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髑髏天使

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第五十三話 怪地その二


 その混沌の自負の中でだ。彼はまた言った。
「だからだ。貴様等はだ」
「前者を待てばいいな」
「それを」
「そうだ。私の前に残りの三柱もいる」
 彼等もだというのだ。
「あの者達が髑髏天使達を倒す」
「その三柱の次は誰だ」
「それでだ」
 ここでこう問う彼等だった。
「地か火か水か」
「どれだ」
「地だ」
 それだとだ。男は述べた。
「地が出る」
「クァトゥヴァか」
「あの者がだな」
「おそらくそこで終わる」
 男は彼等にこうも告げた。
「風はまさかとは思ったがな」
「そうだな。地ならばだ」
「混沌の大地の力ならばだ」
「勝つ」
「あの者達にだ」
「そうだ、負けることはない」
 男も彼等に述べる。
「確実にな」
「それではだ」
「我等はそれを見よう」
「そしてだ」
「その時を待とう」
 彼等も話していく。そうしてだ。
 男に対してもだ。こう述べるのであった。
「では混沌の世界になることをな」
「心から願う」
「我等がここから出るその時を」
「是非な」
 こんな話をしてだった。彼等は待つのだった。混沌の世界が実現することをだ。
 牧村はまた研究室にいた。そこで博士と妖怪達にだ。前の戦いのことを話した。
 それを聞いてだ。博士はまず驚いた顔で言うのだった。
「魔神達がか」
「そうだ。共闘してきた」
 牧村はこう博士に述べた。いつもの壁にもたれかかって座っているその姿勢でだ。博士に対して述べたのだった。そうしたのである。
「そうして勝った」
「ううむ、それはまたのう」
 博士は腕を組んで難しい顔になった。
「予想せんかったわ」
「俺もだ。それはだ」
「そうじゃろうな。本来髑髏天使といえばじゃ」
 その髑髏天使についての存在から話すのであった。
「魔物を倒す存在だからのう」
「その俺がだ。魔物の神であるあの連中とだ」
「戦ったのじゃからな」
 それを話すのだった。
「有り得ないことじゃよ」
「しかし実際に戦った」
「魔神達も変わってきていたがのう」
 博士はここでこのことも言った。
「それが影響しておるのかのう」
「楽しみを覚えてきていると言っていたな」
「それじゃ」
 博士もそこだと指摘する。
「それがあるからのう」
「それが影響してか」
「そうではないかのう」
 博士も言う。真面目な顔のままでだ。
「魔物、魔神も変わってきておるのかのう」
「そして変わってか」
「うむ、君達と共に戦った」
 そうなったのではないかというのだ。
「ただ。考えてみればじゃ」
「考えればか」
「うむ。元々魔物は戦うことにのみ喜びを見出しておった」
 それが魔物であるということはもうわかっていた。妖怪達が戦いを覚えだ。それに溺れのめり込んだのが魔物だからである。
 しかしなのだった。それがであった。 
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