ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第八話 断絶
「二度と教会に近づいてはダメよ!!」
アーシアを教会に案内して学校に行き、昼休みに屋上でリアスにこのことを話すと闇慈は早速怒られてしまった。だが思わぬ収穫もあった。アーシアも体にセイクリッド・ギアを宿していることだった。
案内をしている途中、怪我をした男の子をアシーアが見つけると軽く励ますと右手を怪我の部分にかざすと緑の光が怪我の見る見る治していった。闇慈はデスに聞いてみると、あれもセイクリッド・ギアの力だと言うことだった。
「教会は『天使』や『堕天使』の拠点とも言って良いわ。何時、光の槍が飛んできてもおかしくないわよ。それに教会には『悪魔祓い(エクソシスト)』も居るのよ」
「悪魔祓い・・・。神の祝福を受けた人たちで悪魔を『無』に帰す力を持っている人たちですよね?」
「その通りよ。その事を知ってながらどうして教会に近づいたのかしら?アンジ」
「・・・すみません。困っているアーシアをやはり僕とイッセーは見過ごすことは出来ませんでした」
「・・・ごめんなさい。熱くなりすぎたわね。とにかく今後は気をつけてちょうだい」
そう言うとリアスは行ってしまった。闇慈はこの事を一誠にも伝える事にした。
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放課後。闇慈と一誠は部室で案内のチラシを整理していた。
「なあ、俺たちって先輩に怒られてばっかりだよな?」
「悪魔たちの事情は僕たちが思っている以上に複雑なのかもしれない。今後は迂闊な行動は慎もうイッセー。特に教会や天使や堕天使のことに関することにはね」
「だな。」
「部長はイッセー君と闇慈君を心配なさっているんですわ」
闇慈達が話していると二人が座っているソファーの後ろから朱乃がいきなり現れた。
「うわっ!?朱乃先輩!?何時から・・・」
「うふふ。今ですわ」
そう言ってるとリアスが部室に入ってきた。
「あら朱乃。もう帰ったと思ったのにどうしたの?」
「立った今、大公から連絡が・・・」
「大公から?」
すると朱乃は少し顔が険しくなった。
「この町で『はぐれ悪魔』が見つかったみたいですわ」
「っ!!」
「・・・」
リアスは少し驚いた様な顔をしていたが、闇慈は何か一人で考え事をしているような表情を浮かべていた。
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時間は過ぎ、周りはすっかり暗くなっていた。あの後闇慈はデスさんに『はぐれ悪魔』について色々尋ねた。
はぐれ悪魔は上位悪魔の下僕として悪魔になったがそれを裏切り、放浪している悪魔の事らしい。はぐれ悪魔は体も心も『悪』に染められてしまい、容赦なく生物を殺すらしい。
闇慈は自分自身の甘えを絶つために一人ではぐれ悪魔がいるとされる廃墟に来たと言うことだ。
(闇慈。はぐれと言えど奴らは嘗ての『悪魔』だ。気を抜くと殺されるぞ)
(分かっています、デスさん。僕はこの戦いで『甘え』を完全に絶ちます!!)
闇慈は覚悟を決し、廃墟の中に入った。中は真っ暗だが・・・
「(・・・血の臭いと邪気が凄まじい)出てきて下さい、はぐれ悪魔さん。エサが来ましたよ?」
「・・・ふふふ。自ら進んで私のエサになりにくるなんてねぇ」
気持ち悪い声が聞こえると上半身は女性の裸だが下半身は巨大なムカデのような体をして腹の部分には口のような物があった。
(なるほど。これが体も心も悪に染められたものの末路か・・・)
「さあ。どんな風にして食べてあげようかしら?いたぶってからにしようかしら・・・それともそのままいこうかしら」
「何でも良いですけど僕も抵抗させて貰いますよ?」
「あらぁ。人間の癖にいうじゃない。その自信がどこまで続くかしら~?」
「来い・・・」
「ん・・・?」
「来いよ・・・」
「まさか・・・貴様は」
「俺は・・・ここにいる!!」
闇慈はセイクリッド・ギアを発動させ、デスサイズ・ヘルを右肩に担いだ。
「まさか・・・セイクリッド・ギアを宿してるなんてねぇ。食べ応えがありそうだわ」
「・・・うるさい」
(闇慈。この周りに我が結界を張った。存分にやるが良い)
闇慈は真紅の目を見開き、足に魔力を溜め、一瞬で右の腕を斬り落とした。しかし・・・斬られた腕の根元からまた腕が復元した。
「少しはやるようね。でも私の体は復元させることが出来るの」
そう言うと腹部の口が開き、闇慈を丸呑みせんと噛み付いてきた。闇慈はどうと言ったことはなく避けることが出来たが疑問な点があった。
(デスさん。この鎌は万物の『生』を刈り取る鎌ですよね?何故あの腕は復活したんです?)
(お前は鎌の刃に魔力を集中させていないだろう?留めていない限りこの鎌はただの鎌だ)
(そう言うことは最初から言って下さい!!)
闇慈は魔力を鎌に注ぎ始めると鎌が段々軽くなって行った。そして今度こそと思い闇慈は再び右腕を斬り落としにかかった。
「バカな子ねぇ。そんなことしても無駄よ」
「それは斬られてから言うことだな・・・」
スバシュッ!!!
今度は手応えがあり、右腕を斬り落とすと同時にはぐれ悪魔の血が飛び散った。落ちた右腕は霧散してしまった。
「ぎゃああああああ!!!?」
はぐれ悪魔の悲鳴が廃墟中に響き渡った。
「貴様!!何をしたーーー!!!」
はぐれ悪魔の上半身は女性の体では無くなっていた。肌が緑に変わり、如何に『化け物』を思わせるような体になっていた。
「・・・貴様に教える義理はないが輪廻に落ちる土産として教えてやる。この鎌はありとあらゆる『生』を刈り取る。貴様の『復元』と言う名の『生』を刈り取らせて貰った」
闇慈は容赦なく今度は左腕も切り落とした。素早さも高めているため、目で追うことは出来ないだろう。
「わ、私の腕がーーー!!!い、痛いぃぃぃ!!!」
「今度は・・・そこだな」
闇慈はがら空きになった下半身の部分を横に薙ぎ払い、上半身との永遠の別れを告げさせた。
「・・・」
闇慈は真紅の瞳で丸腰となったはぐれ悪魔を見下した。辺りには鮮血が飛び散っていた。
「ひぃ・・・。お、お願い。た。助けて・・・」
「痛いか・・・?恐いか・・・?苦しいか・・・?それが死神が与える『死』につきそうものだ。その感情・・・忘れるな・・・」
闇慈はゆっくりデスサイズ・ヘルを振り上げると・・・そのまま縦に薙ぎ払った。はぐれ悪魔はそのまま霧散してしまった。闇慈はセイクリッド・ギアを解除したが・・・
「ぐっ・・・おえぇぇ!!!」
やっぱり刺激が強すぎたのか、嘔吐してしまった。
(大丈夫か!?闇慈)
(・・・何とか大丈夫です。あはは・・・やっぱり最初の内はきついですね。でも僕はもう迷いません!!)
(・・・強いのだな、闇慈)
(僕は強くありませんよ。さっきだってセイクリッド・ギアのお陰で倒せたんですから・・・この力が無かったら僕は今頃はぐれ悪魔の胃の中ですよ)
(我が強いと思ったのはお前の心だ、闇慈)
(ありがとうございます、デスさん。戻りましょう)
闇慈が入り口に足を向けると、入り口が開き、オカルト研究部の部員が達が入ってきた。
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