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インフィニット・ストラトス~黒き守護者~

作者:eibro
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動く事態

「ときに一夏くん。君の教室手伝ってあげたんだから、生徒会の出し物にも協力しなさい」

 俺が帰ると、そこには楯無がいた。

「疑問形じゃない!?」
「うん。決定だもの。祐人くんもどう?」
「悪いが俺はパスだ」
「……そう」

 何故か名残惜しそうに俺を見る。
 そしてデュノアを始め、専用機持ちを全員連れていった。

「……風宮君」
「言わなくても言いたいことはわかる。……けど、いざというときにはこっちの用事を優先していいか?」
「……何かあるの?」
「……たぶんな。……なければいいんだけど」

 そう曖昧に返事する。
 さっきの休憩で俺はずっと見られていたのだ。まさか本音が人質にされるってことはないだろうけど……。

「本音。とりあえず今日はもう教室から出るなよ」
「え? 何で―――」
「……いいから」

 そう言って俺は接客に戻る。

(………まさか狙われている可能性がないとは言えないからな)
『ですね。そういえば、シヴァの様子は見えませんね』
(……そういえば)

 どこ行ったんだろうか? さっきまでいたと思ったんだけど。

『ああ。私なら後ろにいるわよ。まぁ、姿を消しているけど』
(さっきまでどこにいたんだよ)
『姿を消したまま辺りを散歩かしら。というのは建前で簪を探していなんだけどね』

 ああ。そういえば簪さんも見ていないな。

『……嫌な予感するわね』
(滅相もないことを言うなよ)

 シヴァの言葉に俺は嫌な顔をした。

(シヴァ、一応簪さんを捜索しておいてくれ)
『……わかったわ。何かヤバいことがあったらすぐに知らせる』

 そう言ってシヴァは窓から外に出た。
 それと同時に俺は懐に隠しているある物を確認する。………よし、全部あるな。

「風宮くーん。5番テーブルのオーダーおねがーい」
「あ、はーい」

 そして俺はいなくなった奴らのための注文を取りに行った。





 ■■■





「……嘘……でしょ……?」
「は? どう見たって本物だっつーの!」

 第四アリーナの更衣室で、今の今まで戦闘が行われていたが、ある理由を境に停止した。

「どうして、簪ちゃんが………」

 楯無はぽつりと漏らす。

「敢えて言わせてもらうぜ、こいつがどうなってもいいのかってなァ!」

 その後、楯無はISを解除し、襲撃者はその場から急いで離脱する。

(あの女が現れて一時はどうなるかと思ったが、なんとか大丈夫だったな)

 その女はさっきまで纏っていたISをステルスモードにしてそこから離れる。

「スコール、聞こえてるか?」
『ええ、バッチリよ。それと―――その子も基地に連れてきて頂戴』
「………何でだ」

 その女は不満そうな顔をする。

『場合によっては部下に出来るかもしれないと思ったからよ。兵力増強は必要不可欠でしょ』
「………まぁ、無理なら無理で運命は決まったも同然だしな。同情はしないけどな!」

 意気揚々とその女は簪を連れてそのまま海を渡る。
 だがこの時、事態は既に進行していた。その女が思っていたこととは違う方に。





 ■■■





 そしてここは管制室。その場には千冬と真耶がいた。楯無から二人に現状が説明され、すぐに事態を収拾するために彼女らがここにいたのだ。

「教師部隊は編成してただちに出撃! 更職簪の救助を最優先とする!」
『了解!!』

 回線からその声が聞こえ、教師たちはすぐに仕度をする。
 すると、真耶が一度驚愕してすぐに千冬の方に向いた。

「先生!」
「どうした?」
「学園の方からISが飛び立ちます。このコアは―――ディアンルグです!」
「なんだと!?」

 おかしい。すぐに千冬はそう思った。
 さっきまで彼女は1組にいて、彼はそこで執事として仕事をしていた。一体どういう手段で知ったのか謎だった。

「山田先生、今すぐ風宮に繋いでくれ」
「わかりました―――あれ?」
「どうした?」
「さっきまでコアの反応が―――あ、出てきました! ちょっと待って―――あれ!?」
「何をやっている……」
「違うんです! 何故か消えて―――あ、出てきた」

 真耶は急いでキーボードを操作して通信回線を開いた。

「風宮君! 何をやっているんですか! 今すぐ戻ってください!」
『………』

 しかし、相手は完全に無視をしている。
 すると、ディアンルグの反応が消えた。

「………何?」

 今度は千冬も目撃しており、彼女も眉をひそめる。
 そしてしばらくすると、ディアンルグの反応が現れた。さっきとは違い、かなり離れた場所で。

「風宮、何をやっている! 今すぐ学園に戻れ!」
『………無理ですね』
「なぜだ!」
『敵は既に捉えているのですぐに交戦できるから―――と言えば納得しますか? まぁ、近くにゴミが彷徨いているので今すぐ撤退させるように連絡してください』

 それだけ伝えると、祐人は一方的に通信を切った。

「山田先生、ディアンルグの近くにコアの反応はいくつあるか確認してくれ」
「あ、はい………えっと、白式、打鉄弐式、そしてアメリカの第二世代型IS『アラクネ』、ディアンルグ………それと別のコアが接近してきます!」
「………束か」

 千冬は真耶に祐人宛てに伝言を伝えるよう指示し、自分は携帯電話を取り出して電話した。 
 

 
後書き
こういうのは上手にかけている自信がないので暖かい目で見守ってくれると幸いです。 
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