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髑髏天使

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第五十二話 死風その十


「数はそのまま力となるのだ」
「そしてその力で我を倒すか」
「その通りだ」
 死神はまた神に述べた。
「何度でもな」
「ではどう来る」
「こうさせてもらう」
 分身だった。ここでもそれを使うのだった。
 十二体ある。そのそれぞれの鎌に炎を宿らせてであった。
 神に対して一斉に放った。それは髑髏天使もだった。
 死神と同じく十二体になり攻撃を浴びせてだ。そのうえで言うのだった。
「どうだ、これでだ」
「無駄だな」
 まだこう言う神だった。
「これで我は倒せん。そしてだ」
「そして?」
「我もこうして攻撃を受けるだけではない」
 こうも言うのであった。
「こちらもだ」
「来るか」
「風を受けるがいい」
 こうしてだった。神のその無数の触手からだった。
 数えきれない、それこそ億はあろうかという鎌ィ足を放ってきたのだった。
 そしてそれはだ。髑髏天使達を襲うのだった。
「!?この鎌ィ足は」
「普通のではないですね」
 クマゾッツと百目がその風をかわしながら言う。
「それぞれが意識を持っている」
「そうですね。一つ一つが」
「厄介だね、これは」
「やはり。風の神ともなると違いますか」
「その通りだ」
 攻撃を出しながらだ。神は言うのだった。
「この風を何時までかわしきれる」
「くっ、この風は」
「尋常なものではないわね」
 バジリスクとキリムもだ。攻撃をかわすのに苦労していた。
 それかどの魔神達もだった。何時しか攻撃をかわす方に注意がいっていた。
 彼等の攻撃は弱まっていた。そしてだ。
 髑髏天使と死神もだ。何時しかそうなっていた。
「これはな」
「尋常な攻撃ではない」
 二人でそれぞれ言う。
「攻撃を繰り出し続けていれば」
「こちらが」
「さて、数を繰り出すのではなかったのか」
 神はその彼等に問うのだった。
「違ったか」
「これではな」
「できはしないか」
「そうだな。できないな」
 神もそれを指摘する。
「さて、どうする」
「どうして貴様を倒すか」
「それか」
「我を万も億も攻撃はできない」
 神はまた言ってみせた。
「それではだ。どうするのだ」
「こうなってはだ」
 最初に動いたのはだ。髑髏天使だった。
 その身体を一つに戻した。そしてまずはだ。
 己の周りに障壁を出した。それで風を防ぐ。
 死神もそうする。そのうえでだった。
「こうしてだ」
「そのうえでだ」
「その障壁も何時までもつかだな」
 神は余裕の声でそれで防ぐ彼等に対してまた言ってみせた。
「果たしてな」
「少しの間でいい」
 だが、だった。髑髏天使はこう神に言うのであった。 
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