつか特典が付いて、まず一つ目は基礎身体能力の向上、二つ目はフリージングの影響を全く受けない、三つ目は俺がリミッターにならなくても独自のフリージングが発生するらしい。あとは、治癒能力が上がったりとかで、残りは従来の“イレインバーセット”と変わらないらしいぞ?」
「え、じゃあ、私自身がフリージングすることが出来るってわけ?」
「タイプSみたいに自身を中心として、そこから半径何メートルって感じじゃないか?」
「でも………それはどうやってするんですか?」


エリザベスの一言にアーネットは動きを止め、俺の方を見る。


「いや、わかんねぇし。取り敢えず、心の中で“イン”とか言ってみたらどうだ? 案外出来るかもしれないぞ」


我ながら適当な事を言っていたら、アーネットは即座にやった。


「(イン!)」
「くっ!?」
「あ、動いたな。髪が煌めいていやがる」
「え? あ、ホントだ~」


エリザベスはその場から動けないらしく、先程から身体が動いていない。
後ろの方を見てみるとざっとアーネットを中心に半径三メートルはフリージングされていた。


「解くときはどうすればいいの~、真紅狼~?」
「“イン”の反対語で“アウト”って言ったら、解けるんじゃね?」
「(アウト!)」


すると、エリザベスは動きを取り戻し、他の連中も動きだしていた。


「便利ですね、それ」
「便利だな、ホント」
「真紅狼はフリージング、効かないの~?」
「体質で全く効かないらしいぞ。だからこそ、タイプSに対してあんな芸当が出来たわけなんだけど?」
「そういえば、そうでしたね」


エリザベスはあの映像を思い出していたのか、ため息を出していた。
パンドラの基準とか、そういうものを超える基準だからな。
すると、アーネットも何かを思い出したように、俺に言って来た。


「あ、真紅狼。私、教室で他の女子に『将来、真紅狼と結婚する』って宣言しちゃったから」
「ゲホッ、ゴホッ!!? 言ったのか!?」


俺はエリザベスのほうを見ると、頷いていた。


「ええ。堂々と他のクラスに聞こえるぐらいに」
「ああ、なるほど。だからさっきから、他の連中がこっちを面白そうに見てるわけね」


言っちゃったのかー……………………ま、別にいいか!
問題ねぇだろ。


「ま、いいか。これで、アーネットに手を出す男連中も少なくなるし」
「出されても、追い払うけどね~」
「分かっていないな、アーネット。俺は独占欲が強いんだぜ? 触れると言う時点で俺の女(モノ)を穢してんの。分かる、その辺?」
「女性はいいんですか?」
「女性はいいんだよ。一緒に戦う仲間だし、その辺の配慮はちゃんと弁えているさ」
「まぁ、真紅狼だし、しょうがないわね~///」
「そろそろ昼休憩も終わりだな…………」


俺は、片付ける準備をしていくとアーネット達の皿も空だったのでついでに片付けておくことにした。


「あ、いいですよ。真紅狼さん、自分で………」
「こういうのは男がやるもんだ」


そう押し切り、片付けた。
俺の隣にアーネットが居て、さらにその隣にエリザベスが歩いていた。
その歩く姿を見ているその他の生徒たちは………『夫婦』、『夫婦だ』、『夫婦ね』と呟いていた。
俺はさほど気にしていないが、アーネットは顔を赤くしながら歩いていた。


「おいおい、大丈夫か?」
「真紅狼は恥ずかしくないの///?」
「いや、まったく」
「色々と規格外ですね。真紅狼さんは」
「よく言われる。そうだ、後一つ伝え忘れていたんだが、俺明日から出張だから」
「「え? どこに?」」


今日は二人ともよくハモるなぁ。


「イーストに出張。源吾きっての頼みだし、俺も仕事しないと不味いからね~」
「何を教えに行くんですか?」
「戦う前の心構えってやつだな。あと、俺の予想では、手合せに巻き込まれると思うんだ」
「それは、“予想”じゃなくて“確実”ですよね?」
「出来れば外れて欲しいと思っている。ということで、俺は色々と準備が必要な為、午後の授業も自習なんだよね。まぁ、許せ」
「仕事、頑張ってね。真紅狼♪」
「後で、渡したいモノがあるから、家に来てくれ」
「え!? そ、それって………////」


まぁ、渡す物はちょっとしたアクセサリーとアレなんだけどね。
俺はアーネット達と別れた後、家に帰り、明日の準備した後、アクセサリーと指輪を創ることに専念した。
~真紅狼side out~


