ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第七話 聖女
二人の堕天使との戦闘があった翌日。闇慈と一誠はいつも通り二人で学校に登校していた。
「はあ。リアス先輩。まだ怒ってるかな?」
「怒ってると思うぜ・・・?リアス先輩はこう言った事は滅茶苦茶厳しいからな~」
(やっぱりあの時。堕天使は倒すべきだったかな・・・。くそっ!!死神の力を手しておきながらなんて様だ!!)
(仕方のないことだ。お前は人間で優しすぎる。殺める事に反射的に抵抗が出たのかもしれん。それに過去のことに心を捕らわれるのはやめろ)
(・・・デスさん。僕はもう甘えを捨てます。敵対する奴は・・・殺します!!)
(それはそれで良い。だが、力の使い方を誤ると後悔するぞ?)
(はい!!)
「ん?どうしたんだよ?闇慈」
「いや。何でもない、ちょっと考え事をしていただけだよ」
因みにデスのことはオカルト研究部の部員には全く話していない。そして再び学校に向かって歩き始めると・・・
「きゃっ!!」
と軽い悲鳴が近くから聞こえた。闇慈たちは声のした方を見てみるとシスター服を着て、頭にヴェールをかぶった少女が倒れていた。そして何より・・・
「むっほー!」
「なっ!?」
シスター服のスカートが捲れ、中の下着が露出していた。闇慈は顔を赤面させ、慌てて目を左手を遮ったが一誠は相変わらずのエロい目で見ていた。
「・・・天誅!!」
闇慈は右手で拳骨を作ると一誠の頭上めがけて振り下ろした。闇慈の身長は一誠より高いから簡単なことだった。
「痛ってーー!!何するんだよ!!闇慈」
「イッセーがエロい目で見てたから天誅だよ。それより彼女を助けないと」
「そうだな。ここでフラグゲットしてやるぜ!!」
(フラグって何だろう?とにかく今は・・・)
闇慈と一誠は倒れた少女に近寄り話しかけた。
「あうぅ。どうして何も無い所で転んでしまうんでしょうか?」
「大丈夫っすか?」
一誠はシスターの少女に手を差し出した。
「あ、はい。ありがとうございます」
少女も一誠の手を取り立ち上がった瞬間、突風が起き彼女のヴェールが風に飛んでしまった。闇慈は咄嗟にそのヴェールを掴んだ。そしてその拍子に彼女の容姿が露わになった。緑色の瞳に、小柄な体格。そして何より金色の髪が風になびいていた。闇慈と一誠のこの子に対する第一印象は同じだった。
((・・・可愛い))
「あ・・・あの///」
「あ!・・・悪ぃ!!」
一誠は掴んでいた手を離すと少し離れた。今度は闇慈が彼女のヴェールを彼女の頭にかけてあげた。
「あ、ありがとうございます(英語)」
「へえ。外国人なのに日本語が上手いね?(日本語)」
闇慈は日本語でシスターの少女に話しかけたが少女は首を傾げてきた。
「あの・・・私は英語を話しているのですが?」
(へっ?どういう事だ?)
(我にも分からぬ。お前が死神の力を手にしたことに関係があるのかもしれぬ)
デスにも分からないままだった。
「あ・・・あの」
「あ!ごめん僕の勘違いだったよ。君は外国人みたいだね?そして大きなトランクも持ってるから観光旅行してるの?」
「いえ。私は今日からこの町の教会に赴任することになりました『アシーア・アルジェント』と言います。アシーアと呼んで下さい」
「アーシアか。俺は兵藤一誠。よろしくな」
「僕は黒神闇慈。よろしくね、アーシア」
「はい。よろしくお願いします。えっと・・・イッセーさん、アンジさん」
「どうしたの?アーシア」
闇慈はアーシアに問いかけた。
「・・・道に」
「道に?」
今度は一誠がアーシアに聞くと・・・
「実は・・・道に迷ってしまったんです。もし宜しければ教会まで案内してくれませんか?」
アーシアは両手の人差し指を擦り合わせながらモジモジしていた。闇慈と一誠はこの仕草が中々可愛かったように感じたらしい。
「イッセー。アーシアは困っているみたいだから案内してあげよう」
「だな。良いぜ、アーシア。この町の教会って言ったら多分、山の中にある教会だと思うから案内するぜ」
「ありがとうございます。優しい方々にお会いできて良かった。これも主のお導きです」
「じゃあ行こうか?」
闇慈は自分の鞄を左手に持ち替え、アーシアのトランクを右手に持った。
「あ!アンジさん。自分で持てます」
「このトランクは僕にとってはそんなに重くないけどアーシアにとってはかなり重かったと思う。それが原因でさっき転んだんじゃないの?」
「あうぅ・・・」
図星だったのかアーシアは俯いてしまった。
「頼ることも大切なことだと思うよ?アーシア」
「じゃあ行こうぜ!!」
闇慈達は教会を目指し足を進めた。
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