髑髏天使
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第五十二話 死風その十一
「防ぐのはだ」
「少しか」
「そうだ、少しでいい」
これが髑髏天使の今の考えであり言葉であった。そしてだった。
その二本の剣を一本の、十字の剣にしてだった。それを巨大化させた。
何十メートルもある、そこまで巨大にした剣にであった。炎に雷、それに氷に木に土にあらゆるものを注ぎ込んだのであった。
そのうえで剣を大上段に振り被ってであった。
「その間にこれでだ」
「我を倒すか」
「この剣ならばできる」
髑髏天使は断言してみせた。
「必ずな」
「私もだ」
死神もだった。鎌の刃を途方もない大きさにしてだ。そこにあらゆるものを注ぎ込んでだ。複数の光を放つそれを横に構えていた。
そのうえで。彼は神に言った。
「これならば必ず貴様をだ」
「倒すか」
「そうしてみせよう」
「ならば来るのだ」
神はだ。ここでだった。
また風を出した。その風でだ。
自分の周りに障壁を作ってみせた。今度は彼がそうしたのであった。
「この障壁、破れるか」
「できる」
「そして倒す」
二人の意志は変わらない。
「何があろうともな」
「この一撃でだ」
「できるのならな」
神はその二人に対して余裕を見せた。
「してみるがいい」
「おやおや、これは」
その神の言葉を聞いてだ。百目が言ってきた。
「面白いですね」
「面白いだと」
「貴方は。敗れますね」
神への言葉である。
「今から」
「神が敗れるというのか」
「御二人を甘く見ないことです」
こう神に言うのであった。
「ですから」
「所詮は人と低級の神だ」
混沌の風の神から見ればそうでしかなかった。まさにだ。
「それがこのハストゥールを倒すというのか」
「生憎ですが私達もいます」
「そうだね」
百目だけでなくクマゾッツも言ってきた。
「その私達の攻撃も受けています」
「それも頭に入れておいて欲しいな」
「貴様等にしてもものの数ではない」
神は彼等に対してもこう返すのだった。
「そうした相手の攻撃なぞだ。幾ら受けてもだ」
「何ということはない」
「そう言うんだね」
「そうだ。何ということはない」
やはりこう言うのであった。
「所詮はな」
「それは今わかります」
「僕達の言葉が正しいかどうかね」
「既にわかっていることだ」
神は言ってだ。障壁で己を覆いながらだ。また鎌ィ足を放った。
それで髑髏天使と死神を攻撃する。しかしそれは二人の障壁に防がれ続けている。だがそれでも神は攻撃を続けていた。
二人はその中でだ。遂にだ。
髑髏天使が剣を放ち死神が鎌を投げた。剣は一直線に、そして鎌は回転しながら神に襲い掛かる。凄まじい唸り声をあげながら。
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