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髑髏天使

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第五十九話 精神その六


 彼はこう言ってだ。神に対したのである。
「その場合はどうする」
「できるというのか」
「そうだ。攻め方は色々だ」
 あると話すのだ。神に対して。
「ただこちらから攻めるだけではない」
「ほう。貴様等からは攻めはしないか」
「そうだ。しない」
 髑髏天使は言い切ってみせた。
「それはしない」
「どういった攻め方かわからないのだがな」
「最後にわかる」
 髑髏天使はこう言ってだ。やはり動かなかった。
「最後にな」
「我が倒れるその時にか」
「その時にわかる」
 また言うのだった。神に。
「さあ、このまま攻めてくるのだ」
「では。そうさせてもらおう」
「来るか」
「そのまま。貴様等は全て」
 彼等の精神に当てるだ。混沌の力を増幅させていってだ。
 神はだ。彼等に告げるのだった。
「混沌の中に沈むのだ」
「これは」
「普通の魔物ならばだ」 
 九尾の狐とウェンティゴがその混沌の中に浸りながら言った。
「既に狂気に陥っているわね」
「混沌に完全に取り込まれてな」
「心がそのままなくなっていく」
「それだけのものがある」
 既に彼等の精神体は全て混沌の海の中に入っていた。そしてあらゆる場所からだ。混沌の侵食を受けていっていた。そうなっていた。
 だがそれでもだ。彼等はだった。
「まだね」
「この程度ではな」
「私達は全く平気よ」
「何ということはない」
「ふむ。そう言うか」
 その彼等の言葉を聞いてだった。
 神はまた言葉を出した。そうしてだ。
 混沌の濃さをさらに増していった。混沌の狂気がさらに深まる。
 だがそれを受けてもだ。彼等はまだ正気を保っていた。
 死神と目玉がだ。話をした。
「耐えられるな」
「大丈夫だよ」
 目玉が死神に答える。
「まあ昔の君だけだったら無理だったろうね」
「最初に髑髏天使と会った時の私か」
「その時の君だったら今は耐えられなかったね」
「そうだな。無理だったな」
 自分でもそのことを認める彼だった。
「まずな」
「そうだね。無理だったね」
「だが今はだ」
「いけるね」
「私も。多くの戦いを経て」
 それによってだというのだ。
「精神も強くなった」
「それもかなりだね」
「そうだな。かなり強くなった」
 それを相棒に言う死神だった。
「ただ。戦闘力が強くなっただけではない」
「その心も鍛えられていったね」
「戦いが。身体も精神も磨いていった」
「そして今は」
「貴様もいる」
 目玉がいるというのだ。 
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