ドリトル先生の長崎での出会い
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第十幕その十二
「何がいいのか」
「よくないよね」
「絶望したまま死ぬから」
「よかったって思って自殺する人なんていないから」
「だからね」
「したらいけないね」
「そうだよ、自殺する位なら」
それこそというのです。
「その場から逃げることだよ」
「逃げてもいいよね」
「逃げるにも決断が必要で」
「決断するにも勇気が必要だし」
「悪いことじゃないよ」
「逃げるなって言っても」
それでもというのです。
「自殺したり心が壊れたら元も子もないからね」
「そうなる前に逃げる」
「それが大事だよね」
「本当に」
「逃げるのも勇気だよ」
「逃げたら駄目な時があっても」
先生はそれでもと言いました。
「自殺を考える位の状況なら」
「もう逃げる」
「そうすることだね」
「誰かにすがってもいいし」
「また希望もあることをだね」
「見ることだよ、自殺する前に落ち着いて」
そうしてというのです。
「周りを見てそしてね」
「だれかにすがる」
「希望もあることを理解する」
「そして逃げることも必要だね」
「時として」
「そうだよ、蝶々さんは自害して」
そうなってというのです。
「誰もが悲しんでいるね」
「うん、ああするしかなかったにしても」
「蝶々さんは武家の娘さんだから」
「どうしてもね」
「そうなってもね」
「だから自殺なんて駄目なんだ」
絶対にというのです。
「残された人達がどれだけ悲しむか」
「残念に思って」
「無念に」
「そう思うからね」
「駄目だね」
「そうだよ、僕は逃げてもいいと思うから」
自分だけではどうしようもない状況ならです。
「そこで逃げるなって言う人が手を差し伸べるならいいけれど」
「我慢しろとかね」
「今の状況に」
「どうしようもない人に」
「それならね」
「もうね」
それこそというのです。
「そうした人の言うことは聞かないで」
「逃げないとね」
「自殺するか心が壊れる前に」
「そうしないとね」
「そうだよ、逃げてもいいし」
どうしようもないと思った時はというのです。
「周りも見てね」
「手を差し伸べてくれる人がいてね」
「希望もあるから」
「生きることだね」
「絶対に」
「そうだよ、生きていれば」
そうしていればというのです。
「またね」
「いいことがあるね」
「状況が変わって」
「そのうえで」
「そうなるからね」
だからだというのです。
「絶望した時こそ」
「落ち着く」
「周りを見る」
「そしてすがってもいい」
「希望を見て」
「逃げてもいいね」
「そうだよ、生きることが大事だよ」
こう言ってでした。
先生は皆と長崎の街を歩いていきました、そしてホテルの夕食の後で皆を長崎の古い料亭に案内するのでした。
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