髑髏天使
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十二話 死風その十二
だが神はそれを見ても動かない。そしてだった。
「無駄だな」
「まだそう言うのだな」
「言えるか」
「言える」
身動き一つしないままでの言葉だった。
「では。神の障壁でだ」
「防ぐか」
「そうするか」
「こうしてだ」
言った。そうしてその障壁で防いだ。筈だった。
ところがそうはならなかった。障壁は砕かれそして。
剣と鎌がだ。彼の身体を貫いた。それを受けてだ。
神は今になってだ。驚きの声をあげたのだった。
「ば、馬鹿な」
「俺達の言葉通りになったな」
髑髏天使が神に対して述べた。
「こうしてな」
「我が。その程度の攻撃で」
「確かに一撃では無理だった」
「私にしてもだ」
髑髏天使だけでなく死神も述べる。
「しかし貴様はこれまでにも攻撃を受けていた」
「そのダメージが蓄積されていた」
そうだというのである。
「だからこうしてだ」
「貴様を倒せたのだ」
「どれだけ小さな攻撃でも傷は受けるか」
神は二人の言葉を聞いてこう述べた。
「つまりはそういうことだな」
「如何にも。その通りだ」
「これでやっとわかったな」
「忌々しいがそう答えておこう」
剣と鎌に貫かれたまま。神は述べた。
「まさか。ここで敗れるとはな」
「まずは一柱」
「風は倒した」
髑髏天使と死神は神の巨体が青と赤の炎に包まれていくのを見た。それこそがその証であった。
「これでな」
「間違いなくだ」
「そうだな。我はこれで消える」
神もそのことを認める。
「思わぬことだが」
「では。安心して消えて下さい」
百目もまた彼に告げてきた。穏やかな声はいつも通りであった。
「そうしてそのうえで」
「後の三柱の神々はこうはいかぬ」
神は炎に包まれながら述べた。
「それは言っておこう」
最後にこう言ってだ。二色の炎に完全に包まれたのだった。そうしてそのうえで彼は完全に消えた。それと共に世界は元に戻った。
するとだ。魔神達は人間の姿にもう戻っていた。それでだ。
「貴方達もです」
「もういいじゃない」
こう髑髏天使達に言ってきたのである。
「戦う姿はもう終わりにして」
「それでね」
「そうだな」
「言われてみればな」
ここで二人も頷く。そうしてだった。
二人共元の姿に戻った。そのうえで魔神達に言葉を返すのだった。
「こうしてだな」
「それでだな」
「はい、そうです」
「それでいいよ」
二人に老人と子供が言ってきた。
「とにかく。今回の戦いはこれで終わりです」
「これでね」
「まずは一柱だな」
「そうだな」
二人もここで言う。
ページ上へ戻る