~アーネットside~
し、真紅狼が渡したいモノって、アレだよね。
その新郎が新婦に送るモノだから、つまり……………


「指輪をその年で貰うなんて、アーネットの将来は安定ですね」
「うひゃっ!!?」
「なんですか、その変な驚き方は?」
「ストレートに言わないでよ!! ビックリするじゃない!!」
「………思った事を言っただけですが?」
「もしかして、嫉妬~?」
「違います! ただ、アーネットは女として羨ましいなぁ…………と」
「やっぱり嫉妬じゃない」
「これから真紅狼さんに護ってもらう事でアーネットの将来は安定してるんですよ? 嫉妬しない方がおかしいと思いますが?」
「多分、真紅狼はそんなことしないわよ~。いや、護ってくれるとは思うけどね、それじゃあ、真紅狼と釣り合わないじゃない? 私も強くなってこそ、真紅狼は護ってくれると思うわ~。私達が倒せない相手には真紅狼が相手になって、私は真紅狼の戦いに邪魔する連中を狩る」


多分、真紅狼はそう願ってる。
私も強くなることで、真紅狼はよりいっそう私を護ってくれる。
だからこそ、もっと強くなりたい。


「お互い信じあってますね」
「心が通じてるもの~♪ あ、放課後、エリザベス、ちょっと付き合ってくれない?」
「まぁ、いいでしょう」


そうして私達は教室に戻り、残りの授業を受けた。
~アーネットside out~


~真紅狼side~
気が付くと、外では女子生徒達の声が聞こえていた。
もう授業終わったのか。
なら、そろそろ来るかな。
俺は、出来た指輪とアクセサリーを箱に収めて、紅茶の用意をした。
すると、戸を叩く音が聞こえた。


トントン・・・


「どうぞ~」
『真紅狼~、ちょっと手伝って~』


アーネットは入ってこず、ドアの前で返事していた。
俺は、ドアを開けると目の前には服やら化粧品がたくさんあった。


「今日から真紅狼の家に住むことにしたから~、末長くよろしく♪」
「おう。アーネットの部屋は入って二番目のドアだ。そこにはもう鏡とか引き出しとか用意してあるから」
「真紅狼~、準備早~い!」
「引っ越すつもりでここに来るのは読めてたからな。前もって準備していたんだよ。しかし、こんなにたくさん一人で持てるわけない…………エリザベスに手伝ってもらったな?」
「そうよ~」
「まぁ、エリザベスも上がってけ、紅茶、飲んでけよ」
「有難う………ございます」


エリザベスは疲れながらも、返事をした。
本当に済まないな。


「取り敢えず、紅茶淹れたから」
「「いただきます」」


どんな時でもエリザベスは優雅に飲んでいた。
ある意味、スゲェなコイツ。
あ、エリザベスにも手伝ってくれたお礼に渡しておくか、夢中になって四つぐらい作っちまったんだよね。


「さて、アーネット。渡したいモノなんだが、先ずはこれだ。エリザベスにも手伝ってくれたのであげるよ」


二人に渡したのは、ダイアモンドの彫刻で狼の彫刻だが眼の部分をコバルトにしてある。


「これ、真紅狼が彫ったの!?」
「趣味の一環だよ。暇なときは彫ってるよ」
「有難うございます。大切にします」
「そんなに大切に持たなくても、いいんだが。アクセサリーだしな。アーネットには、もう一つだ。これも俺が創ったんだが、結婚指輪だな」
「真紅狼、はめてくれる////?」
「わかった」


アーネットの左手を取り、薬指にはめてあげた。
俺もお揃いで付けている。


「これで“証”が出来たわね~」
「ああ。一応、指輪に鎖を通すタイプも創ってあるから、渡しておくよ。俺は首にかけるようにしておくし」
「なんで~? 付けとけばいいじゃない」
「戦闘中は、なるべく素手の状態の方が良いからな」
「そうね。私もそうしておくわ」


その後、しばらくしてからエリザベスは帰り、家具の配置を続行した。
~真紅狼side out~


ようやく、落ち着いたな。 
 

 
後書き
アーネットが若妻過ぎる・・・。

そして、以後アーネットは原作よりも強化されます。
サテライザーに負ける? 私はそんなこと知りません(キリッ!

18禁内容は、後日投稿しますのでお待ちください。

次回は、出張です。
将来“神速”と呼ばれる少女と会います。
“接触禁止の女王”には会うのかなぁ?  
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